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闇を斬る音は無し  作者: 織風 羊
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33/63

33 木漏れ日

よろしくお願いします。



 森の中の鬱蒼とした緑の隙間を縫って入る太陽の光でも、目に刺してくる光線は眩しい。


 小鳥達の囀りに誘われて目を覚ますが、ロルカ以外は鹿のコクトーやベルレーヌも含めて全員が目を覚ましていたようだ。


「目を覚ましたか」


 とパステルナークが声を掛ける。


 無理もない、風の者として戦った初めての争いである。

とパステルナークは思っている。


 初めて妖魔と戦った時、ロルカはネルーダ王国親衛隊隊長の騎士として、全てパステルナークの指示に従って、二体の妖魔を音もなく斬り、葬り去った。


 草の上、ロルカは起きようとするが、身体の節々と筋肉が痛む。


 自分では知らぬ間に、限界を越えるような動きをしていたのであろう。

戦いの間に其れは感じられないものである。

戦いが激しさを増せば尚更である。

喩え骨が折れていようとも。


「エリオットは?」


 とロルカが尋ねると


「水を汲みに行っている」


 とパステルナークが答える。


「コクトーとベルレーヌも見当たらないようだが」


「日が昇るとともに、エリオットがボードの群生地へ連れて行った」


 一体全体、あの娘に疲れが溜まることはないのか?

とロルカは毎度のように驚き、ため息を吐く。


「もう一晩、野営する」


 とパステルナークが言うと


「そんな時間は無いだろう」


 と呟くロルカにパステルナークが諭すように言う。


「短い休息の時間を捨てれば、安定という永遠を捨てる事になる」


 続けて言う。


「養生をしろ。準備不十分のまま戦えば、返り討ちに遭うだけだ」


「済まない」


「安心することだ。私達は、その為に失敗した」

ありがとうございました。

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