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メイちゃんが大魔王になるまで  作者: 畑田
2章 勇者パーティー結成編

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29話 進化

 

「これでオッケーですね!」


 私は、隣の部屋からベッドを運び出し、カーラの部屋に持ってきました。そして2つのベッドを繋げて、4人で寝れる大きなベッドの完成です。私が言い出した事ですし、私がやるべきですからね。


「…メイちゃん。力持ちよね」


「メイお姉ちゃん、凄いです…」


「これくらい、誰でも持てますよ」


 どうやら、サクラさんとキャルシィは、私が1人で持ってきたのに驚いている様です。別に、そこまで重くなかったのですけどね。流石に、キャルシィには持てないかもしれませんが、今のサクラさんなら余裕だと思いますし。


「では、もう寝ましょうか。今日は疲れました」


 今日は、朝からドラゴンやクラーケンといった魔物討伐依頼を受け、かなり疲れましたからね。私は戦っていませんが、全速力に近いスピードで1時間近く走ったり、緑聖龍の上で震えたりしましたからね。それに加え、久しぶりにカーラの相手をして、私が悪いですが精神的に疲れましたからね。


 ですが、そうは言っても簡単に寝れるとは思っていません。私には、この後カーラが言う言葉が容易に想像出来ますからね。


「みんなで枕投げしようよ!」


 はい。流石カーラです。予想を裏切りませんね。カーラなら絶対にそう言うと確信していましたよ。ですが、今日からはサクラさんが居ます。サクラさんは、大人の女性です。きっと、枕投げなんてしたくないと思います。


「良いわよ。相手になってあげるわ」


「…え?」


 あれ?おかしいです。どうしてですか?サクラさんは、私の味方では無いのですか?


「サクラさん、無理に付き合おうとしなくても良いのですよ?」


「あら。無理なんてしてないわよ。少しだけ興味があったのよ」


 …何だか、冒険者になったサクラさんは、私が知っている受付嬢のサクラさんと少し違うみたいです。


 はぁ。仕方ありませんね。もう逃げられないでしょうし、やるからにはしっかりとやりましょう。久しぶりに、カーラに枕をぶつけられるのです。嫌々やるよりも、楽しんだ方が良いですね。


「カーラ、少しだけ向こうを向いていてください」


「え?どうして?」


「良いですから」


 そして私は、カーラが見ていない事を確認して、サクラさんにバフを掛けました。カーラには、まだバフの存在を教えていませんからね。バレると面倒ですし、教えるつもりもありません。


 その後、カーラにデバフを掛けて、準備完了です。これで2人は、私よりも少しだけ弱いくらいです。卑怯ではありません。それくらいで丁度良いのです。




 ♦♦♦




 遂に、この時が来た。メイちゃんとカーラが強くなった一番の原因、枕投げ。まさか、私もやる事になるとわね。


「キャルシィはやらないの?」


「絶対にやりません。私はまだ、死にたくありませんから」


「え…?」


 …どういう事かしら?なんだか怯えている様にも見えるし、私が知っている枕投げと違うようだわ。そもそも、枕投げをやるのにバフを掛けられた時点でおかしいわよね。まぁ、取り敢えずやってみれば分かるわよね。


「いくよ、メイ!」


 ビュンッ!!


「ふふっ、来ると分かってれば余裕で取れますよ」


 …あら?枕って、枕よね?


 少なくとも、私が思っていた枕投げとは違うのね。つまり、メイちゃん達の枕投げは、本気の勝負という事ね。それなら、私も魔法とか使っても文句言われないわよね?それくらいしないと、勝てる気がしないもの。


「サクラさんも投げてください!」


「えぇ、分かったわ」


 バフを掛けてもらってるとはいえ、私が普通に投げても、さっきのカーラみたいにスピードが出ない。なら、風魔法で威力をプラスして…。


 ビュウンッ!!


「ぴゃへっ!」


「ふふっ。油断してたわね、メイちゃん!」


 最初は、やっぱりカーラにぶつけようと思ったけど、メイちゃんも私がカーラにぶつけると思っていたみたいで、完全に無防備だったのよね。


 ピロンピロンピロンピロン…


「わっ!えっ? ……そういう事ね」


 どうして2人が、枕投げでそんなにレベルが上がったのか疑問だったけど、とっても簡単な事だったようね。この前、メイちゃんは283レベルって言ってたし、今はもう少し高いと思う。そんなメイちゃんを倒せばドラゴンとは比べ物にならない経験値が得られるものね。


 …ピロンピロンピロン


 それにしても、上がったわね。150レベルを超えてしまったわ。メイちゃんでこれなら、カーラを倒せばどうなるのかしら?


 称号『賢者』が『大賢者』に進化しました

 スキル『光魔法』を獲得しました

 スキル『土魔法』を獲得しました


 …え?


 …どうなっているのかしら?


「うぅぅ。酷いです、サクラさん。いきなりぶつけてくるだなんて」


「…あ。えっと。ごめんなさいね」


 メイちゃんが少し怒ってるみたいだけど、それどころじゃないわ。


「…どうかしたのですか?」


「…ちょっとね。…カーラ、『賢者』が『大賢者』になる方法って何?」


「ん?『勇者』と一緒に『魔王』を倒す事だよ?」


 …あー。やっぱりそうなのね。『聖女』が『大聖女』になる条件と一緒なのね。カーラが以前、メイちゃんに『大聖女』になる条件を話していたのを聞いていたから、そうじゃないかとは思っていたけど…。


 聖女のソフィー様と賢者のサイコス様も、魔王討伐後には大聖女、大賢者になっていたものね。そりゃそうよね。


「はぁ。メイちゃんって本当に魔王だったのね」


「…え?何ですか急に。……あ。…もしかして」


 私は、勇者と一緒に魔王を倒したのね。まぁ、回復魔法で直ぐに復活したけど。現実にメイちゃんみたいに何度でも復活する魔王が君臨したら地獄ね。メイちゃんが味方で本当に良かったわ。


「きゃふっ……」


「油断してたね、サクラ!」


「ちょっと、カーラ!サクラさんは初心者です。そんな急に。もう!」



 ♢♢♢



「…はっ⁈」


 …あれ?


「大丈夫ですか?」


 あぁ。私は気絶してたのね。まさか、枕をぶつけられて気絶する日が来るなんて、夢にも思わなかったわ。…これが、枕投げなのね。


「大丈夫よ。ありがとう、メイちゃん」


「いえ。気を付けてくださいね」


 ふぅ。メイちゃんの回復魔法で復活したものの、これは予想以上ね。キャルシィがやらない訳よ。普通の人が参加したら、枕で死んでしまうわ。まぁ、私は死ななかったし、もう普通じゃないのかもしれないわね。


 とはいえ、当たり所が悪ければ死ぬかもしれないわ。メイちゃんの言う通り、気を付けないといけないわね。油断せず、飛んでくる枕は風魔法で減速させて、私が投げる枕は加速させる。これがしっかりと出来れば、気絶せずにメイちゃんとカーラを倒しまくれるわね。


 じゃあ、早速。


 ビュウンッ!!


「げぼふぁっ!」


 ピロンピロンピロン…


 ふふっ。これは楽しいわね。メイちゃんとカーラがハマるのも納得出来るわ。



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