通れるのか通れないのか、どっちなんだい!いや、普通に通れるやないかい!
「わぁ……」
そうして、一行がたどり着いたのは、大きなログハウスだった!
「その、預言者様っていう人は、誰かと一緒に住んでるんですか?」
「いや、彼は独りのはず…。というか、改築したみたいだ。」
あぁ、そういえば、ルイスさんは前に来たことがある的なことを言ってたもんな。
独り暮らしにしては、ばかでけぇログハウスだな……。
ハッ!視線ッ!?……気のせいか?
なんか、視線を感じた気がしたけど……あたしら以外誰も居ないな。なんなら動物も居ない。……奇妙な場所だな。
「良く来てくれたね。」
ハッ!?……背後から…声……だと!?
一体どんなやつなんだぁ?…ここに居るってことは、件の預言者くんだろぉ?多分。
振り返るとそこには……
やっべ、ショタ?ショタじゃねぇか!!背丈がショタのそれなんだけど!えでもショタが預言者!?いや、まさかな…従者とかかしら……?
「お久しぶりですね、預言者様」
「そうだね、君も相変わらず元気そうで何よりだよ。」
預言者だった!
このショタ、預言者だった!
だよね~服の感じからして、既に神聖な感じが出てるもんよ~。いや、それは着こなしの問題か?
真っ白な服なんて、こっちに来てから何気に全然見てなかったし、その時点で、こいつ…何か、違うッ!とはなるけどよ~。
ルイス氏、あーた、なかなかのナイスプレーですな~。私やアーチーさんが見た目を知らないことを見越して、自分からあぁ言ったのなら、とってもナイスや。
……つーか、もしや預言者くん、見た目変わってないタイプ?ルイスさんがすーぐ分かるなんて……。前に来たのは、結構前って言ってなかった?確か。もしや……不老、的な?顔隠してるから分かんねぇや。まさかねぇ~。
「紹介します、この子が例の……」
「聖女、でしょ?」
ちょ、タイミング!タイミング!
今、私が合わせて自己紹介した方が良かったんじゃないの?
え~と、えふんえふん。
「マチルダ、と申します。」
「……そ、よろしく。マチルダ。」
その間はなんだ!!
怖い、怖い、怖い……。
ルイスさんは、なんとなく性格分かってるから、なんだかんだ安心できるけど、預言者くん……何考えてんのか分からん!怖い!
あれだね、目が、というか表情が見えんのが一番の要員だぁね。顔全部隠してるなんて、怪我でもしてんのかしらね。
「よく来てくれたね。王宮からここじゃかなりの距離がある、大変だったでしょ。こんなとこで立ち話もなんだし、お上がりよ。」
そんなこんなで、探検隊は預言者の自宅という名のダンジョンへと足を踏み入れたのだった……。