働きたくないなぁ…
「じゃあ、元の名前は?」
「え…佐野英理、です」
聞くとこそこ!?
もっと聞くことあるんじゃない!?
「ん…なるほどね。じゃあ次からは君の番。何か聞きたいことはある?」
「は、はあ…」
質問しろってこと、よね…これ。
えー、何聞こ…。急に言われてもよう分からんて!どないしよ、どないしよ…。
あそだ、聖女のこと聞こうかしら。乙女ゲーのことについても話せるなら話したいしね。そうじゃなくても、主人公ちゃんの情報貰えるかもしれん。
「そ、その…聖女とは、一体どのようなものなのですか?」
「あ、そっか君ってあそこの出身だもんね。そりゃ知らないか。」
あ、あそこ!?
うん、分かる。多分、前世のことじゃなくって、こっちの世界での故郷のこと言っとるんやろ?
だとしても、その言い方は不自然とちゃいます?
「聖女っていうのはね~、魔法の才能がある子のことをそう呼んでんの。」
ほほう…。さっきのバリアで察してたけど、やっぱ魔法あんのねこの世界。本家マチルダの力の暴走がどうこうっていうのも、そこら辺?
私にもその才能があるのなら…ロマンあるなぁ~!!
まぁ、この世に生まれてこの方魔法なんて触れたことないんだけどね…。それに、ベスフレも、魔法世界の乙女ゲーだなんて…ははは、うん…言ってたかもな。真面目に聞かず適当に流してたから、分からんねん。クズとか言わないでね。
「そ、それじゃあ、その才能は私にも…?」
「うん、そーそー。保護っていう意味合いもあるし、その力を何かに活用してもらうっていう意味合いもあるよ。」
何かに活用…ねぇ。魔法って聞く限りは、便利そうだけど、実際はどのくらい使えるのかしらん?
「例えば、君の先代にあたる、ウィロウ。彼女のことは流石に知ってるよね?」
「は、はい!」
「ウィロウの場合は、魔物を倒すためっていうのが主な活用法だったね。まぁ、元々適性があったていうのもあるけど…。」
魔物ぉ!?魔物なんて居たのこの世界!?
生まれてこのかたそんなの…あぁ、そうね。私の出身地は当てにならないんでしたね、そうでしたね!
それにしても…あんなババアが戦闘て…。
新聞で見たことあるけど、相当なお年寄りだったぞ…?
はは、私…大丈夫かなぁ…。




