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私だけのモノ  作者: 綾小路隼人
イタリア編

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39/53

お昼寝タイム

祝☆連載2周年です。

時刻は11時32分。

血と嘔吐物に塗れた男性の肉を貪り食っている沙樹を前に、京子は子猫のように草の上で寝転がっていた。

パジャマのままでゴロリと横たわって、まだ体力が戻っていないのだろう。


「京子、まだ体調戻りそうにないの?」

「ん……もうちょっとで良くなるかも……」

「そう」


最初に狩った男性の死体は徐々に肉を失っていき、骨がむき出しになっていく。

噛み砕かれた肉は沙樹の食道を滑り落ち、彼女の胃の中はそれだけで満たされていった。

それに対し京子は、青々と生い茂った草をベッドにして夢の世界に入っていた。


「早く良くなって頂戴、あたしの大切な京子……」


スースーと寝息をたてて眠る京子の胸と腹を掌でなぞり、彼女の肩にバスタオルを被せる沙樹。

それから数時間前に塩漬けにしておいた肉を容器から取り出し、キッチンペーパーで余分な水分を拭っていった。


「あともう少しね。京子の体調が戻ったら食べさせてあげたいわ」


新しい加工法により、狩って間もない青年の肉には塩分が擦り込まれていく。

それと比例するように、まだダルそうではあるが京子の体調は確実に回復しているのだ。

眠りの海に沈んだ彼女の寝顔は、心無しか微笑んでいるように見えた。

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