聖女?どうせ詐欺やろ
すぅ~ふぁ~……ふがっ!!
……はっ……やべ寝てた。よだれ出てんじゃん恥ずかしいっ!
で、何だっけ。そーだそーだ、聖女がうんたらこーたらって……。
聖女ぉ?聖女ってあれだよな。なーんかキラキラしてて、性格が良くって、見目も良くって、なんか聖女の力持ってるタイプと持ってなくて単純に聖人だから聖女なタイプがいて、よく同人誌とかで魔物とか敵国の兵士にあーれーされる……。
聖女ぉ?私が聖女と言っても過言ではないくらい美しいって話ならわかるけど、こいつ……じゃない、アーチーさんは「選ばれました」って……えぇ?
「あの……選ばれた…って……?」
教えろぉアーチーさんよぉ……。
「あなたは、今代の聖女に選ばれました」
選ばれたって……私がぁ?ガチで?
あーそだそだ、説明忘れてたんだけど、この世界って中途半端にファンタジーな世界で、聖女はいるけど魔物はいない(少なくとも私は見たことない)のよね。聖女つっても、近所の情報屋の兄ちゃんによれば、かなりのポンコツばばぁだって話だけど。たしか…名前はウィロウ…だっけか?
そもそも、聖女が何するやつなのかとか知らんのよね。聖女だけが持つ特別なpowerとか、そーいう話も聞いたことないし。
「それならウィロウ様がいるはずでは?それに、聖女は血筋によるものだとばかり……」
「……ウィロウ様は……かなり老成されていて……。また、確かに先代とウィロウ様は血が繋がってはいますが、それ以前は血は繋がっていません。なんなら昔は庶民の出の聖女の方が多かったようです。」
「はぁ…なるほど……。しかし、なぜ私が?そもそも本当にそうだったとしても、どうやって私だと断定したのですか?」
正直言うと怪しいな~って感じ。私を騙して連れていって、変なことしようとしてるって方が、まだわかるんだけど……。なんせこっちは美少女だし。
「……預言者様が…そう、おっしゃったので……私たちはそうするしか……。」
「へぇ…?預言者……ですか。……私は一応、この国の民のつもりですが、一度もそのような方の話は聞いたことがありません。私からしたら、騙されているのではと思うのも仕方ないですよね。」
もうやってられるかってんだ。
帰らせてもらうぜ。