ゲーム白熱
無理矢理ゲームに参加させられ、キャラを選ばさせられる。
私は昔、光とやっていたときと同じ可愛い恐竜キャラを選ぶ。
「ふむ、やはりお前は変わってないな……」
「わ、悪い?」
「いや、桃花らしいなってな」
「ふん」
そうして横を見ると喜一君が悩んでいた。
「喜一君どうしたの?」
「いや、どれがいいのかってな」
うん?喜一君にしては珍しい。
いつもなら、なんでも即断なのに。
「ならチャラビ―はこれな」
「お、おい!?」
そうして光が、髭の生えた太っていて少し悪そうなキャラを選ぶ。
「俺はこんな太ってないぞ……」
なぜか少し、喜一君は落ち込んでいた。
そこまで、太っているのは嫌なのかな?
「ふふ、さあ、バトル開始だ!」
そうして、十分後。
「ちゃ、チャラビ―!」
「いかれ野郎!」
喜一君と光は接戦だった。
私は即飛ばされて退場した。
このゲーム苦手……少し悔しい。
行け!そこだ!喜一君!
「ふ、甘いわ!」
「な!?」
喜一君のキャラが吹っ飛んでいく。
光の勝ちだ。
そういえばこのゲームだけは無類に強かったのよね。
「くそ!もう一回!」
「ふふ、いいぞ。師匠!」
そうして二人で熱中する。
その様子に少し微笑みが漏れる。
私はこんな放課後が欲しかったのかもしれない。
彼はもういないと思っていた。
前みたいにゲームを一緒にしたり遊んだりできないと思っていた。
でも、今こうやって彼は隣にいてくれる。
当たり前じゃない。
それは彼の愛ゆえに成り立っているものだ。
だから、少し罪悪感があった。
私は彼に何をあげられているのだろうか……
そうしてバトルは白熱して夜まで続いた。
「ふ、チャラビ―出直してきな」
「くそ、こんなふざけた奴に!」
この二人は意外と相性がいいのかもしれない。
はたから見れば兄弟のようだ。
「ただいまー」
下から喜一君のお母様の声がした。
足音は二階に上がってきている。
「しまった!?」
喜一君は焦っていた。
た、確かにこの状況はやばい。
もし、光がお母さんに状況を説明すれば私は信用がなくなる。
ど、どうしよう!?
「喜一、お友達が来てるの?」
お母さんは部屋のドアを開ける。
「あら、桃花ちゃん。いらっしゃい。そちらの方は?」
「え、えっと」
どうしよう……
「俺はちゃ……喜一君の友達の西木光です!」
「あら!喜一に男の子のお友達!嬉しいわ!」
お母さんは光の手を握り締めさぞ嬉しそうだった。
「これからも仲良くしてくれる?」
「はい!もちろん末永く!」
「あらあら!ありがとうね!今お菓子持ってくるからね!」
「お、おい!母さん!」
喜一君はお母さんを追いかけて行った。
部屋には私と光だけだった。
「何で……言わなかったの?」
「うん?何がだ?」
「私があんたの元幼馴染だったって」
「ああ、フェアじゃないだろ?」
「フェア?」
「ああ、だって恋に幼馴染とか関係ないしな。チャラビーはそんな不利な条件で桃花を落とした。なら、今度は俺が不利になる番だろ?」
バカだ……
そんなことで、彼は言わなかった。
本当に変わらない。
昔から変なところで律儀で真面目で一生懸命でそこが……好きだった。
「バカね……」
「ふふ、惚れ直したか?」
「惚れてないし!?」
「はは、そうか、じゃあ、俺はもう帰るからチャラビ―のお母さんによろしくな」
「え、ちょっと!」
そうして彼は帰っていった。
本当に呆れる。
だけど、思い出した私、昔は彼がちゃんと好きだったんだと。
翌日。
いつもの通学路を歩いていた。
「あと少しで来るわね……」
彼が来たら少しはお礼を言おう。
ちゃんと好きだったとも言おう。
それで今度こそ諦めてもらおう。
そう思っていたが、彼は来ない。
「何やってるのよ、もう」
彼の性格は知っている来ないのは訳がある。
そう確信して少し、道を戻ってみる。
「先輩!一緒に登校しましょうよ!」
「悪いが断る!」
誰あの女?
新しい女?
黒い何かが私の中で燃え上がる。
「あ、桃花!おはよ!」
「ふん!」
私はなぜかそっぽ向く。
おかしい、彼に女が出来たら私に付きまとわなくなって平和なのに。
なのに……こんなにイラつく。
「先輩そんな尻軽女放っておいて行きましょうよ?」
「は?誰が尻軽女よ!」
「あなたですよ。先輩の気持ちを知っておきながら他の男に行った尻軽な女!」
「お、おい、牧田落ち着けって」
「そうですね―こんな女放って行きましょ?」
「ちょ!?桃花!またなー!」
そういって強引に光を連れていく。
「よっす……桃花!?」
私は鬼の形相だった。
あの女許せない!
誰が尻軽よ!
私の愛は本気よ!
いいじゃない!
本気の愛を教えてやるわよ!
「今日はたっぷりいちゃいちゃしようね!」
「お、おう」
そうして桃花vs牧田の戦いは始まる。
読んでいただき、ありがとうございます。
気に入っていただけたら、ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。




