犬になりますよ?
チャラビーのハゲピー。
桃花の意気込み。
二人ともやる気は十分だ。
俺も負けてはいられない!
「桃花、今日は一緒に帰らないか?」
「いいの?」
「何がだ?」
「牧田さんじゃなくていいの?」
不安そうに聞いてくる。
「ふ、マイハニーはお前だけだぜ?」
「そういうことじゃ……」
それでも彼女は不安げで弱々しい。
俺は抱きしめたくなるのを我慢して囁く。
「お前がいい」
「な!?」
彼女は口をパクパクさせて固まっていた。
「どうした刺激が強かったか?」
「ふん!」
少しお怒りのようだ。
そんな時はこれだ。
「ほら、これやるからさ、機嫌直してくれ」
「……仕方ないわね」
そう言ってしっかりイチゴ飴を受け取る。
「で、どこ行くの?」
「え?いや、帰るだけだが?」
「はあ、あんたね。もう少し考えなさい!」
うむ。
どこかに行きたかったのか。
感慨深くなるな。
デレ期も近いか?
「分かった。じゃあコンビニでも……」
「もっと大きな買い物したいの!」
「そ、そうか。じゃあショッピングモールでも行くか?」
「まあ、及第点ね」
何とかお許しがもらえたようだった。
「さあ、行きましょ!」
その笑顔はとても明るく、昔の彼女特有の太陽の香りがした。
「ああ」
数十分後、某ショッピングモール。
「で、何を買うんだ?」
「……まずはアイス食べたい」
そういって前に食べたイチゴアイスを指さす。
「ふ、了解」
そうして二人でアイスを食べ、ただ商品を見て回り楽しんでいた。
その時はまるで昔のようで俺は懐かしくなりながら楽しんだ。
そうして時間は過ぎあっという間に外は暗くなっていた。
「今日はありがとな?」
家への帰り道で俺は告げた。
彼女は少し驚く。
「何よ、改まって」
「いや、昔みたいで嬉しかったからな…」
俺の本心だった。
「そう……ならよかった」
少し微笑む彼女。
それは太陽とは真逆で月の光のように美しかった。
「あ、先輩」
声の方向を見るとそこには牧田がいた。
「おーい、牧田さん!待ってくれ!」
「チャラビー?」
後ろからはチャラビーが牧田を追いかけてきていた。
「どうしたんだ。こんなところで?」
「それがですね……」
「俺の努力が実って買い物に付き合わせてもらってるんだよ!」
どや顔のチャラビー。
「そうなのか?」
「いえ、ただしつこいので、荷物持ちにしているだけです」
「がーん……」
地味にショックなのかうなだれるチャラビー。
「もう、喜一君は繊細だって言ってるじゃない。よーし、よーし」
犬みたく撫でて励ます桃花。
それを見て俺の中のジェラシーが燃え上がる。
「わんわん!!」
「え?急に何してるの?」
桃花は困惑していた。
それでも、俺は犬みたくお座りをして撫で待ちをする。
「オレ、イヌ、ナデロ!」
「よーし、よーし。いい子ですね。先輩」
「は、は、は……はっ!?」
しまった!?
桃花からの撫で待ちだったのに牧田のあまりの手際の良さとそのテクに負けた。
桃花からはごみを見る目で見られた。
「今度やったら、去勢するわよ?」
笑顔だが、目は笑っていない。
「……はい」
俺は地味に落ち込んだ。
すると頭を優しい感触が撫でてくる。
「はい……これでいい?」
そう言って桃花は優しく頭をなでてくる。
「ワン!!」
「もうやめていいから……」
君のためならいつでも犬になりたいよ。
忠犬でも番犬でも、君のために尽くしたい。
そんな人生だ。
「あれ、桃花じゃん」
「……京子?」
そこにはチャラそうな女がいた。
いかにもギャルな見た目だ。
俺はこいつが誰が知らない。
だか、人生で初めて感覚的にこの女が嫌いだと思ったのだった。
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