03.箱入りドラゴン
03.箱入りドラゴン
いつものようにギルドで依頼を受けた私たちは、
翌日、街を出発した。
麗らかな陽気の中、街道をみんなでのんびり歩いて進んでいくと
またもや今日も怪しげな宝箱を街道の端に見つけてしまった…。
いや、明らかに怪しいって…。
「お?宝箱か宝箱だな?!是非とも開けねば~♪」
今日も懲りずに純が軽快な足取りで宝箱に突進していく。
「だから純!!宝箱には大抵罠があるっていつも…っ!!」
「んー?ひなた今なんてー??」
私の言葉の途中で珍しく純が振り向いて止まった。
「あ、偉い偉い。今日は開ける前に止まったね~♪
罠あるかもしれないんだから安易に開けちゃダメだよ~?純」
褒めて近づいていって注意する。
「えー!!じゃあこの有り余った期待感をどうしろっていうんだよぉー!!」
純が突然、地面に転がって手足をバタバタさせてぶー垂れた。
「駄々っ子かー!!」
思わずツッコむ。
すると突然、純の後ろの宝箱がカチッと音を立てて蓋が勢いよく開いた。
「え…なんで勝手に開いて…」
私が呆気にとられていると、宝箱から眩い光が溢れ出し、
中から凄まじい咆哮とともに巨大なドラゴンが飛び出してきた。
「グォォォォオオオン!!!」
全員一斉に驚いて悲鳴を上げる。私も驚愕した。した、けど…まず…
『一体どうやって入ってたかをツッコんでもいいかな?!?!』
咆哮を上げた後のドラゴンが何をするか分からず、全員武器を構え、
緊張が走る。
しかし、ドラゴンは咆哮を終えるとなぜだかそのまま
大人しく体を丸めて宝箱の中へと戻っていった…。
「あ…なるほど?…そうやって、入ってたんだ?」
ドラゴンの戻っていく姿に不思議そうにコテンと小首を傾げながらも
納得するかのように言う私。
「んなわけあるかーーー!!!」
なぜか純たち全員から総出のツッコミを受けてしまった…。
「やだ…純にまでツッコまれちゃった…」
両頬を手で覆ってお茶目に言う私。
「んっんっ!!」
照れくさそうに咳ばらいをした純が
「さて~、それではまた開けてみましょうか~ひなたさんや~」
どこかノリノリな純がまた宝箱へと近づいていく。
「ドラゴンさんがお昼寝中ですよ~?そっとしてあげなされ~純さんや~」
なんとなく純のノリに合わせて返す私。
「ふぅむ…そうですなぁ。お昼寝中のようですし、そうしますかな…」
同じようなノリで話し、無いヒゲを撫でるような仕草をして
宝箱をまじまじと眺めた純が宝箱から離れた。
「まーたお前らはー…」
晶たちがため息をついて近づいてくる。
「…おい、いいから先へ進むぞ。依頼を受けてるんだからな。」
律樹が呆れた声で言うと街道の先へと向かった。
私も純たちも慌てて律樹の後を追って街道の先へと向かう。




