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12話 少しうるさいですね

 

 昨日と同じで、今日もギルドにキャルシィを送った後に、闇魔法で私の実家にやって来ました。


 そして、私は今からポチとドラゴン退治(お散歩)です。サクラさんも誘ったのですが、お母さんに取られてしまったので、一緒に来てくれません。


「さぁ、ポチ。行きましょうか」


「キャウン!」


 さて、今日は何処まで行くのでしょうかね。一か所にまとまってくれてれば良いのですが。村長さんの話が正しければ、残りは7匹くらいですからね。



 ♢♢♢



「ギャオオオォォォォ!!!」


 はい。という事で、着きました。ポチの嗅覚が凄いのか、1時間ほどでドラゴン発見です。数は8匹なので、きっとこれで全部でしょうね。


 ですが、1つだけ問題があります。雄叫びを上げた、群れのボスと思われる個体です。他のドラゴンよりも大きく、火を噴いています。間違いなく、あれはドラゴンではありません。上位種の竜ですね。嫌になりますよ、本当に。まぁ、少しだけ手間が増えるだけですけどね。


 私は、竜にデバフを掛け、ポチにバフを掛けます。ドラゴンならデバフ無しでも余裕でしたが、竜なら分かりませんからね。


「ではポチ、頑張ってくださいね」


「キャウン」


 そして、ポチは真剣な表情でドラゴンに向かって行きます。きっと、あの1匹が強敵である事を理解しているのでしょうね。ですが、心配いりません。あの竜はデバフを掛けているので、スライムより少し強いくらいですからね。



 ♢♢♢



「ギャオオオォォォ…」


 そして、一撃で倒された竜が断末魔の叫びを上げて倒れます。他のドラゴンよりも大きな声で、少しうるさいです。


 さて、お片付けしますかね。


 私は、ドラゴンをアイテム袋に収納していき、最後に竜の元に向かいます。


「…ん?収納出来ませんね。どうしてでしょうか?」


 何故か、竜をアイテム袋に押し込もうとしても、入っていきません。容量は、まだ余裕があると思うのですけどね。


「ギャォォォ…」


「おわあっ!!」


 はう…。びっくりしました。押し込んでいると、竜の目が急に開き、動き出します。何という生命力なのでしょうね。寿命が数秒縮んだ気がします。アイテム袋に生きた魔物は入れれないので、入らなかったのは生きていたからなのですね。既に死んでいると思っていましたよ。ごめんなさい。


「ギャォォォ……」


 …どうしましょう。何だか申し訳ない気持ちになってきましたし、私は止めを刺すのが苦手なのですよね。ポチを呼んで、息の根を止めてもらいましょうかね。


「ポ…。あ!」


 よく考えてみると、これはチャンスなのではないでしょうか。こんな機会は滅多にありませんし、実験するには丁度良い気がします。


「…竜さん。ちょっと失礼しますね」


「ギャ…」


 ぽわわわわわわ


 …どうでしょうか。上手くいきますかね?


 個体名『炎聖龍』が誕生しました


 …どうしましょう。上手くいってしまいました。


 名前に『聖』が入っているのは、私の魔力が聖属性を多く含んでいるからですかね?海龍も魔力譲渡で海聖龍に進化したので、そのせいかもしれませんね。


 まぁ、取り敢えず回復させましょう。おそらく七聖龍になったので、死んでしまったらまずいですよね。


『回復』


 個体名『炎聖龍』をテイムしました


 …あ。そうでした。…まぁ、これは仕方がありません。3匹目のお友達が出来てしまいましたね。


「ギャオオオオオオオォォォォ!!!」


 おぉ。完全復活です。少しうるさいですね。


「えっと、炎聖龍さん。これからは、人を襲ってはいけません。良いですか?」


「ギャオオォォォ!!!」


 …海聖龍の時もそうでしたが、何を考えているのか全く分かりませんね。まぁ、たぶん大丈夫でしょう。


 さぁ、帰りましょう。



 ♢♢♢



 村に戻ってきて、私は再び村長さんの所に行きましたが、追加のドラゴンは買い取ってもらえませんでした。流石に、これ以上は村では消費しきれないそうです。近くの町に売りに行くのも大変ですからね。


 そして私は家に戻り、お昼ご飯を待っています。


「サクラさん、特訓は順調ですか?」


「えぇ、良い感じよ。不意打ちならカーラにも勝てるかもしれないわ」


 …おぉ。何だか凄そうです。サクラさんの魔力量と器用さがあっての事でしょうが、お母さんの教え方が上手いのでしょうね。短時間の特訓で、そう言えるという事は、お母さんの魔法の扱いはレベルが違うという事なのかもしれません。


「メイちゃんはドラゴン退治出来たの?」


「…はい。ドラゴンは退治出来ました」


 ドラゴンは…ですけどね。


「何だか歯切れが悪いわね。何かあったんでしょ…」


 うぅ…。何故分かってしまうのでしょうか。サクラさんは勘が良すぎますね。


「…その。新しいお友達が出来てしまいました」


「…へぇ。この近くには七聖龍なんて居ないと思ってたけど。近くに居たのね?」


 …どうしましょう。サクラさんに隠し事は不可能なのでしょうか?どうして、お友達というだけで七聖龍と断言出来るのですかね。私のお友達=テイムした七聖龍という選択肢しか無いのでしょうか?…そんな事ありませんよ?


 …はぁ。


「お昼ご飯まだですかね?」


「…否定しないのね」



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