「ユカリの本当の身体」その1
「んっ・・・?ここは?」
目が覚めると何処かの研究所なのか機械が沢山あって光が通ってる。
「んん・・・手が手錠されてる」
腕は手錠で頑丈に拘束され力が出ない。
私は状況を確かめるべく前に進むとユイさんがいた。
それと同時に培養液に入った“私”を見つけた。
「ユイちゃんもあったな・・・」
クローン・・・だっけ?
研究員の人達が・・・何の為に作ってたっけ?
雑念を捨てて奥に進む、そこには・・・今まで倒してきた化け物達が何故か作られていた。
「発展途上区を襲って来たトカゲ見たいなロボット、結晶の洞窟に捨てられた赤子の化け物、炎星と水星を壊そうとしたドラゴンモドキの化け物」
どれも私の【血の魔法】で倒せた化け物だ、皆が力を合わせてやっと倒せたのにどうする気なのだろうか?
テーブルに写真が飾られている、興味本位で見るとそこには・・・私の知る人間が関わっていた。
「元々は【神】を作ろうとしたのよ」
嫌な記憶が蘇り不快に思うとユイさんが奥の部屋から出て来た。
「神?」
コツコツとブーツを鳴らしながらユイさんは嗤った。
「笑えるよね?神を作るためにクローンを作成から化け物を作り神を創るなんて」
何が言いたいのか分からない、ユイさんの悍ましい瞳が恐怖にすら感じて肩がすくむ。
「それなのにさ・・・酷いよね、いざ【神】が創れたら想像より弱々しく使い物にならないんだから」
ユイさんはトカゲロボットを“時空に飛ばした”、それは一瞬の出来事で私の魔法と似ていてまるで最初から存在していなかったかのように消えて行った。
「無もなき神はね・・・産まれるべきじゃなかったのよ、まさか負の感情を切り取った【ユイ】を宿しちゃうんだもん」
また一体、赤子が消えた。
「どいつもこいつもさ、勝手よね?研究員は神に見捨てられて復讐の為に無もなき神を作ったクセに精神が不安定で脆弱な人間だからって闇星の地下に封印してさ・・・?」
ユイさんが全ての化け物を消すと赤黒い怒りの感情のオーラが包み込む。
湧き出る邪念と憤怒が止まらない。でもユイさんは優しい笑顔で私に告げた。
「ユカリちゃん、神殺しに協力しない?」