狂った奴は度ゴブリンを未知の生物に変化させる
・・・。
「ん、ふわぁぁ」
僕は軽くあくびをしながら、眠い目をこすって起きる。
目の前に映るのはいつもの寝室。
ではなく、石の床と石の壁と石の天井と、縄で縛られたゴブリンと、ゴブリンの死体だった。
「そうか。夢じゃないだ」
少しだけ夢なんじゃないかという淡い希望があった。
だけど、そんなことはなかったみたい。
僕は落ち込みそうな心を無理矢理引き上げるため伸びをする。
「さて、ご飯でも食べようか」
僕は血抜きしたゴブリンに手をかける。
両足切ったはずだが、すでに片方はなくなっていた。
昨日食べたんだから当たり前だよね。
昨日はゴブリンを殺した後、そのゴブリンを運び終わるところでかなり疲れてたから、足をとめて寝ちゃった。
だから、まだゴブリンの死体は血抜きができていない。
今から血抜きして間に合うかな?
僕は火をおこして、足を焼く。
うぅぅん。
体に悪そうな匂いがするなぁ。
しばらく時間が経ち、よく焼けた肉を口に入れる。
すると、
《スキル『毒耐性:レベル1』を獲得しました》
《『毒耐性』:毒に耐性がつく》
《スキル『病気耐性:レベル1』を獲得しました》
《『病気耐性』:病気に耐性がつく》
頭の中に声が響く。
スキルというものを手に入れたみたい。
ゴブリンを殺してレベルアップしたときにも手に入れてたけど、何なのかよく分かってないんだよね。
ゴブリンを後ろから襲ったから、『暗殺』を手に入れたのかな?
自分のやった行動に関係する能力みたいな者がもらえるってこと?
そう考えると、『毒耐性』と『病気耐性』を手に入れたってことは、毒とか病気に耐えてるってことだよね?
「、、、まあ、いいかぁ」
深く考えないことにした。
そして、気分を切り替えるために配信をすることにする。
僕は準備をして、カメラの電源を入れた。
「皆さん、こんにちはぁ!」
「異世界マッドサイエンティストチャンネルにようこそぉ!!」
「今回は、前回驚くほどの効果を見せた回復役を使って実験をしていきます!!」
僕はそう言いながら、回復役をカメラの前に置いた。
2秒くらい時間を待ち、今度はゴブリンを映す。
僕は早速ゴブリンの腕にナイフを突き立てた。
ブシャッ!!
血が噴き出す。
それには構わず無理矢理半分に裂いた。
そして、用意していたある者をカメラの前に見せた。
「それじゃあ、これを埋め込んでみます!」
僕は棍棒をできた隙間に突き刺します。
そして、ちゃんとはまったのを確認して、回復役をゴブリンになめさせました。
みるみるうちに傷が小さくなっていき、
「うん。棍棒を埋め込むことに成功しました!」
「うまくやれば平気人間も作れそうですね」
「それでは、次に1番やりたかった実験をしたいと思います!!」
また腕を切り裂く。
そして棍棒を引き抜いた。
そしてできた隙間に、今度は、
「腕をクロスで入れてみまぁす!!」
反対の腕を埋め込んだ。
手首と手首が重なる感じである。
その状態で回復薬を飲ませた。
「おお、腕に腕が埋め込まれました」
「これができれば手錠は必要なくなりますね」
僕は笑顔でカメラにそういう。
今回はこの程度で終わらせるつもりだったが、少し物足りない気持ちがしたので、もう1つ実験をすることにした。
「最後の実験の準備をするので、ちょっと待ってて下さいね」
僕はそう言って、部屋から出る。
そして、
「ああああぁぁぁぁ!!!!!!!!」
全力で叫んだ。
別にストレスがたまっていたわけではない。
実験に必要な者を集めるためである。
「ゴブゥゥゥ、、ゴブゥゥゥ!!!」
僕の声に反応してやってきたゴブリンがこちらに気づいて走ってくる。
棍棒をブンブンと振り回していて、若干危ない。
そして、
ガンッ!
やはり入り口に前で何かにぶつかって倒れる。
今回は自分の振り回していた棍棒が倒れた後に減免にぶつかって、さらに悲惨なことになっている。
そんなかわいそうなゴブリンを縄で縛り、部屋の中に引きずり込んだ。
「よいしょ。もう1体ゴブリンを持ってきました」
「それでは早速作業をしますね」
ナイフを新しい靴構えたゴブリンお背中に突き刺す。
そして、ゴブリンお背中一帯をくりぬいて、ゴブリン1体くらい入りそうな大きな円を作った。
そこに、元からいた方のゴブリンを入れ、くりぬかれたゴブリンに急いで回復薬を飲ませる。
「はい!できました!!」
「ゴブリンとゴブリンを合体させた新しい生物です」
「いやぁ~。心臓の2つある面白い生物ができましたねぇ」
私は面々の笑みを浮かべてそう言う。
大変だったし、そろそろ終わらせようかな?
「はい!今回は回復薬のすごさと恐ろしさを字臆見で表してみましたぁ!」
「ではまた次回、異世界マッドサイエンティストチャンネルでお会いしましょう。さようならぁぁ!!!」