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3/3

出会いと違和感

異世界に飛ばされた主人公・・・

倒れた彼に起きた出来事とは?

ーーー ちょっ!あれ!!

ーーー !大変だ!!




シン「う・・・ん?」


気を失っていたシンが目を覚ますと、見慣れぬ天井が目に入ってきた。

背中に柔らかな感触があることから、自分がベッドに寝ていると解る。


???「あ!気がついた!」

シン「!」


その言葉に首をそちらに向けると、15歳かそこらの長い金髪に紅茶色の瞳を持つ少女がベッドの側で覗き込んできた。

側には濃い茶色の髪を肩まで伸ばした碧瞳に丸眼鏡の青年が立っている。


???「大丈夫?喋れる?」

シン「・・・あぁ・・・」

???「良かったぁ!あ、私アリス、アリス・スノーヴァ!こっちはお兄ちゃんの・・・」

????「アリエス・スノーヴァです、よろしく。具合はどうですか?」


シンが言葉を紡いだ事に安堵し、自己紹介と具合を訪ねてくる。


シン「何とか・・・ここは一体・・・」

アリス「ここは私達の家、宿屋のガスタウス!」

シン「!や、宿屋って・・・」

アリエス「あぁ、ご安心下さい。貴方は我々の友人扱いですので、貴方からお金を取る気はありませんから。」


山の中、木の麓で倒れてたのを運んできたのは私達ですしね。

そう言われ胸を撫で下ろすシン。

来て早々無銭で宿泊等は避けたかったのだろう。


アリス「でもグリフォンに乗ってたら虹木の下で倒れてる貴方を見つけた時は驚いちゃったよ。」

シン「・・・・・・」


あどけなく笑うアリスに、意識があれば驚いてたのはこっちだと心の中で呟く。

遠くで鳥の鳴き声が響いてきたが、呼ばれたと思ったのだろうか?


シン「って、虹木?」

アリエス「!貴方が倒れてた場所に生えていた木の事ですよ・・・というか、貴方は何故あそこへ?」

シン「え?」

アリエス「あの山は虹木を含め、魔法道具の材料採掘に適した霊山になっています。見た所貴方は冒険者でもなさそうですし、何の目的があって・・・」

シン「あぁ・・・行きたくて行った訳じゃない。」

アリエス「は?」


上体を起こしたシンに慌ててアリスが支える。


アリエス「どういう意味です?」

シン「ある理由で故郷にある泉を守ってる建物の屋根に登ったんだが・・・物事が終わって帰ろうとしたら屋根が抜けて・・・中の泉に落ちて溺れかけて、意識が遠退きかけたら貴方達の言う“虹木”の上から落下した。」

アリエス「何だそのタチの悪い転移魔法(トラップ)。」


シンから事情を聞き、思わず素で突っ込むアリエス。


アリス「く、苦労したんだね・・・」

シン「まぁな・・・」


因みにだが・・・シンはここが異世界で、もう元の世界に戻れないと感じていた。

元の世界にある異世界物の本では戻る場合、同じルートで帰る話を良く読んでいたのだが・・・彼の場合・・・


シン『戻ったら間違いなくあっちに逝く。』


元に戻った場所が神水の泉の底だった場合、浮上出来るかと言えば間違いなく否だ。

出来たならそもそもここに来る事はない・・・そう考え思わず頭を抱える。

どうやらアリエスも、場所が何処かは不明だが、同じルートで帰ってはいけないと感じていたようで。


アリエス「ま、まぁ別の方法で帰れる可能性も有りますし、しばらくはここでゆっくりなさってはいかがです?」

シン「え?良いのか?」

アリエス「えぇ、事情が事情ですし・・・両親には私達から説明しておきます。」

アリス「うん!あ、そうだ貴方名前は?」


うっかりしてたと言うように問いかけてくる。

アリエスも名前を知っておいた方が良いと思ったのだろう、そう言えばとシンを見つめる。


シン「あ、俺はシン・・・シン・ヤマブキ。」

アリス「シンさんね、よろしく!」

アリエス「よろしくお願いします。」

シン「こちらこそよろしく。」

アリス「じゃあ私達はお父さん達に説明してくるから、シンさんはこれでも食べてて。」


そういうと側のテーブルに置いてあったお粥のようなものを手渡してくる。


シン「あ、ありがとう。」


それを受け取り、二人が部屋を出ていくのを見送る。


シン『・・・良い人達だな、ここに来たのは不幸中の幸いってヤツか。』


そう思いつつ、受け取ったお粥を見つめる。

ほんのりと湯気が立ち、栄養を考慮してあるのか卵や野菜がお米と混ざっている。

それを有りがたく感じつつ、匙で掬って口に運んだ。


ガリッ!


シン「・・・・・・ん?」



宿屋を経営する家族と出会ったシン。

とても良くしてくれていますが、少し違和感を感じているようで・・・



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