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ヒキニート

作者: 那堕翔

短編2作目です。

今回も過去に書いたものをリメイクしてアップしましたので、どうぞ宜しくお願いします。

 僕は家神(かがみ)塞人(さいと)、19歳。

 ニート歴1年の、新米自宅警備員だ。

 趣味は、漫画、アニメ、ゲーム、パソコン、妄想と幅広い。

 自宅警備員は無給なので、いくつか運営してるゲーム攻略サイトの広告費で収入を得ている。

 と言っても、月5,000円いけばいい方だが。

 外出は月に一度あるかないかだ。

 楽しい日々を送ってる僕は、間違いなくリア充だ。

 面倒臭い人付き合いもなく、毎日好きな事だけに没頭出来るのだから。

(二次元の)彼女も居るし。

 そんなリア充ライフにピリオドを打つ事件が何の前触れもなく、ある日突然襲い掛かって来た。


「あなたのダラけ切った生活もそこまでです」


 塞人がいつものようにパソコンでオンラインゲームを楽しんでたら突然画面が真っ赤に染まり、"WARNING"の文字が表示されて加工音声が喋り出した。


「お前は一体、何者だ!?」

「私は、あなたのような怠惰な引き篭もりを社会に更正させる者、通称サイコです」

「ハッキングして僕を特定したのか!?」

「そうです」

「それは犯罪じゃないのか!?」

「裏社会で生きる私にそのような質問は愚問です」

「そうか、分かったぞ! お前は高度なハッキング能力を会得した事で、下手な正義感に目覚めた中二病患者だな!」

「明日あなたの家にお伺いしますので、話の続きはまた後程」


 "WARNING"の文字は消えて、元の画面に戻った。


「イカれてやがる!」

 

 塞人は早速サイコの事をググったが、何処にもそれらしい書き込みは見付からなかった。


 何処にも情報がないなんて!

 まさか奴は、組織で動いてるのか!?

 でも、明日本当に来ると言うなら、来た時点で警察に通報すればいいだけの話だ。

 何も怖がる事はない。


 そして翌日、午前9時。


「おはようございます」


 起きたら目の前に、10歳くらいの男の子が立っていた。


「誰だ、お前は!? 人の部屋に勝手に入って来やがって!」

「私はサイコです。親御さんには、あなたの友達の弟だと言って来ました」

「サイコだと!? まだこんな小さな子供が! 信じられん! まだ僕は夢を見てるのか!?」

「現実ですよ。私の超能力を以ってすれば、いとも容易い事です」

「超能力!?」

「実際にお見せした方が早いですね」


 そう言うと、パソコンを手も触れずに起動させたり、塞人の後ろに瞬間移動してみせた。


 「まさか、こんな事が…。現実に存在してたなんて…。これは凄い!」

「あなたの選択肢は2つです。ネットで24時間この部屋のライブ映像を配信するか、働くかのどちらかです」

「人の部屋を勝手に24時間ライブ配信なんてしたら犯罪だぞ!」

「裏社会でしか生きられない私に取って、犯罪などと言う概念ははなからありません」

「何でもありだな」

「それは違います。私は正しい事にしか、この能力を使いませんからね」

「自分が思う正義の元にだろ? やはり、まだ子供だな。大人ならその能力を私利私欲の為に使うけど、子供なら自分がヒーローや神にでもなったつもりで使うからな」

「私の親が実際にそうでしたので、私は…」

「超能力は、親から受け継いだのか!」

「はい。父親ですが、ある日突然超能力に目醒めてからは会社を辞めて、能力を悪用して大金を得ていたので、止む無く私が殺しました」

「…!」

「その罪滅ぼしとして、働く意欲のない者を働かせる為に、こうして裏で活動してる訳です」

「そう言う事だったのか…。超能力を持ってるからって、幸せとは限らないんだな。そう考えると僕は、幸せなのかも知れないな。働かないのは、社会に出て人と接するのが嫌だって言う自分の我儘な訳だし。僕も大人にならないといけないな。まさか、子供の君に教えられるなんて…」

「コミュ障の自分にも出来る仕事を探す事から始めてみるよ」

「そう言う気持ちになってもらえたのなら良かったです。僕はまだ至らない子供なので、感情的になって気分を害してしまった事は謝ります」

「もうそんな事はいいよ。君に会えて良かった。友達になれないかな?」

「私はもはや表社会では生きられない人間なので、会った人の記憶は全て消さないといけないんです」

「僕はそんなの全然気にしないからさ!」

「ありがとうございます。あなたが立派な社会人になる事を祈ってます」


 そう言うと、塞人から自分の記憶だけを消して立ち去った。


 何か知らないけど、俄然やる気が出て来たぞ!

 よし、明日から本気出す!


 こうして塞人は、オタモノ鑑定団でバイトを始めた。

 最初は仕事や会話が上手くいかなくて四苦八苦してた塞人だけど、幅広いオタク知識を披露していく内に徐々に打ち解けて来て、次第に店の売り上げに貢献するまでになっていて、1年経った今では正社員として働いている。


 大好きな物に囲まれて仕事出来るなんて、正に此処は俺のオアシスだ!

 オタ鑑最高!

 さいこう…あれ?

 何か大事な事を忘れてるような…

 ま、好きな事で稼げてるんだからいっか♪

最後まで読んで下さってありがとうございました。

折角最後まで読んでくれたのにご期待に応える事は出来なかったかも知れませんが、これからもっと面白い作品を書けるように頑張りますので宜しくお願いします。

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