「私とワタシとわたし」
「ひさしぶ・・・り」
悍ましい気を感じて焦って振り返るとそこには闇星で助けてしまった“ユイさん”に遭遇する。
人とは思えない冷気を帯びた声、足音すら聴こえないブーツ、そして何より銀河のような深淵のような果てなき闇の眼、人間の目をくり抜いたようなグロい目が二つ。
ユイさんは不敵な笑みを浮かべて私に近寄る。
「貴女は・・・結末が変えれるなら変えたい?」
突拍子もない会話につい反応する。
「か、変えたいかも」
ポツリと呟く私の嘆きを拾うユイさん。
「可哀想よね、主人公なのにハッピーエンドが無いなんて」
謎の発言に首技を傾げる。
「主人公?」
コクリとユイさんは続ける。
死んでるから?
「本の中に閉じ込められたからか、或いは女神の悪戯、もしくは・・・貴女がもう既にこの世に存在しない・・・から?」
ユイさんは壊れたおもちゃのように不敵にも笑った。
「冗談言わないでよ、私はこうして生きてる・・・何か確証とかあるの?」
冗談に聞こえないユイさんの言葉に私は苛立ちを覚えて少し喧嘩腰になってしまった。
だがユイさんは確証があるのか私に近付き胸を人差し指でトントンする。
そこは心臓がある部位だ。
「貴女の心臓、死の力・・・貴女がそれを使うと触れ合っ立った人が死ぬ」
聞いたことない名前に困惑してる、だけどそれ以上に聞き捨てならない発言があった。
「死の力って・・・?」
ユイさんは私に写真機を渡していた、知らない機械、内容を確認すると私は怖くて強引に返した。
「う、嘘だよね?あれが死の力??血の魔法とかじゃないの?」
そこに写っていたのは私が【血の魔法】だと決めつけていた体内から吹き出る血液で作られた攻撃魔法だった。
「こ、こんなのデタラメじゃん!?どうやって撮ったのかも分からないし!」
私は焦って反論するもユイさんは不適に笑った。
「教えない、でもそれは事実・・・ユカリちゃんはね・・・この物語の死神なんだよ?」
ユイさんは私の背後に回り意味不明の力で気絶させられた。