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私だけのモノ  作者: 綾小路隼人
イタリア編

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47/53

分解

少し短めです。

時刻は7時25分。

京子達は昨夜煮込んだ青年の肉と、彼の眼球を浮かべたミルクティーを口にしていた。

腹が少しずつ満たされていく中、沙樹の気持ちは複雑だった。

何しろ、夢の中で自分を殺した男なのだから。

それが記憶の中で再生されて心臓を鷲掴みされる感覚を覚えたが、京子の笑顔と、優しい味のミルクティーがそれを癒してくれた。


「岩下さん、どうかしたの?」

「別に。それよりこの肉、アルコールがよく抜けてるでしょう」

「ええ。眠いのにここまで加工できたなんて凄いわ」


確かに今彼女達が食している肉は、アルコールが抜けて食べやすくなっている。

元々酔いつぶれていた男の体だったとは思えない程だ。

まともに歩けなくなり、わずかな助けに(すが)ろうと沙樹に話しかけ、安心した瞬間に絞殺された時の彼はどんなに絶望した事だろうか。

その上内臓と骨と頭部を捨てられ、血を抜かれ、見るに堪えない姿に変わり果てている。

何とも悲惨な話だが、人肉を目当てにしている2人にはどうでも良かった。


「そういえば、塩漬けの方は進んだ?」

「明日か明後日には完成すると思うわ。それまではまた1人狩る事になりそうね」

「そっか……その時はあたしにやらせてくれる? しばらくやってなかったからワクワクするなぁ♪」

「いいけど、あたしが前に言った条件を踏まえた上でやって頂戴」

「分かった♪」


京子は嬉しそうに微笑んでミルクティーを啜った。

楽しみの一つが予定されたから、肉とミルクティーがますます美味に感じただろう。

それと同時に眼球が彼女の口内に入り、やがてそれは潰れて胃の中へ流れていった。

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