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超ハイテンション変人勇者な彼に今日も振り回される~魔王戦って大爆笑で終わらせるものだったっけ?!~  作者: ひととせ そら


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02.空振り猛アピール

02.空振り猛アピール


道中、何度も振り向いては純がみんなに

「みんな~大丈夫?疲れてない?」

と心配そうに言ったと思うと、なぜか私の方を向いて

変なポーズを取りながら

「どう?今の俺…カリスマ溢れてない?」

と言ってなにかのアピールをしてきた。


「うん、ただのアピールしたがりくんだね♪」

あえて笑顔で返す私。


「えー?なんだよそれー!俺、これでも超カッコイイんだぞー?」

そう言って純はまた変なポーズをしてアピールしてくる。

「どう?どう?!惚れ直した?」


「面白さには加点してあげる♪」

笑顔でサクッと返す私。


「お前はまた…なーにやってんだよ、アホ!」

晶が呆れてため息をつくと純のつむじにチョップをかました。


「いてっ!ちょっ…なにすんだよ~晶ぁ~~!!」

つむじを押さえて抗議する純。


「お前がくだらないことやってるからだろー。ひなたに変な絡み方すんな」

もう一度、純のつむじにチョップをかました晶。


「いてっ!この、晶…てめぇ!!」

純が晶の髪をくしゃくしゃにして反撃を開始する。

またいつものように二人がじゃれ始めたようだ。


しばらくしてギルドに到着する。

カウンターには受付のギルド職員のお姉さんに掲示板を見つめる冒険者たち。


純がクルッとターンして笑顔でギルドの受付嬢にお茶目に話かける。

「受付嬢のお嬢さん~♪ 今日も勇者純くんはと~っても

かっこよかったんですよ~?」

そしてウィンクを送る。


…また純はあんな真似してる。

私は呆れてため息をつくと近づいてきた悠と談笑を始めた。


「あら、勇者さん。ふふ、はい、知ってますよ。今日も

最高にかっこよかったですよ」

話を合わせてくれているのか、ギルドの受付嬢は純に微笑みかけて言う。


ギルドの受付嬢の言葉に気分を良くした純が悪戯っぽい笑みを浮かべて

振り返ってひなたを見ると

「ひなた~♪ 俺、最高にかっこいいって受付嬢さんに言われたよ~?

ね?聞いた?聞いた?!」


「悠もそう思う?だよね~ふふ、私もそうだと思った♪」

すでに純を見るのをやめたひなたは悠と楽しそうに談笑している。


「…」

拗ねたように唇を尖らせた純は受付嬢との会話を適当に切り上げ、

ひなたの元へと向かう。

「…ひなた、なんで俺の話無視するの?」

頬を膨らませてふくれっ面をした純がひなたをじっと見つめる。


「え?なにが?」

急に話しかけられてキョトンとする。


「俺が今、受付嬢さんに『最高にかっこいい』って言われた話だよ!

それ無視して悠と一体なに話してたんだよ?」

目を細めて不機嫌そうに問う純。


「なにって別に…普通の雑談だけど。純、褒められたの?良かったね」

不思議そうにしつつ答え、純を褒める。


「…別に。ひなた、俺に全然興味ないの?

カッコイイって思ってないんだろ?」

拗ねた表情で私を見てくる純。


「え?そんなことないよ。カッコイイんじゃない?

だってみんなそう言ってるでしょ?純のこと」

「それはみんなの意見だろ。ひなたの意見じゃないじゃんかー!」

私の言葉に尚更むくれる純。


「いや、思ってるってば~。純、カッコイイって」

困ったように苦笑いして言う。


「ならなんで俺にときめかないんだよー!」

「…何の話?」

純の言葉にキョトンとする。


「街の女の子たちはみんな俺見て『カッコイイ』って言った後に

『ドキドキする』とか『ときめいちゃう』って言うんだぞ?

なんでひなたは言わないんだよー?!」

より頬を膨らませてムスッとふくれっ面で言う純。


「…?? みんなに言われたなら、よかったね?」

意図がよくわからずキョトンとしたまま言う。


「…」

少し黙ったかと思うとより眉を寄せて

「…俺は、ひなたに言われたいんだよ。」

唇を尖らせて不機嫌そうに見つめて言ってくる純。


「どうして?」

不思議そうに小首を傾げる。


「…」

より目を細めて不機嫌そうになる純。

「…もういい、なんでもねぇ。」

ふいっと顔を逸らしてギルドの掲示板の方へ行ってしまう。


「…???」

なんであんなに純は不機嫌そうなんだろう?

受付嬢さんにも街の女の子たちにも褒められたならいいじゃない。

変な純…。

小首を傾げると晶たちとともに純の元へいってみんなで掲示板を眺めた。


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