宿題は食べ物です
《前回のあらすじ》
私……天才カモ……!?
っていうのは冗談だけど……。んーとつまり、私は(そのつもりはなくとも)ぶっつけ本番で特殊能力に目覚めたー!ってこと、よね?
だとしたら、良いこと……なのかな。
や、アーチーさんが怪我したわけだし、何もかもが良かったわけじゃないけど。
そういや、あの……名前なんだか忘れたけど、護衛さんは全くの無傷だったな……。
不意打ちじゃなかったとはいえ、普通少しは怪我すると思うんだけど、もしかしてルイっさんが連れてるだけはあって、すごい実力だったりするのかしら。
「──ルダ?……マチルダ?」
「え、あ、はい?何か?」
「何か、って……。ちゃんと話聞いてた?」
「ぁ……す、すいません……」
hahaha何か話してたのかワイト君……。いやぁ、私の耳には届かなかったようだなぁhahaha……。大変申し訳御座いません。
「全く……その調子だと、体調に異常は出てないみたいだね。」
……え?
魔法って体調に異常が出るようなもんなの?ていうか、知っててワイト君それ黙ってるの?
「それで、早速本題なんだけど──」
「ちょちょちょ!!待って下さい!!!体調に異常!?私、そんなものを扱おうとしてたんですか!?」
これは遮ってでも聞くべきですわ。マイケルもそう言っている。
「……別に、魔法自体にそんな作用は無いよ。ただ、万が一が無かったかだけ確認したかったんだ。」
「そう……ですか……」
ホントカナァ?コワイナァ?
「少なくとも、僕の知り得ている本当のことを言ったつもりではあるよ。」
あれ心……読まれた?まさかな。
「僕自身、全てを把握できている訳ではないからさ、今までは特にそういうことがなかった。でも、念のため、確認したかった。……どう?これで納得できた?」
「……はい。私……早とちりしてしまい、申し訳ありませんでした。」
「謝る必要はないよ。寧ろ、言いたいことがあったら何でも言ってくれ。その責任が僕にはあるからね。」
何か、疑っちゃって悪いなぁ……
というか、今までの聖女の人たちも似たような反応してたのかな?何か、対応慣れしてるような希ガス。
「さて、これからの事なんだけど、たまに……んと、一ヶ月に二、三回程度指南しに行くから、そのつもりでいて。」
預言者ワイトの!魔法講座!!ってことですな。
あたしったら、ワックワクしちゃう……!
「課題は、今回は出さないけど、度々出すから覚悟しておくこと。」
……い、異世界に来ても宿題だなんて……なんてこったい……。




