そして探検隊(二名)はダンジョン(教会)の奥深くへと足を踏み入れるのだった…
わお綺麗。
開いた口を無理やり手で閉める。アーチーさんの目が冷たい!
冷たいよぉー!?その視線!凍っちゃうって!
いや、だってさぁだってさぁ、これはもう反則じゃん!さっきまでは今までも見てきた、空気の悪い街だったのに、急に白くてピカピカな城見せられたらこうなるでしょ!?
びっくらぽんしたぜぇ……。
……でもこれって、教会なんだよね?…だよな?だってさっき、アーチーさん教会に行くって言ってたし。
って、ちょっと待って待ってよ!アーチーさんがずかずか進んでくんだけど!
もう!レディへの気遣いは?ねぇ!?こっちにはコンパスの差があるんだって!歩幅広いなぁ!!!
つーか、ここが中世ヨーロッパイメージの世界なら、もうちょい背丈小さいんじゃないの??アーチーさん、高身長イケメンだしな。結局はなんちゃってってことか。
でも、さっきの街はきたな…不潔…非衛生的……(諦めた)だったよね?変なとこだけ再現しなくていいじゃん!えぇ?
普通良いとこだけ再現するんじゃないの?悪いとこはいらないんだって…。
あ、扉開いた。
「ここの人に話しかけられても返さないようにして下さい。絶対面倒なことになるので。」
「え、あ、はい。」
すっと差し出される手。その手の上に自身の手を乗せる。
エスコートってやつか!
つい私のハートがトゥインクルトゥインクルしてしまったぜ…。
こうして見ると、一挙一投足がすげぇ綺麗なんだよな、アーチーさん。
やっぱりちゃんと貴族なんだろうな。服装もちゃんと手入れしてるっぽいし。
そして、無駄に豪奢な扉の向こうへと私たち探検隊は足を踏み入れるのだった。
……普通、こーいう教会とかって清貧を美徳にするもんじゃないの?なのにこんなに綺麗なのおかしくない?
……中身がどろどろだったらやだな。
安心してください。
しっかりドロドロですよ。