↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メイちゃんが大魔王になるまで  作者: 畑田
2章 勇者パーティー結成編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/155

31話 勇者VS大賢者

 

「楽しみだね、サクラ!まさか、サクラと戦える日が来るとは思わなかったよ!」


「えぇ、そうね。お手柔らかに」


 神官様達との話が終わり、私達は今、ギルドの闘技場に来ている。そう、これから私は、カーラと戦うのだ。例外(メイちゃん)を除いて、世界最強の冒険者であり、勇者でもあるカーラと。


 正直言って、勝てるとは思っていない。一瞬でも接近戦に持ち込まれれば、直ぐに負けてしまうだろう。完全に、ギルマスの超上位互換だものね。


 そして私達は、距離を取って互いに構えた。見たところ、カーラの剣はいつも使っている普通の剣。たぶん、ギルマスの剣より脆い。接近戦に持ち込まれそうになったら、全力で壊しにいこうかしら。


「サクラ、何処からでもかかってきて良いよ!」


「じゃ、遠慮なくいくわね」


 先ずは、様子見。昨日覚えた土魔法でカーラの前に壁を作る。上手くいくかしらね?


 ギュゴゴッ!


「ごふぇっ!!」


「…あらっ?」


 …カーラの少し前に発動したつもりだったのに、失敗したわね。土魔法は何故か、カーラの目の前に出てきて、剣を構えた腕に当たり、その腕が顔に直撃した。狙ってはいなかったけどラッキーね。でも、実戦でこうなったら大変ね。カーラで試せて良かったわ。やっぱり、離れた位置に魔法を発動させるのは難しいわね。


「効いたよ、サクラ。こんな事も出来るなんて凄いよ」


「…ふふっ。偶々よ」


 本当に、偶々。だけど、偶然は続かない。これからが本番ね。


 取り敢えず、ギルマスと戦った時と同じように、水魔法の矢を放つ。もちろん、それだけでは効かないから、火魔法の矢も追加し、風魔法で加速させる。


「うわっ⁈ ちょっ!!凄いよ、サクラ」


「…全然効いて無いわね」


 予想通り。いや、予想以上ね。いくら放っても、当たる気がしない。ギルマスとはレベルが違うわね。


 それなら…。


 ピカッ!


「うわっ⁈ 眩し!! わっ!痛っ!熱っ!」


 私は、カーラの目の前に光魔法を発動して目を眩ませ、視界を奪った。カーラは急に起きたことに戸惑い、少しだけ攻撃を食らっている。…それでも、殆どは避けれるのが恐ろしいわね。どうやって反応しているのかしら?


 でも、これはチャンス。これで決めなければ、カーラは突撃してくるだろう。


「カーラ、息を止めて」


「え?何?? わぷっつ」


 私は、魔法の矢に加えて、大きな水球を作り出し、カーラの顔面に押し当てた。水球は、カーラの頭を覆い、その状態を維持する。魔力操作が難しいけど、メイちゃんのお母さん(マイさん)に教えてもらった、とっておきの技。この技で、メイちゃんのお父さんを襲ったドラゴンを、一時的に追い払ったらしい。


 上手く操作出来れば、自分より強い相手にも十分な効果が見込める。さて、カーラに効くかしらね?


「むぐっ!ごほっ!」


 カーラは、息が出来ない状況にも拘わらず、私の魔法を踊る様に捌いていく。本当にバケモノね。


「ごぼっ!ゴクゴクッ…。ぷはっ!」


「…はあ⁈」


「はぁ、はぁ。死ぬかと思ったよ」


 あり得ない事に、カーラは顔を覆った水を飲んで減らし、息が出来る様にした。おそらく、2リットルくらいは有っただろうに。


「…ふぅ。今度はボクから行くよ、サクラ!」


「ちょ…!待っ…!!」


 もちろん、今は戦っている途中。カーラが止まってくれる訳は無く、どんどん接近してくる。


「もうっ!!」


 私は、火魔法の矢、水魔法の矢、それに加えて土魔法も発動するけど、その全てがカーラに当たる事は無い。…これは。…死ぬわね。今から剣を構えるなんて無理だもの。カーラの剣を壊すなんて、もっと無理。


「ストオオオォォォップ!!!」


「「…え?」」


 …どうやら、私の負けを確信して、メイちゃんが止めてくれたみたい。はぁ、メイちゃんが居て良かったわ。カーラだけだったら、絶対に止めなかったと思うし。


「サクラさん、やりすぎです!早く消してください!!」


「…え?…うわっ!!」


 だけど、止められた理由は、私が危なかったからでは無かった。メイちゃんが指差す方を見てみると、ギルドの木造部分が燃えている。…おそらく、カーラが迫って来た時に放ちまくった火魔法の矢が刺さったのだろう。


「やばっ!!」


 私は、急いで水魔法を放ち、消火を始める。幸い、メイちゃんが直ぐに気付いてくれたおかげで、少ししか燃えていない。


「ふぅ。ありがと、メイちゃん。ギルドの皆に怒られるところだったわ」


「本当ですよ。気を付けてくださいね」


 もし、ギルドが燃えてしまったならば、私はギルマスやレイラさんに怒られる。ギルマスはどうでも良いけど、レイラさんの説教は長いから、絶対に嫌なのよね。メイちゃんに救われたわ。


「もー。良いとこだったのに。続き戦ろっか、サクラ!」


「止めとくわ。私の負けよ」


「え?ボクはボロボロだけど、サクラは無傷だよ?」


 はぁ。事実そうだけど、そうじゃない。メイちゃんが止めてくれるのが、ほんの少しでも遅ければ、私が負けていた。最悪、死んでいた。もう二度と、カーラとは戦いたくないわね。


「カーラの勝ちよね、メイちゃん」


「…引き分けです。2人共凄すぎました。怖かったです」


「…ふふっ。何よそれ。メイちゃんの方が数倍凄いわよ」


 メイちゃんの能力に比べれば、私達なんて大したこと無い。だけど、メイちゃんは自分の凄さを理解していないし、戦おうともしない。どうして世界は、メイちゃんにこんな力を与えてしまったのかしらね。


「じゃ、次はメイが相手してよ!」


「絶対に嫌です。死んでしまいます!」


 ふふっ。もしメイちゃんとカーラが本気で戦ったら、死ぬのはどっちかしらね。答えは考えるまでも無いと思うけど。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。