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12話 仲良し?

 

 …ジリ、ジリジリジリ


「お! どうだった⁈ レミコちゃんは⁈」


「おわっ!」


 私が魔王城に闇魔法を繋げて出ると、その瞬間、初代魔王さんが食い気味に、そう言ってきました。


 …そんなに早く会いたかったのですかね? 復讐心が強すぎますよ。…やはり、来てもらうのは失敗だったかもしれません。


 …うーん。取り敢えず、初代魔王さんにデバフを掛けておきますかね。戦闘になったら一番強くて危険ですし。…もちろん最大で掛けましょう。


『攻撃力低下』

『防御力低下』

『速度低下』


 これで少しは安心出来ますね!


「お、おい! メイ! 何をしたんだ! 急に動きにくくなったぞ!」


 ……あれ?先ほど戦った時もデバフを掛けたので、そんなに驚く事ではないと思いますが。カーラくらいなら、ゴブリン並みに弱くなるでしょうけど、初代魔王さんなら、そこまで影響無いでしょうし。


 …あ!


 …あー。あれですね。


 先ほど戦った時は、レベル差がとんでもなかったので、ちょっと動きづらくなるくらいにしか効いていなかったという事でしょうね。なので、少ししか違和感を感じなかったのかもしれません。ですが、レベル差がそれなりに縮まってしまい、かなり実感出来る程の変化になってしまったと…。


 …まぁ、効いているなら良い事だと思いましょう。


 シュン…シュシュン!


「あ!来てくれたみたいですね!」


 ナイスタイミングです、レミコ様!


 そして私は、初代魔王さんの言葉は聞かなかった事にして、そこそこ離れた位置に来てくださったレミコ様達に、駆け寄りました。やはり、いきなり近くに来るのは怖かったのでしょうね。


「…メ、メイよ。…どういう事なのでしょうか。あの3人のレベルが視れません」


 ……あ。


 …私が向かっている間に、早速視てしまったのですね。そういえば、レミコ様は遠慮なく視る人でした。ランキングを見られなければ大丈夫だと思っていましたが、そもそもレベルが視えないという時点で、おかしいと思ってしまいますよね。


 私のレベルは視れたみたいですし、視れないという事は私よりも3人が強いという証明であり、自分との圧倒的な差に戸惑っているのかもしれません。…いざとなれば私が守るという安心感があったかもしれませんが、そんな事は無理だと思われたかもしれませんし。


 …これは、安心させてあげなくてはなりませんね。先ほどのデバフの効果から感じるに、私がバフを掛ければ、案外少しの苦戦で勝てそうですし。かなりレベルが上がったという事は、バフの効果も、やばい事になってるでしょうからね。


 …はぁ。


「レミコ様、大丈夫ですよ。…私が居ますから」


「…メイよ。…メイは、あの3人から私達を守れる自信があるのですね。…信じますからね」


 …自分で言っといてなんですが、少しは疑ってくれても良いのですよ?私よりもレベルが高い事が分かったのに、簡単に信用するのは、どうかと思いますよ?


 …はぁ。


「シーナちゃん!!」


「キュイちゃん!!」


 そして、私がレミコ様と話していると、2人がいつの間にか近くまで来ており、シーナさんとキュイさんの名前を呼びました。…初代魔王さんは、デバフを掛けたので遅れているみたいですね。


「…ドラディニエル・ディスティリウス」


「あ、ザッティリウス!」


 おぉ! シーナさんもキュイさんも、ちゃんと名前を覚えていたのですね。凄いです。


 …と、いうか、どういう事なのでしょうか。


 シーナさんは警戒した表情ですが、キュイさんは手をひらひらと振り、全く警戒心が見えません。…仲良しなのですね? …そんな事ありえませんよね?


「えー、なんで生きてんの? 私、殺しそびれちゃった?」


「ははっ、ちゃんと死んださ。今でも、あの時の事は忘れられないぜ」


 …えっと。…仲良し…なのですかね? …会話の内容は、あれですけど。


「シーナちゃん、久しぶりだな!やっぱりシーナちゃんが世界で一番可愛いぜ!」


「…………うるさい」


 …こっちはこっちで、おかしな会話が始まりましたね。先ほど、シーナさんの表情を見て、警戒していると思いましたが、どちらかと言うと嫌悪感を抱いている様に見えてきました。


 …まぁ、取り敢えず、この2人は復讐したいとかは無さそうな感じがしますね。良かったです。


 …良かったという事にしておきましょう。後は…。


「メイ! 一体何をしたんだよ!」


 …来てしまいましたね。1番の不安要素が。それに何故か少しお怒りに見えます。…まぁ、おそらく私のせいですが。


 どうやら、思っていた以上にデバフの効果があったみたいですね。そのせいで、少し怒らせてしまったみたいです。失敗だったかもしれませんね。復讐ついでに私まで殺そうとしないと良いですが。…取り敢えず、謝っておきましょう。


「えっと…。すみません、初代魔王さんがレミコ様に復讐したいのかなと思ったので、レミコ様が殺されない様にデバフを掛けました。復讐しないと約束してくださるなら解除しますけど…」


「は? 復讐? 何言ってんだ? 俺はレミコちゃんに会いたかっただけだぞ?」


 …ん?


 ……つまり。


「…復讐したいから会いたかったのですよね?」


「は?な訳ないだろ」


 …あれ?違うのですか?


 ……では、どうして初代魔王さんはレミコ様に会いたかったのですかね? レミコ様は戦う気満々でしたよ?


 …どういう事なのでしょうか。私には分かりません。復讐以外にレミコ様に会いたい用事なんて考えられませんけど…。


 まさか、初代魔王さんも、レミコ様と仲良しだったりするのですか?


 …そんな事あり得ませんよね?




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