「ひとりぼっち」
数カ月前は敵だったのに不思議なことに気軽に話せる。
最近の出来事や治安とか化け物の依頼とか。
趣味の話は盛り上がり私の中で久し振りに楽しい会話が出来た。
「っ・・・」
最近、疲れが酷い。
「ブロッサムさん?」
私の顔を見るなり不安げな表情を見せる。
「だ、大丈夫大丈夫!最近仕事が立て込んでてさ!あはは!」
私は用事を思い出したと切り出し、ふらついた身体でその場を後にした。
嘘だと知っててもグーさんは追いかけてこなかった。
☆★★★ キリヤマ
彼女は最近不名誉な称号を手に入れ、同業の冒険者からは煙たがられている。
平民としての評価は高く、発展途上区では一番信頼させる程の実力者なのは変わらない。
仲間が大勢亡くなるも彼女が英雄的価値評価されてはいますがいつからか尾ひれが付いて“仲間を囮にして倒した”、“何の才能も無い彼女が一人で化け物を倒したのはおかしい”、“彼女の腹は真っ黒で仲間の手柄を横取りしてる”、なんて言葉が冒険者内で相次いで付いたあだ名があれだ。
“死神”、仲間にする度に人が死ぬ、でも彼女は何の躊躇も無く危険な仕事をこなしている。
彼女からは【死の力】を感じると・・・全く酷い逆恨みのような気がするが彼女からの弁明は無い。
彼女は相も変わらず明るく優しく、笑顔が素敵な少女。
だがあの瞳は初めて出会ったキラキラとした希望に満ち溢れる澄んだ目はしていなかった。
少しずつ淀みが侵食している、彼女の今後が不安になる程に・・・食事も少なく、酒も一杯のみ、明朗快活だったお人好しの彼女からは考えられない行動。
「ブロッサムさん・・・ちっ」
彼女は一人で背負いすぎた。