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メイちゃんが大魔王になるまで  作者: 畑田
2章 勇者パーティー結成編

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14話 尋問

 

 こんばんは、メイです。私は今、サクラさんに襲われています。ベッドで覆い被され、逃げ場がありません。


「メイちゃん。お昼の話、詳しく聞かせてくれないかしら?」


 そうなのです。私は今、サクラさんに尋問されています。日中は私の相手をしてくれなかったというのに、時間ができた途端にこれです。魔王の配下(キャルシィ)も居るのに、目の前で魔王()を尋問するなんて、良い度胸していますよ。そんなに私の交友関係が気になるのですか?サクラさんだって私よりもお母さんを選んだのですから、私が他の相手と親しくなったとしても別に良いではありませんか。


「サクラさん。世の中には、知らなくても良い事もあるのですよ?」


「…そうかもしれないわね。でも、この内容はそれに当てはまらないと思うわよ」


 …つまり、さっさと話せという事ですね。逃す気は無いという事ですね。


 …はぁ。分かりましたよ、もう。私の負けです。


「私が新しくお友達になったのは、炎聖龍さんです」


「…炎…聖龍?…え?…ちょっと待って。炎龍はカーラが殺したのよ?炎聖龍って何よ!」


 まぁ、そういう反応になりますよね。カーラの担当受付嬢だったサクラさんなら、炎龍さんが殺された事は当然知っている事ですし。


「えっとですね、七聖龍や竜に魔力を譲渡すると、進化するみたいなのですよ。海龍さんも、魔力譲渡したら海聖龍さんに進化しましたし」


「そ、そうなのね。…いや、仮にそうだったとしても、どういう状況で魔物に魔力譲渡しようと思うのよ」


 ごもっともです。普通はそんな事しませんからね。私だって、隣に普通を破壊する達人が居なければ、そんな事をしようなんて考えもつかないでしょうし。


「この前の山火事の依頼の時、海龍さんに手伝ってもらったのですよ。ですが、途中で魔力が足りなくなってしまったので、私の魔力を渡してみたのです。そうしたら、海龍さんが輝きだして進化してしまいました」


「…聞いてないわよ。もしかして、またカーラが戦ったりしてないわよね?」


 …あぁ。サクラさんは凄いですね。たったこれだけの情報で、答えに辿り着いてしまうのですから。ごめんなさい、カーラ。言うつもりはありませんでしたが、言い訳できそうにありません。自業自得なので仕方がないですよね?


「カーラが強敵を前にして、戦わずに居られると思いますか?」


「間違いなく無理ね。あのバカは、一度ならず二度も約束を破ったのね」


 サクラさんはカーラに、七聖龍とはもう戦わないと約束させた事があります。ですが、その約束は直ぐに破られ、カーラは氷龍さんと戦いました。その時にカーラは怒られましたが、懲りずに次は海龍さんですからね。サクラさんが怒るのは無理もありません。私と海聖龍さんに迷惑をかけたのですから、こっぴどく怒られれば良いのですよ。


「まぁ、もう良いわ」


「え?良いんですか?」


 どうしたのでしょうか。これは意外です。サクラさんはあまり気にしていないという事は、もう完全に諦めているのですかね?サクラさんが怒らなければ、カーラはまた同じ事を繰り返しますよ?怒っても繰り返す事には変わりありませんが、少しは…ほんの少しは違うと思いますよ?


「良いのよ。だって私、受付嬢辞めたもの」


「…あ」


 …これは、大変な事になってしまったかもしれません。つまり、サクラさんの代わりにキャルシィが私達の担当になるので、次の犠牲者はキャルシィという事ではありませんか。長年カーラに虐められて耐性の付いたサクラさんだったから大丈夫だったものの、新人のキャルシィがカーラの後始末をするのは無理ですよ。いや、させません!


「キャルシィは私が守りますからね!」


「にゃ⁈ …あ、ありがとうございます?」


 良く分かっていないキャルシィ…。可愛いです。


「メイちゃん、違うわよ。私達で守るのよ。仲間なんだから」


「そうですね!凄く心強いです。一緒にカーラから守りましょう!」


 今までは、私1人でカーラを抑えようとして全然ダメでしたが、サクラさんも居るなら抑えられるかもしれません。100%は無理でも、キャルシィのために30%くらいは抑えてみせますよ!


「で、話を戻すけど。炎聖龍は、どんな竜から誕生したのかしら?変異種とか特別な個体?」


「えっと、変異種かどうかは分かりません。火を噴いていたので、火魔法が使えた事は確実ですけど」


 魔法が使えたので、ドラゴンの上位種である竜である事は確かです。ですが、一撃で倒せてしまったので、変異種かどうかなんて分かりようがありません。そもそも、ドラゴンに比べて数は少なく、SSランクの魔物です。会ったのも初めてですし、私では判断できる訳がないですけどね。


「…つまり、メイちゃんは竜の数だけ七聖龍を誕生させる事ができる可能性があるという事よね?変異種が条件だったとしたら、その数だけ」


「…そうなりますね」


 サクラさんは恐ろしい事を考えるのですね。どのくらいの竜が存在しているのかは知りませんが、百聖龍くらいになる事も考えられるって事ではありませんか。カーラに減らされる事を考慮すれば、それくらい居ても問題ないかもしれませんけど。


 ですが、世界中の竜を進化させに行くとすれば、カーラは絶対に付いてきます。付いてくれば、絶対にカーラは戦います。カーラにとっては最高の冒険になるに違いありません。そんなの地獄ではありませんか。絶対にカーラには秘密にしなくてはなりませんね。私はそんな冒険したくありませんし。


「よし、じゃあ明日から行くわよ!」


「えぇぇ⁈ どうしてですか⁈」


 ま、まさか、サクラさんもカーラと同じで戦闘狂だったという事ですか⁈お母さんが鍛えたせいですか?私の仲間は戦闘狂しか居ないのですか?そんなのあんまりですよ!私は、サクラさんは普通の人だと信じていたというのに!


「メイちゃん、よく考えて。この世界には緑龍と雷龍が必要なのよ。だから、カーラが戻ってくる前に終わらせておかなければならないわ。カーラが戻ってきてからやろうとすれば、どうなるか分かるでしょ?」


 …あ。


 言われてみれば、そうですね。カーラに知られない為には、カーラが居ない今が最大のチャンスという事ですね。少しでも疑ってしまった私が恥ずかしいです。ごめんなさい、サクラさん。


「絶対にカーラが戻ってくる前に終わらせましょう」


「えぇ。この事は絶対にカーラに秘密よ!」


「もちろんです!」


 やはり、カーラの危険性を一番理解しているのはサクラさんですね。その上で適切な行動ができるので、流石としか言いようがありません。頼りになる仲間ができて、物凄く嬉しいです。


 竜に会いに行くなんて怖くて嫌ですが、2回で終わらせる事ができると考えれば頑張れますね!



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