狂った奴が転移された
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カーンカーンコーンカーン。
いつものようにチャイムがなり、授業が始まる。
「起立、気をつけ、礼」
「「「「おねがいしまぁす」」」」
きっちりとした委員長の号令がかかり、生徒たちは権力者の指示に何の疑問も持たずに従う。
そんな権力者に従う一般人と同じように、僕、大山 狂太は頭を下げた。
でも、
(なんで頭下げなきゃいけないんだよ!お金払ってるのはこっちだって言うのに!)
心の底から社会に従うことはなかった。
「それじゃあ、今回の授業なんだけど、、」
先生が黒板に背を向けた。
僕は、そのがら空きの首を刺したい衝動を必死で押さえていた。
いつもと何も変わらない、そこには日常が広がっていた。
そんなときだった、
ポワアアアァァァァ。
「うわっ!?」
「なんだこれ!?」
地面が淡く発光しだした。
よく見ると、光は魔法陣のような形になっている。
数名の生徒は慌てふためいていた。
それを、先生と数人の権力の犬どもがなだめる。
「落ち着け!どうせ誰かのイタズラだ!」
「おい!誰がこんなイタズラをした!!大人しく出てこい!!」
先生が怒鳴る。
しかし、誰も出て行く者はいなかった。
明らかに怒られそうだもんね。
(僕がもし犯人だったとしても、名乗り出ることはないだろうなぁ)
「ここで名乗り出なかったら、停学では済まされないかもしれないぞ!!」
先生が犯人を脅す。
おそらく、停学以上の処分が下ることはないだろう。
だけど、口だけなら何だって言えるんだ。
「今名乗り出ておくのが賢明な判断だぞ!」
「さっさと出てこい!!」
先生は眉間にしわを浮かべながら怒鳴る。
かなり頭に血が上っていることが見てとれた。
だからだろう。
ただ従うだけしか能のない、無能な生徒たちですら気づけていることに、気づいていないようである。
「うわああぁぁぁ!」
「「「「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」」
1人の生徒が発狂しながら教室から出ようとする。
すると、それにつられて大勢の生徒たちが教室の扉に駆け寄った。
だけど、
「あ、開かない!?」
「嘘でしょ!?鍵は閉まってないのに!?」
扉は開かないみたい。
先生は気づいていないみたいだけど、光がだんだんと強くなってきていて、だんだんと暑くなってきた。
しばらくしたらすごい温度になることが感じられる。
死んでもおかしくない。
でも、幸運だったのか、それとも不運だったのか。
光が強くなって部屋が真っ白になった。
教室は大パニック。
数名の生徒は扉に何度も体を打ち付けている。
どうしても逃げたいみたいだ。
だが、そんな努力もむなしく。
シュンッ!
僕たちの体は教室からかき消えた。
・・・。
「、、、ん?ここは?」
いつの間にか寝ていたみたいだ。
たしか、授業中に光が強くなって、、、。
あれ?それからどうなったんだけ?
「それで、ここはどこなんだろう?」
僕は周りを見回す。
辺りは真っ暗で、明かりは壁に掛かったたいまつ1本しかない。
僕は硬くなった体を無理矢理起こす。
固くなるのも無理はないだろう。
こんな、
「岩場で寝てたんだからねぇ」
忘れちゃった。