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幼馴染を寝取られたけど、そんなもので俺のあいつへの愛が冷めるわけねえ!!  作者: 雨夜 フレ


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岐路

私は教室に行き席に着く。

そして、ため息とともに喜一君への愛を囁く。


「はあ、愛してる……」

「俺も愛してる。桃花!」


何故か光から愛の返事が返ってくる。


「あんたじゃなくて喜一君に言ってるんですけど!?」

「そう言うなって俺がチャラビーの代わりを務めてやるから」

「代わり?どういうことよ」

「うむ。これからは俺の目の前で正々堂々、再度チャラビーにアタックをしてもう一度恋をしてくれるんだろ?」

「え、ええ」

「なら、俺のようにチャラビーに愛を囁くのは必須」


必須なの?


「というわけで俺をチャラビーに見立てて愛を存分に囁くといい!」

「なんか、公私混同してない?」

「うん!してる!」

「なんでそんな自信満々なのよ……」


でも、確かに練習はいいのかも……

私はあまり、そういう言葉は喜一君には言ってこなかった。

そして、喜一君も言ってくれていない。

なら練習になるのかも……


「試しだけよ」

「おお、どんとこい!」


私は一息入れて告げる。


「私はあなたのことを愛しています。どうかずっとそばにいてください」

「ぐっ!?」


光は急に胸を押さえて顔を下に向ける。


「え?なにかおかしかった!?」

「いや……可愛すぎる!」


は?

光は顔を勢いよく上げキラキラした目で言う。


「最高だ!俺も愛してる。桃花!ずっと一緒にいてくれ!」


光は私を抱きしめてくる。

それは勢いはあっても優しく、壊れないように、だけど、強く抱きしめられた。


「ちょっと!?」


光はただ黙って抱きしめる。


「いい加減……」

「桃花、俺はお前のすべてを受け入れる。そして愛する。誓うよ」


耳元で静かに囁かれる。

それはいつもの飴のように甘い。


私は鼓動が早鐘のごとくなり、止まらない。

こんなの知らない。


「てな感じでチャラビーなら言いそうだな?」

「へ?」


急に離されてにやにやとこちらを見てくる。


「あ、あんた!?」


ここで気づいた。私はからかわれていたと。


「ふ、可愛かったぞ?」

「うっ」


何なのよ……

いつもいつも。


「はあ、何があなたをそこまでさせるの?」


それは自然と口に出ていた。

光は少し呆気にとられてから、優しく微笑む。


「桃花が桃花だからだよ。君は魅力的な人間で大切な人だから」


その眼差しに一切の偽りはなく、まっすぐで純粋だった。


「そう……」

「ああ、だからチャラビーが惚れるのも仕方ないな」


そう言っていつもみたいに明るく笑う。

だけど、そんな彼とは裏腹に私は笑えなかった。


「なんでよ……私はあなたを裏切ってなのに私にも喜一君にも怒らない」


感情は止められない。

言葉は口に出ていた。


「なんでだと思う?」


なんで?

そんなの……



私はいつもの言葉を思い出す。「桃花、愛してる」


「愛してるからっていうの?」

「ああ」


そんなことあるの?

私なら失望する。

復讐したい。

怒る。


「私には分からない……」

「いいんだよ。分からなくて」


そうして耳元で告げられる。


「俺がいづれ教えるからさ?」

「!?」


私は急いで光から距離をとる。


「変態!」

「ふ、紳士な変態だから大丈夫!」

「どこが!?」


そんな風に光はいつも通りに愛を囁いてくる。


放課後。


「ちっ」


俺は苛ついていた。

なぜか桃花は今日は一人で帰るといって帰ってしまった。

せっかく家に呼んでお楽しみを強要させようとしていたのに。

そうして帰っていると、目の前に見たことのある影が見える。


「ねえ、俺らと遊ぼうよ?」

「いえ、忙しいので」

「えーそんな風には見えないよ?」


男たちの中に西木の後輩の牧田がいた。

ナンパだった。


俺は仕方ないと近づく。


「おい、やめ……」

「あん?なんだよ?」


男のその視線、目つき、声の低さ。

すべてに過去のトラウマがよみがえる。

そして足は少し震えていた。


だが、プライドは決して揺るがない。


「こ、困っているだろ……」

「おん?声が小さくて聞こえねーな!」


俺は腹を殴られる。


「ぐっ!?」


もろにくらい。

膝をつく。


「ぶははは!だっせーな?」


ああ、ダサいな。

俺は変わったつもりだった。

だが、根は変えられない。

知っていた。


調子に乗っていた。

分かっていた。

俺は……


「ダサくないですよ」

「え?」


彼女ははっきり告げる。


「彼は彼なりに助けようとした。それは少なくてもあなたたちよりはかっこ悪くないです」


彼女はまっすぐ強く男たちに告げる。


「は?こんな男がいいの?」


「よくはないですが、あなたたちよりはいいですね」

「は、そうかよ」


男たちは呆れたのか。

それとも、彼女のその凛とした態度にナンパは無理だと判断したのか去っていく。


「大丈夫ですか」

「……なんで、あんなこと言った?俺は最低な奴だぞ?」

「はあ、そういうのいいです。悪ぶっていつの時代の不良ですか」

「いや!俺は……」

「人にはいいとこばかりではありません。ですが、それは反省しない、学習しない人間だけですよ」


彼女は毅然と言う。


「だから、あなたは今岐路にいます」

「岐路?」

「ええ、反省して今後同じようなことをなくすか、また同じことを繰り返すか、その岐路です」


彼女の眼はただまっすぐでまぶしかった。

迷いのないその目からは目が離せなかった。


「………」

「まあ、どっちでもいいです。とにかく、ありがとうございました。それでは」


彼女は去っていく。

その小さな後ろ姿からは目が離せなかった。


「俺は……」


岐路。

それはみんなに等しく訪れる。


読んでいただき、ありがとうございます。

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