飴はすっぱいものだっけ?
桃花は静かだ。
そういえば二人でいるときは桃花はいつも静かだった。
だけど、それは俺桃花を知ろうとしていなかっただけかもな。
反省は活かそう。
「桃花何か気になるものあるか?」
「ない」
はい。会話終了。
なわけねえーー!!
「お前は可愛いな」
「へ?」
「お前は愛らしい」
「へ?いや、なに言って……」
「最高の女の子だ!」
「もう、やめて!?」
ふふ、愛は囁いてこそだな?
「何かあるか?」
「……あれ気になる」
指さしたのはイチゴ味のアイスクリームだ。
「本当にイチゴ味好きだな?」
「悪い?」
「いいや、可愛い」
「ふん、いってろ」
顔を赤らめお怒りだ。
「はあ、可愛いな……」
「あのーお客さま。店内なのでお静かにお願いできますでしょうか?」
おっと俺のつぶやきが迷惑をかけたらしい。
「すみません。彼女が可愛くてつい…」
「ふふ、彼女さんは大変ですね?」
「はい!」
満面の笑みで返す。
そうして店員は去っていく。
「桃花、おいしいか?」
「あんたのせいで味がしない!」
桃花は真っ赤になっていた。
そういえば公共の場では距離感気にしてたしな。
そういうお年頃か。
「いやー本当に可愛いな?」
「私に聞くな!」
その後もぷんぷんしている可愛いものだ。
脳内可愛い評議会を終わらせ俺達は店を出る。
「じゃあ、次は俺に付き合ってくれないか?」
「……」
返事はないが否定もない。
無言は肯定だな。
「よし、行くか!」
「私は、何にもって…ちょっと!」
俺はずんずん前に進む。
そしてハンドメイドの店による。
「ほら、好きなの選んでくれ」
「は?な、何で?」
「うん?桃花にあげるプレゼントだからな。お前ハンドメイド好きだっただろ?」
「ふん、そんな昔のこと……」
そういう桃花の目線の先にはかわいい猫のマグカップがあった。
「お、これか」
「ちょっと!?」
俺はレジに持っていき会計を済ませて桃花に渡す。
「ほれ」
「い、いらない」
ほんとツンデレだな。
可愛すぎるのも考え物だ。
「いいから、これ家で使えよ。それならチャラビ―に壊されないだろ?」
「そ、そういう問題じゃ……」
「じゃあ、どういう問題だ?」
「えっと、それは……」
俺は彼女を壁際に追い込み壁ドンをする。
「愛してるんだ」
「か、関係ないじゃん……」
俺は言った離れて仕方ないとある行動に出る。
「ならここで割る」
「へ?」
俺は大きく振りかぶる。
「ちょっと待った!もらうから!やめなさい!?」
「おお、よかった」
優しいあいつのことだ。
丹精込めたハンドメイド作品をみすみす壊させたりしないよな。
可愛い奴だ。
「ほら」
「ほんと、あんたって、こんな強引だったっけ?」
「変わったんだよ。愛の力でな!」
「愛ねえ……」
桃花は少し悩んでいるようにも見えた。
「愛なんてそん簡単なものじゃないわよ……」
「……かもな」
俺は知っていた。
愛は気付かないものだ。
そして気付いた時には遅い。
そんなことばかりだ。
だが、俺達はまだ間に合うはずだ。
俺は絶対に冷めない愛に焼かれているのだからな。
その日の夜。桃花の家。
「ただいま」
「あら、お帰り。遅かったわね?」
「ああ。光に付き合ってたのよ」
「まあ、それはいい事ね?」
「え、なにが?私、彼氏いるって言ったよね?」
「チャラビ―でしょ?」
「な、何でその呼び名を!?」
「光君がね、わざわざ宣言しに来てくれてたのよ」
宣言?
「どういうこと?」
「あなたの彼氏、チャラビ―から必ず娘さんを取り戻しますって」
あいつ……
馬鹿真面目に宣言なんてしてたの?
はあ、あきれる。
「バカね……」
「そうねーでもいいバカだわ」
「バカにいいとかあるの?」
「あるわよ?」
よく分からないがあるらしい。
「でも、私……彼氏と別れる気ないから」
「あら、そうなの?」
「だって、喜一君の方が積極的で、優しくて、面白くて……」
「うんうん。青春ねえ」
聞いてないな。
そんなお母さんを無視して自分の部屋に戻る。
「はあ」
その手にはあいつからもらった飴が一つ。
口に入れ舐めるとそれはすごく甘くて安心させられた。
飴は妙に甘くて少しすっぱかった。
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