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3話 7匹目

 

 ジリ、ジリジリジリ…


「あ、こんにちは、マリヤさん、魔王さん」


「にゅわっ!!ちょっと!びっくりするじゃない!」


「メイ様、ようこそお越しくださいました」


 と、いう事で、やってきてしまいました。雷聖龍さんと地聖龍さんにお別れをし、闇魔法で魔王城に到着です。


 そして、間の悪い事に、丁度すぐ側に2人が居た事で驚かせてしまいました。


 一応、魔王の部屋に急に現れて驚かせる訳には行かないと思い、魔王の部屋の前の部屋に闇魔法で移動したのですけどね。無駄になってしまいましたよ。


 …まぁ、カーラが魔王の部屋の扉を破壊したので、それの修理中というのが理由でしょうけどね。ついでに、この部屋もマリヤさんとカーラの戦いと、カーラとサクラさんの戦いでボロボロですし。さらに、魔王の部屋はカーラが壁に叩きつけられた跡も残っているでしょうね。


 つまり、全てカーラのせいですね。扉を破壊したのも、魔王さんに戦いを挑んで敗北し、壁に跡を付けたのも、この部屋がボロボロなのも。私が2人を驚かせてしまった事も。


「すみません。カーラのせいで、また扉の修理をする事になってしまって」


「本当よ!扉を壊す必要なんて無かったものね!」


 実際にカーラが扉を破壊する所を見ていたマリヤさんは、少し呆れた表情でそう言いました。この部屋が荒れてしまったのは仕方なかったかもしれませんが、扉は全面的にカーラが悪いですからね。


「で、何しに来たのよ。手伝いに来たって訳じゃ無いんでしょ?」


「あ、はい。…すみません」


 手伝う以前に、この部屋が壊れている事なんて完全に忘れていましたよ。そもそも、私は一切壊してないので、悪くは無いのですけどね。…いや、そういえば、カーラとサクラさんが戦った理由は私にありましたね。全く無くは無いかもしれませんね。


 まぁ、それは置いといて、私は更に、これからマリヤさんに迷惑をかけなくてはなりません。


「…マリヤさん、黒龍さんとは仲良くされていますか?」


「は? …何よ急に。黒龍にはずっと会ってないわよ。最後に会ったのはメイ達の相手をした時かしら」


 …つまり、5年前にカーラに虐められた時以来、呼んでないという事なのでしょうね。私が言えた義理では全くありませんが、少しくらい会ってあげましょうよ。


 ですが、それなら好都合かもしれませんね。


「…マリヤさん、黒龍さんを譲っていただけませんか?」


「…は? ……今度は何を企んでいるのよ」


 …む。そんな言い方をされれば、私がいつも何かをやらかしている様ではありませんか!


 ……残念な事に否定できない部分が少しだけあるのは悲しい事ですけどね。


 ですが、今回は違います。自信を持って言えますね。


「サクラさんが黒龍さんと仲良くしたいそうなのですよ」


「……は? ……意味分かんないわよ」


 ですよね。私にも理解できません。


「サクラさんは他の七聖龍と仲良しなのです。だから、黒龍さんとも仲良く…したいのですよね?」


「えぇ、黒龍にも乗ってみたいわね!」


「……変わっているわね」


 そうなのです。そうなのですよ!サクラさんは普通の女性なのですが、度胸というか、好奇心というか、何かがズレているのです!少し前まではスライムを倒せる程度の女性だったのですが、どうしてこうなってしまったのでしょうね。


「…まぁ、別に良いわよ。黒龍、来なさい」



 ……ジリ、ジリジリジリ…


「ゴギャアアァァ!!!」


 …おぉ、来てしまいました。やはり、闇魔法を使う七聖龍なだけあって、お顔が怖いですね。


「で、どうすれば良いの?メイがテイムを上書きすれば良いのかしら?」


「…えっと、どうなのでしょう? …取り敢えず、やってみますね」


 そう言われてみれば、何も考えていませんでしたね。ま、なんとかなるでしょう。出来なかったら出来なかったでも私は構いませんし。


 …ついでに進化させておきますかね。


 ぽわわわわわわ


 個体名『黒龍』が『黒聖龍』に進化しました

 個体名『黒聖龍』をテイムしました


 …ん?回復魔法を掛ける前にテイムしてしまいました。よく分かりませんが、手間が省けましたね。


「あ、テイムが解除されたわ。成功したみたいね」


「そうみたいです」


 マリヤさんがそう言ったという事は、マリヤさんの頭にも何かが聞こえたのでしょうね。


「では黒聖龍さん、これからはサクラさ……」


 称号『龍王』を獲得しました


 スキル『龍翼』を獲得しました


 ………は?


 …………いやいやいや。そういうのは、もう要らないのですけど。そんな称号をくださるなら、私ではなくてサクラさんにではありませんか?与える相手を間違えていませんか?


 …はぁ。


「どうかしたの、メイちゃん?」


「…えっと、何でもあ--」


 ヒュンッ………。


「え?…メイちゃん?」



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