草
おはようございます。私です。
いや~。マジどうしよう。本当に、この世界が例の乙女ゲームの世界だったら、私ってなんか、暴走するような能力?魔力?を持ってるわけでしょ?でも、全然そんなん自覚ないんだよね。
……メシ食うか。
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さてさてちょっと時間飛びまして!今日の朝ごはんのメニューは、パンと目玉焼きだけのくそシンプルなやつや!
「おーいディラン君や。朝飯できたぞよー!」
「んあ?なんらよまちるだぁ?」
うわこいつ、寝ぼけてやがる。
「起きろ!朝飯!」
「おー、わかったー。いまいくー。」
そして、食卓を囲む。ちなみにこれは私が手作りしたなんちゃってちゃぶ台だ!
「………マチルダ。」
「ん?なんだよディラン。好きな子の話か?」
「ち、ちげぇよ。あの、新聞を見たときめっちゃ
動揺してたから……。」
「あーあれね」
その時、修理したばかりのドアが叩かれる。
なんなんだよこんな朝っぱらに……。
「はいはい、今出ます。」
誰だよ、一体……。
「おはようございます、マチルダ様。」
「は?」
いやいや、なんでこいつが…アーチーさんが居るんだよ!住所教えてないよな?こわいこわいこわい。え?え?どどどどうすればばば
「……なぜ、ここに?アーチーさんのような方が来るような場所ではないはずですが。」
「はは、ご冗談を。聡い貴女は気づいてらっしゃるはずでは?」
くそぅこいつ、やっぱり聖女案件で来たのかよ。これから仕事なんだけど!
というか、聡いってなんだよ聡いって!聡いやつが寝坊してトラックに引かれるなんて死に方するわけねぇだろ!!
…自分で言ってて悲しいわボケ!
「……断ったらどうなるのですか?」
「その反応からして新聞、読んだのでしょう?……貴女のことを探してるのは、私じゃありません。国なのです。」
うわぁまじかや。これって、断ったら国を敵に回すって、遠回しに言ってるってわけだろ?……逃げ場がねぇ。
あーやだやだ!これ行っても行かなくっても面倒事起こるじゃん!
「どうしますか?」
「……行きます。ディラン!!洗い物とあと大家さんへの挨拶、頼んだ!!!!」
「え?あ…ちょっ、マチルダ!!」
ディランside
…飯……。食うか……。