44 数歌
よろしくお願いします。
ロルカはエリオットの異変に気付き足を止め背後を見る。
エリオットの姿が見える。
そしてエリオットの背後には一体のシユウが、エリオットの姿を見え難くしている。
槍を持っている。
今まさにエリオットを突こうとしているのが分かる。
そして突いた。
念動力を使って瞬間移動を終わらせた束の間の隙、虚の時を狙っての槍だ。
エリオットは新たに念動力を使う間を失い、瞬間移動もできず細い目を見開いて佇んでいる。
「エリオット」
叫ぶロルカの声が遠く聞こえたような気がする。
だが、槍は僅かに外れた。
エリオットは、外れて右下腹部を掠って突き出た槍先を見ながら言う。
「アラゴン」
「待たせたかな? 念通力が本業でね、念動力はどうも使い勝手が悪い」
エリオットとシユウの間に挟まれて左脇で槍の柄を挟んだアラゴンが言う。
そして、
「確かに数え歌は終わりだ。どうも算数が苦手でね、これからは数えずに消して行くとしよう」
アラゴンは、今度は正面にいるシユウに語りかけるとニコリと笑い、右手をシユウに向けて翳し掌を広げる。
「こいつも得意じゃないんだけどね、お前一体くらいなら何とかなるだろう」
アラゴンは広げた掌に、満身の力を込めて拳に変えるとシユウの体が震え出す。
「アラゴン・・・。」
「最後だ」
そう言うとアラゴンは拳を勢いよく広げる。
シユウの首だけが宙に舞い、首から下が爆裂する。
爆風を受けながらアラゴンが、また独り言のように呟く
「ワシの力では、首を飛ばすくらいが精一杯か」
ありがとうございました。




