進化! 進化! 超進化!!
いつもの通学路。
見慣れた風景。
そして……
「おはよ、桃花」
見慣れた顔、見慣れた声。
「うん……おはよ」
「やっと返してくれたな?」
「……ごめん……」
「いいよ。チャラビーのために今まで我慢したんだろ?」
「!?……気づいてたの?」
彼は気づいていたのか。私の罪悪感を。そして我慢を。
「当たり前だ。俺はお前のマイダーリンになる男だぞ?」
「……だめだよ」
私は彼の軽口を否定する。
「何がだ?」
「私なんかの恋人はもったいないってこと……」
「それは俺が決めることだろ?」
「そ、そうだけど……」
こんな私はふさわしくない。
そう知っている。
「桃花はまだチャラビーが好きか?」
「……分かんない」
それが正直な気持ちだった。
彼の良さも彼の悪いところも大好きだった。
だけど、私は思い返してみてもわからなくなっていた。
どうして好きだったのかが。
「そうか……じゃあ、俺のターンだな!!」
「え?疑問なんだけど、今までは違ったの?」
「当たり前だ。俺はあれでも我慢してた!」
「してたんだ……」
その目はやはりまっすぐで牧田さんを思い出す。
その似ている眼差しで私は確信する。
「光、聞いて」
私は二人と同じくまっすぐ見て話す。
「私は誰かの隣にいても恥ずかしくないように誇れるように努力する」
「桃花は十分に誇らしいぞ?」
「それはあんたが昔の私を知っているからでしょ?今の私は全然誇らしくない。牧田さんやあんたみたいにまっすぐな目で話せるように頑張りたい」
「ふ、そうか。でも一つ言っておくぞ?」
彼はにやにやしながら囁いてくる。
「俺がまっすぐ見て話すのは、お前をまねしたからだよ」
その言葉に、声に、耳元から赤くなる。
「な、何言ってるのよ!?」
「事実を言ったまでだぞ?」
彼はいつだって私に甘々だ。
だけど、甘えてばかりではだめだ。
そう思って私は放課後、美容室に行く。
「桃花ちゃん。本当にいいのね?」
「はい……お願いします」
「ええ、任せておいて!」
私は変わるんだ。
翌朝。
いつもの通学路を俺は歩く。
今日も愛しの彼女を見つけたくて。
だが今日は彼女はいない。
目の前には黒髪で短髪の女の子が一人だけだった。
はあ、今日は先に行ったか?
俺は視線を落とし落ち込んでいた。
「おはよ、光」
「え?」
そこには先ほどまで前にいた女の子がいた。
派手な髪色は黒く染まり、長かった髪は短くなっていた。
「まずは見た目からかなって……似合う?」
俺は大きく息を吸いはっきり告げる。
「ベリーグットだ!!」
「そう……よかった」
小さく彼女は呟く。
可愛いものだ。
「も、桃花?」
「お、チャラビーおそ……どなたですか?」
そこには長髪だった髪はなく更地が広がっていた。
「き、喜一君!?」
「お、おう。変わったな桃花」
「いや!チャラビーこそどうした!?」
「ああ、俺は変わるんだよ!」
「え、急にどうしたの?」
「それはな……彼女の好みがこれだからだ!!」
は?
「牧田さんはぼうずが好きだって言ってたんだよ!」
チャラビーは完全におもしれー男になっていた。
「それ、たぶんからかわれたんじゃない?」
「え?」
「ああ、確か牧田は別にぼうずが好きだとかは聞いたことないな」
「う、嘘だ!?」
「いやほんとだぞ?師匠」
「な、なんだと……」
チャラビーは膝から落ちる。
「お、俺は無駄はげになったのか……」
「まあ、落ち込むなハゲピー」
「某人気ゲームのキャラみたいに言うな!」
鋭いツッコミ。
それはまさにチャラビーだ。
「やはりチャラビーがしっくりくるな」
一人頷く。
「もう、好きにしてくれ……」
意気消沈なチャラビーだった。
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