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私だけのモノ  作者: 綾小路隼人
日本編

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30/53

震える身体

1日遅れましたが、祝☆連載1周年です。

時刻は夜8時19分。


夕食も済ませた2人は血風呂に浸かっていた。

流石に暑さのせいで彼女達は無言だったのだが、しばらくすると京子は唐突にこんな事を話し出した。


「……ねえ、ひょっとして私達の存在を気付かれたんじゃない?」

「急に何なの?」


勘の良い京子は、平日なのに人通りが少ない理由が分かったのだろう。

そして、このままだといつか自分達のした事が知れ渡ってしまう。

京子の脳にそんな考えが浮かび、彼女は沙樹に抱きついて震え上がった。


「どうすればいいの? バレたくないし、岩下さんと離れ離れになるのも嫌よ!」

「分かったから落ち着いて頂戴、イタリアに逃げる準備は出来てるから。外では素顔を見せなければいいし、居場所を知られたらその時はその時よ」


京子の目から涙が流れ、雨の如く水面に零れ落ちていく。

沙樹は京子の頭を掌で撫でると、彼女の背中に腕を回してトントンと優しく叩いた。

少し安心したのか、泣き声が徐々に小さくなっていった。


「京子は1人で抱え込みすぎなのよ。いくらでもあたしに甘えていいから……」


高貴なバラの花を思わせる甘い声で囁き、京子を抱き上げる沙樹。

京子の髪と身体を拭ってパジャマを着せると、あたしがいるから大丈夫と言わんばかりのキスをする。

そして地下室に向かった頃、安心と疲れが出たのか京子は気持ち良さそうに眠りについた。

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