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幼馴染を寝取られたけど、そんなもので俺のあいつへの愛が冷めるわけねえ!!  作者: 雨夜 フレ


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6/22

再スタート

俺たちは中庭でそれぞれ昼食をとっていた。

というか示し合わせたように集まった。


「喜一くん、あーん」

「自分で食え……」

「あーん?」

「お、おう」


すごい圧を放ちながら桃花はあーんをさせている。


「先輩、これ弁当作ってきたんです!」

「あ、いや、俺は……」

「こんなに一生懸命作ってきたのに食べてくれないんですか?」


嘘泣きだ。

牧田とは中学からの付き合いだから、分かる。

だが、一生懸命作ってくれたのも分かる。

だから俺は……


「ごめん。牧田。俺は桃花を愛してる。だから弁当は食えない」


しっかり謝罪をして断る。

その心に嘘をつきたくないから。


「先輩……」

「ごめんな?」


そう言って頭を撫でる。


「……いいえ、分かってましたから……」

「ふん、残念ね?せっかく一生懸命作ったのにね?」


桃花が嘲笑う。


「桃花!!」


俺を声を少し大きくしても桃花の名前を呼ぶ。


「ひい!?な、なによ?」


俺はずんずんと近づき桃花の肩に手を置く。


「心にもないこと言うな」

「ど、どう言うことよ?」


俺は桃花の目をしっかり見て告げる。


「桃花は人が一生懸命なことを馬鹿にしない」

「あ……」


桃花は固まる。

この時、桃花は気づいた。

自分は最低なことを言ったと。


「……ごめんなさい」


桃花は静かに謝る。


「ふ、謝る必要はないだろ?」


それをチャラビーが嘲笑う。


「チャラビーどう言うことだ?」

「だってそうだろ?弁当を食べないのはお前なんだからな?」

「そ、それは……」

「ふん、お前が食えば問題ない話なのに、食わない不誠実さが悪い」


俺はその言葉になにも言えない。

確かに不誠実だ。

俺は牧田とは付き合いが長く、その気持ちも知っている。

なのにいつまでも告白もせず桃花が好きだからと断っていた。


そして、今はもう彼氏もいる桃花。

なのに、俺は愛してるからと牧田を突き放す。

最低だ。


「訂正してください!」


牧田が大きな声で告げる。


「は?お前、こいつに突き放されているんだぞ?」

「ええ、知ってます!ですけど、それは先輩が誠実で優しいからです!」


「誠実?どこがだ?一生懸命作ってきた弁当すら受け取れない男のどこが………」


「あなたには分かりませんよね?」


「は?どう言う意味だ?」


「先輩は私に期待をさせないように傷つきながら否定してくれている。そんな優しい人なんです」


「は、彼氏のいる女に御執心だがな?」


「……あなたは知ってるんですか?どれだけ先輩が桃花さんのことを好きか」


「知るかよ。どうせ幼馴染だからとかだろ?それに桃花は顔もスタイルもいいしな?」



下卑た笑み浮かべる。チャラビー。

牧田はため息を吐く。


「はあ、そんなことだけでここまで一途になると思いますか?」


牧田はチャラビーに近づき告げる。


「先輩は、桃花さんだから好きで愛してるんですよ!」


その瞬間、中庭は静まった。

先程までの喧騒が嘘みたいだった。

音は遠くからしか聞こえない。

まるで世界が隔離されたようだった。


「ど、どうせ建前だろ?」

「私には建前だけで二時間も好きな人の話はできませんけどね?」


その言葉で桃花は肩を少し上げる。


「私、期待してました。先輩がこんなに好きな桃花先輩はきっと素敵な人で私なんかじゃ敵わない人だって」


「え?」


「だけど、がっかりしました。先輩の愛の深さに気づくこともなく適当な人とくっつくなんて…」


牧田は少し悲しそうに言う。

きっと牧田にとっては姉みたいにも思っていたのだろう。

敵わない相手として。


「わ、私は……」


「でも、いいです。よく分かりました。先輩はその程度の愛で、薄っぺらい愛で付き合ってるんですね?」

「そ、そんなことは!?」

「なら証明してください」

「証明?」


牧田は桃花は指さして告げる。


「あなたの本気を見せてください。どれだけあなたがその男性を愛しているかを!」


桃花は視線を少し下げる。

まるで罪悪感でもあるかのように。


「桃花、俺のことを気にするな」

「!?」


きっと彼女は俺への罪悪感がちゃんと初めからあった。

だから突き放すように俺に付き合いを宣言した。


だが、それは彼女らしくない。彼女はツンデレだが、でも優しくて、意地っ張りな女の子だ。


だから……


「証明しよう。チャラビー師匠には俺以上の魅力があったって!」


「……分かった」


静かに頷く桃花。


「牧田さん。私も覚悟決めるよ。あなたが光を大好きなように」


そうして桃花はチャラビーに向き合いハッキリ告げる。


「別れましょう」

「え?」


おそらくあれは桃花なりの合図だったのだろう。

再スタートの。
















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