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メイちゃんが大魔王になるまで  作者: 畑田
2章

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18話 おはようございます

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!」


 ぱちっ


「…うるさいですね」


 朝です。物凄く朝です。普段は自然と目覚める時に起きますが、今日は誰かの声が目覚ましになってしまいました。あまり良い目覚めではありませんね。


「きゃああぁぁ!!」


「うわあぁぁぁ!!!」


 そして続く悲鳴。こんな朝早くから何事でしょうか。虫でも出たのですかね?…はぁ、もう少し寝させてくださいよ。そう思い、私は目を閉じました。


「メイちゃん、行ってみるわよ!」


「…………………はい」


 …どうやら、二度寝はさせて頂けない様です。


 あぁ。サクラさんは優しいですね。正義感でしょうか?サクラさんのそういう部分は好きですが、出来れば私を巻き込まないでほしかったです。まぁ、行きますけどね。虫くらいなら、私がサクラさんに頼んで退治してもらいますよ。



 ♢♢♢



「…メイちゃん、お友達が来てるわよ」


「…………」


 ……おはようございます。どうして居るのですかね?


 そこには、まるで置物かの様に氷龍が居ます。声を出さず、動かず。…どうして居るのですか?何故ですか?


「メイちゃん、ほら」


「…はい」


 サクラさんは、動けない私の背中を押し、氷龍に近付けます。絶対に私に用があると確信していますよ。…事実、それ以外の可能性は考えられませんけどね。


「…氷龍さん。どうしたのですか?」


「…………」


 …何か言ってくださいよ。他の七聖龍の様に、うるさく無いのは好感ですが、言わないと分かりませんよ。まぁ、声を出されても、私には理解出来ませんけどね。


 うーん。本当に何の用があるのですかね…。何かありましたっけ?


 …あ!もしかして、氷龍だけ進化していないからですか?ですが、その事実を氷龍は知らないはずです。もし知っているのであれば、私の心を読まれたという事ですかね?まさか、そんな事あり得ませんよね?


 確かに昨日、私は会いに来るなら進化させてあげると思いました。違いますよね…。そんな訳ありませんよね?私の思ったことが、テイムした相手に全て筒抜けだなんて、プライバシーの侵害ですよ?


 それに、私は七聖龍に対して、散々うるさいと思っていましたよ。その事も伝わっているのですか?


 …もしそうなら、ごめんなさい。別に悪意があって思ったのではありませんからね。私が客観的にそう感じているだけですから。私の感覚の問題なので、気にしなくて大丈夫ですからね。


 …はぁ。取り敢えず、進化させてみますかね。


 ぽわわわわわわ


 個体名『氷龍』が『氷聖龍』に進化しました


 これで良いですか?


「………………」


 やはり、反応してくれないのですね。


「氷聖龍さん…」


 どうしたら良いですか?ほかに用が無いのなら、出来れば帰って頂きたいです。こんな場所に七聖龍が居ては、騒ぎになるかもしれませんからね。まだ早朝なので、ご近所さんは気付いていないみたいですが、時間の問題です。


 バサッツバサッツ!


 すると、氷聖龍は何も言わずに翼を動かし始めました。やはり、私の心が読まれているのですね。


 …普通に怖いです。


 つまり、私が『みんな集まってください』と思えば、5匹がここに集まるという事ですよね。絶対にそう思わないようにしないといけませんね。まぁ、思う事は無いと思いますが。


 そして、氷聖龍は空高くまで上昇し、飛び去って行きました。わざわざこんな所に来るなんて、そんなに進化したかったのですかね?もしそうなら、ごめんなさい。次からは仲間外れにしませんからね。


 …さて。今、私の後ろにはサクラさんだけでなく、使用人の方々が集まっています。私は今すぐにでも、再びベッドにダイブしたいですが、どうすれば良いでしょうかね?振り向かずに闇魔法で部屋に戻っても良いですかね?ダメですか?


「メイお嬢様、詳しくご説明頂けますか?私は、領主様に報告する義務がございます」


「…はい。…ごめんなさい」


 そして、私は執事のルナールさんに、全てを話しました。七聖龍の事、今回氷聖龍が来てしまった事。


 ルナールさんは終始驚いていましたが、根本的な原因は、全てカーラにある事を薄々理解してくれている様で、私が怒られる事はありませんでした。それどころか、カーラの尻拭い(新しい七聖龍の誕生)に感謝されてしまったくらいです。


 どうやら、カーラの罪は家族にも正しく伝わっているみたいですね。伝わっているなら、もっと強く言ってほしいですよ。まぁ、言ったところで変わらなかったと思いますけどね。


 そして話はそれなりに長くなり、私が解放されたのは、いつも起きている時間よりも遅い時間でした。もちろん、再びベッドにダイブする事は出来ませんでした。


 まぁ、朝ご飯を食べた後に少しだけ寝ましたけどね。起きたらお昼ご飯の時間でしたけど、それは仕方がない事です。自然の摂理ですね。



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