やべー女。
「ねえ、今から家来ない?」
「いやだが?」
「ふーん。来てくれたらこの恋人関係終わらせてあげてもいいんだけどなー」
こいつの家なんて嫌な予感しかしない。
だが、正直この関係は一刻も早く終わらせたい。
なら……
「……分かった」
「うん、うん。素直はいいね」
というわけでこいつの家に来たのだが……
「お、大きいな……」
家は通常に言えと比べて大きく圧巻だった。
「まあね……」
「??」
こいつなら自慢してくると思ったが、何か悲しそうな感じだった。
「それより中入って」
「あ、ああ」
そうして中にはいるが、さらにその圧倒的な広さに驚かされる。
「お、おお!す、すごいな!」
「こんなのいいもんじゃないよ……」
やはり明確にこいつは嫌がっている。
「親が嫌いなのか?」
「……そんなとこ……」
これ以上聞くなと暗に言っている。
「そうか……」
正直こいつに色々恨みもあるのだが、それでも人さまの家庭の内情を見たいわけではない。おとなしく俺は会話を終わらす。
「ここが私の部屋」
部屋の中にはたくさんのぬいぐるみがあり想像していたより遥かに女の子らしい部屋だった。
「へー意外だな?」
「な、何が?」
「いや、意外とかわいいもの好きなんだな?」
「わ、悪い?」
「ふ、いや、いいじゃないか?」
「そ、そう……」
それ以上彼女はしゃべらない。
その沈黙に耐えられず気になっていたことを聞く。
「そういえばご両親は?」
「仕事……」
「そうか……で、なんで家に来させた?」
「……ねえ、私たち真剣に付き合わない?」
「……本気か?」
彼女は黙って頷く。
「はあ、こんな方法で真剣に付き合えると思っているのか?」
「写真は消す」
そう言ってその場で写真を消す。
「何が目的なんだ?」
「光君と真剣に付き合いたいただそれだけ……」
彼女の姿は弱々しく見えた。
それは本心に見えた。
ただ、それだけでもなく見えた。
「嘘だな」
「う、嘘じゃ……」
「何か隠しているな?」
「!?」
彼女は固まり静かに語りだす。
「私の親は仕事優先の人で娘の私のことなんて目にもくれない………」
彼女は自虐のごとく笑う。
「だからね、見てほしくて髪を染めたり素行も悪くした。でも……」
彼女は笑いながら泣く。
「見てくれないの……」
「お前……」
こいつはこいつなりに考えていたんだな……
だが、その方法は許せない。
俺は告げる。
「俺にも見てほしかったのか?」
「……そのまっすぐに桃花を見る目を見てうらやましかったの……いつも桃花から話を聞いて羨ましかった……」
「だから桃花を堂本とくっつけたのか?」
「うん………ごめん」
「はあ」
俺は呆れる。
そんな理由で俺の桃花は……
「はーーーーーーーーはっ!」
バシン!!
「いったーーーー!!」
俺は思いっきりこの女のおでこにデコピンを繰り出す。
「な、何するの!?」
「ええい!黙れ!こんなことで許してやるんだ感謝しろ!!」
「ひん!?」
もう一発デコピンをお見舞いする。
「お前は人として最低なことをした反省しろ!!」
「え?ちょっと待って!?まだやる気?もうおでこ真っ赤……いやーーーー!?」
そうして計十回デコピンをした。
彼女のおでこは真っ赤だ。
「ふう、こんなところだな」
俺は満足した。
「………」
京子は静かになっていた。
やりすぎたか?
いや、当然の報いだな。
「ふふふ」
「??」
笑い出す京子。
な、なんだ?
「嬉しい!!」
「は!?」
こ、こいつデコピンでおかしくなったか!?
「私をここまで真剣に怒ってくれたの光君が初めて!!」
「お、おう。そ、そうか。ご愁傷様」
「もう、付き合えなんて言わない!」
「おお、分かってくれたか」
「うん!ご主人様になって!!」
「は?」
ご、ご主人様?
「な、なにいって……」
「あなたの犬にならして!!」
こ、こいつ!?
ま、まさか…
「Mだったのか!?」
「M?そうかも!」
や、やべー!
変な女にロックオンされた。
ひとまず恋人関係は終わったもののまた厄介の種が増えた。
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