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私だけのモノ  作者: 綾小路隼人
イタリア編

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37/53

更なる犠牲者

2018.6.11 少し矛盾点があったので修正しました。

あれからどのくらい時間が経っただろうか。

軽快な日光が山の中を照らし始め、涼しげな空気が2人を包んでいる。

京子の頬には赤みが差し、彼女の腹具合は幾分治ったようだった。

沙樹は折り畳みナイフを手に取ると、嬉しそうな表情を浮かべて山を下りていった。



$ $ $ $ $



時刻は10時47分。


京子はぼんやりと目を覚まし、やがてそれを待っていたかのように沙樹が彼女の元へ戻って来た。

沙樹の右手には一人の青年の腕がガッチリ握られている。

優しそうな顔立ちをした赤毛の彼は首にロープを結び付けられており、片目が潰れていた。

恐らくロープで絞殺し、それから視界を奪うために目を潰したのだろう。


「京子がまだ本調子じゃなさそうだから、久しぶりに狩って来たわ」

「そうなの?」


むくりと身体を起こす京子。

沙樹は桃のジュースを彼女に差し出すと、青年の死体にナイフを入れ始めた。

辺りは血で溢れ、お決まりのパターンとして首が切り離される。


「新しく手に入ったけど、これはまだ食べないわ」

「え?」


京子は違和感を感じた。

いつもなら狩ったら早めに食べているのに、今回はその様子が一切無い。


「岩下さん、新しい肉が手に入ったならそっちを食べればいいのに」

「まだ残っている肉があるでしょ。食べ終わってないのに腐らせたらもったいないわ」

「そう」


涼しい山の中とはいえ、季節は夏である。その上人間の肉はそんなに日持ちしない。

だから、食べきれなくて腐らせる事があってもおかしくないのだ。

沙樹は昨日狩った男性の足にナイフを入れて肉を少しずつ削ぎ落とし、塩と胡椒で味付けをして美味しそうに食べた。


(……そういえば、日持ちしやすいようにするには()()()()()()()()()があったわ)


彼女の脳に、一つの方法が浮かび上がった。

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