寝取られ幼馴染。
それは夏休み明けだった。変わり果てた髪色そしてピアスを付けて俺の前に幼馴染は現れた。
「私、この人と一緒になるからよろしくね?」
「残念だったな?ぎゃははは!」
幼馴染の沢渡桃花はチャラくて有名な堂本喜一の隣で笑っていた。
妖艶で少し大人びていた。
なんで、なんで……
そんな感情が沸き起こるかと思った。
だが、そんなものはなかった。
むしろ………
「いいな!!燃える!!」
「「は?」」
俺は燃えていた。
「は?何言ってるの?私寝取られちゃったんだよ?」
「そんなの関係ねえ!俺の愛は冷めてない!!」
「え?いや……」
桃花は少し戸惑っていた。
「お前正気かよ?大丈夫か?びょ、病院行くか?」
なんかめっちゃチャラい男に心配されている。
新体験だった。
「俺は夏休中に桃花から連絡なくて心配してた。その焦らしプレイのおかげで愛は限界突破したんだよ!!」
「いや!?そんなことしてないけど!?」
「いいや、あれは俺への愛の試練だったんだ!」
「も、妄想豊か!?」
「もっと褒めていいぞ?」
「ほ、褒めてない!」
二人の見る目がドン引きしていた。
「桃花!!」
「はい!」
桃花は急に呼ばれて背筋をピンとする。
「これから愛をたくさん教えてやる。覚悟しろ!」
「は、はい!」
ふん、言ってやったぜ。
「じゃあ、俺はこれからの準備で忙しいから行くな」
「お、おう」
そうしてその場を去る。
その日は家に帰り徹底的に計画を練った。
「よし、できた題して愛囁き作戦!!」
俺は大きく書いた文字を見ながら微笑む。
「ふふ、桃花がどんな顔をする方のか楽しみだな」
そうして翌日。
桃花はいつもの時間に家を出ていく。
それを見計らって家を出る。
「おはよ。桃花」
「……」
ガン無視だった。
ならこちらにも考えがある。
「桃花これ受け取ってくれ!」
「は?」
大きな花束だった。
これはお年玉を崩して手に入れた至高の一品だ!
「いらない」
「照れるなよ?」
「いや、照れてない」
そのまじトーンに俺は気付く。
「お前……」
「分かったでしょ?」
「ああ、分かった……ついにツンデレを極めたのか!」
「ちっがーう!」
「そうなら先に言え。ほらこれ」
「あ、私の好きなイチゴの飴!て、いらない!」
ふ、なかなかのツンデレ具合だな?
「おっす。げっ!?」
そこに堂本がやってくる。
「お前まだいたのか?」
「ああ、チャラビ―おはよ」
「なんだそのマスコットみたいな呼び名は!?」
「いや、普通に呼ぶのも変だからいいかなってな」
「そっちの方がややこしいだろ!?」
まあ、今日はチャラビ―来たしいったん引くか……
「桃花!」
俺は桃花にイチゴキャンディーを投げる。
「いらないから!?」
「いいからあとで小腹空いたときにでも食ってろよ。じゃあな!」
桃花の手元には微かな温かさが残っている飴だけが残っていた。
「ふん、こんなの子供しか喜ばねーよ」
「あ!」
堂本は飴を桃花の手から取り地面に落として足で潰す。
「ほら行こうぜ」
「う、うん」
桃花はなぜかその潰れた飴からいつまでも目が離せなかった。
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