表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私だけのモノ  作者: 綾小路隼人
イタリア編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/53

塩漬け

人肉を日持ちさせる方法を思い付いた沙樹は、殺したばかりの青年の服を全て剥ぎ取り、両腕と両足を切断して血を抜いた。

ピンク色の切り口からはドバドバと赤い液体が溢れ出し、魚が腐ったような異臭が辺りに広がる。

やがて血がほとんど出なくなると、次は買っておいた塩を深さ20センチの容器に敷き詰めた。


「これってもしかして……漬けるの?」

「その通りよ。こうした方が、少しでも保存がきくの」


切断した腕の肉を食べやすい大きさに切り刻み、容器に入れて塩を全体的に擦り込んでいく。

数十分漬けておく間に沙樹は青年の身体から骨と内臓を取り出し、予め深く掘っておいた穴に捨てた。

頭部と両腕両足が切り離され、身体の中身も取り除かれた彼はもう元の面影が無く、ただの肉の塊となっている。

桃ジュースを飲みながらその工程を見ていた京子は、目をキラキラさせて期待の表情を浮かべた。


「完成したら食べてみたいなぁ♪」

「もう少し元気になったらね」


確かに、まだ小康状態の京子には少し早いだろう。

下ごしらえが一段落した沙樹は、腐りかけた男性の腕を切断して生のまま齧りついた。

それは腹を満たすというより、どちらかというと必要の無い物を片付けている感じだ。


「岩下さん、よくそんなに沢山食べられるわね」

「腐る前に片付けておきたいのよ。あれは京子に食べさせるために作っているから、あたしはこの生肉だけで十分よ」

「本当? 嬉しいわ」


これでまた、人肉の加工法が少しずつ増えていく。

猛獣の如く肉を貪り食う沙樹を手前に、自身の体調の回復を待ち望む京子であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ