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狂った奴はゴブリンを後ろから襲う

「はぁ。楽しかった」


僕は先ほどまでの配信を振り返る。

本当に楽しかった。

あの体験自体が楽しかったのはもちろん、あんなものを世間に流せるということがまず面白かった。


「次、どうしようかなぁ」


僕は次の配信の内容を考えることにした。

今回いじめたゴブリンをまたいじめてもいいんだけど、次の階層に行かないと新しい食料は手に入らないから、この階層の探索もしなければいけない。

きっとこの階層にはほかにも同じようなゴブリンたちがいるんだろう。

真正面から戦って倒せるとも思えない。


「武器が欲しいなぁ」


手元のナイフを見ながらそう思う。

ナイフではあまりにもリーチが短すぎる。

もっと長い武器が欲しい。


「だからって、この棍棒は重いしなぁ」


僕はゴブリンが持っていた棍棒を持ち上げながらそんなことを思う。

食料さえ確保できれば少しだけ時間に猶予ができるんだけどなぁ。

ふと、ゴブリンを見る。

そこは、いろいろなものが飛び散っていて、とても汚かった。


「ん?もしかして」


僕はその汚いものを見て、食料確保のアイディアを思いついた。

ナイフを片手に、ゴブリンに近寄る。

ゴブリンは怯えた目でこちらを見るが、ジタバタと暴れることはないらしい。

逃げられないことを理解したらしい。

自殺防止をしとかないとなぁ。


「いい子だね。明日はもっと面白いことをしてあげるから覚悟してね」


そういいながら、両足を切り取った。

すぐに回復薬を口に垂らす。

すると、新しい足が生えてきた。


僕は松明がかかっていたところに縄で縛った足をかける。

血抜きっていう作業だね。

そう。

ここまでくると分かったと思うけど、僕が思いついた食料対策は、ゴブリンを食べるというものだよ。


「ふぅ。終わった」


さて、この作業は時間がかかりそうだからしばらく暇になる。

この間に何をするかっていうのが大事なんだけど、何をしようか?

、、、うぅん。

危険かもしれないけど、外の探索でもしようかな?


「誰もいないよね?」


僕は入り口から首を出す。

誰の姿も見えない。

少し出てみる。


「・・・」

「うん。何も起こらない」


安全であること確かめる。

扉の先の道はしばらく1直線になっており、その両側は意思の壁になっている。

そこを足音を立てないようにゆっくりと歩いていく。


「、、ゥゥゥ、、」


遠くからうなり声が聞こえる。

ゴブリンがいるんだろう。

しばらく歩くと、十字路になっているところに来た。

ゴブリンが来ていないか左右を確認する。


「大丈夫、かな?」


影は見えない。

さて、ここからどっちに行こうか。

どこに次の階層に行くための階段とか、ワープホールとかがあるかはわからない。


「グウウゥゥゥ」


「っ!」


ゴブリンの声が近くで聞こえる。

近くまで来ているみたいだ。

聞こえた方向に少し顔を出してみてみる。

(いたっ!)


見つけた。

片手に棍棒を持ったゴブリンがこちらに背を向けて歩いていた。

チャンスである。行くなら、今。


タッ!


僕は極限まで音を出さないようにしながらも走る。

そして、ナイフを振り上げ、ゴブリンの真後ろまで来たところで、


グサッ!


首にナイフを突き立てた。

ただ、これだけでは安心できない。

すぐにナイフを抜き、何度もナイフを突き刺す。

刺したところから血が噴き出し、あたりは真っ赤になった。


《LV1からLV2になりました》

《各ステータスが上昇します》

《スキル『暗殺:LV1』を獲得しました》

《『暗殺』:敵に気づかれていない状態で攻撃するとダメージが増加する》


「っ!?な、なんだ!?」


頭に聞いたことのない声が響く。

聞いたことはないけど、知っている。

異世界ということはこれは、レベルアップというものじゃないかな。


っと、ボォっとしている場合じゃない。

見つからないうちにこの死体を追っていかないと。

僕はゴブリンの死体を背中に背負い、部屋まで引きずっていく。


「あれ?ゴブリンって、こんなに軽かったっけ?」


僕は運びながら首をかしげる。

最初のゴブリンを縄で縛って部屋に運び入れた時はもっと重かった。

これが、レベルアップの効果?

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