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19話 プレゼント&ご褒美

 

「げふぉあ!!」


 あれからソフィーちゃんのレベル上げは順調に進み、これでカーラを倒したのは23回目です。相変わらず私はソフィーちゃんの盾にされていますが、あと少し我慢すれば終わりそうです。


 カーラはソフィーちゃんの枕を意地でも取ろうとしていますが、一度も成功せずに毎回気絶してくれます。ソフィーちゃんの投げる威力は、どんどん強くなるので、絶対に無理だと思うのですけどね。まぁ、カーラは私と違って諦めが悪いですからね。


 …そして。


「げふぉあ!!!」


 ピロンピロン


 私のレベルも30以上上がり、遂にこの時がきました。


「…あ、300になったわよ」


「おお!どうですか⁈スキルは獲得しましたか??」


 私の予想では、神官でも300レベルになれば翼が獲得出来ると思うので、期待を胸にソフィーちゃんの返答を待ちます。


「…えっと。『大神官』になったわ。それと『魔力感知』に『飛翔』ってスキルを獲得したわ」


「お…おぉ!!」


 ついでに何か獲得していますが、ちゃんと『飛翔』のスキルを獲得していますね。努力が無駄にならずに良かったです。


「ではソフィーちゃん、早速『飛翔』のスキルのお披露目をお願いします!」


 ソフィーちゃんは可愛いですからね。絶対に純白の翼が似合いますよ!!


「え…えぇ。分かったわ。どんなスキルなのかしらね。飛べる様になるのかしら?」


 …あ、そういえば、ソフィーちゃんに詳細は伝えていませんでしたね。…というか、理由も分からずに、よく300レベルまで付き合ってくれましたね。まぁ、翼が出れば私が正しかったと理解してくれるでしょう。


 ふぁさっ!


 そして、ソフィーちゃんは『飛翔』スキルを使い、純白の翼を出しました。


「おぉおおお!!可愛いですよ!ソフィーちゃん!!」


「え?…あっ!!これって元『神官』とか言ってた天使が出してたやつじゃない!!!えっ!!私の⁈」


 ソフィーちゃんはかなり動転していますが、嬉しさが隠せない顔で飛び跳ねています。3倍増しで可愛いですね。ソフィーちゃんが元『神官』と言ったのは、おそらくマリヤさんの事ですかね?今は残念ながら翼は漆黒になってしまっていますけどね。まぁ、マリヤさんは、そんな事が些細な事と感じるほど幸せそうだったので、問題ありませんけどね。


「サクラさんも見てくださいよ!可愛いですよ、ソフィーちゃん!!」


「えぇ、そうね」


 …あ。サクラさんにも私の努力とソフィーちゃんの可愛さを見ていただきたかったですが、そんな事はどうでも良いって顔していますね。…これはデバフを解除した後が怖いです。…とりあえず、これ以上触れずに。


「カーラも何か言っ…あ!」


『回復』


 嬉しすぎてカーラを気絶したまま放置していました。どうりで何も言わない訳ですね。


「カーラ、ソフィーちゃんを見てください!!」


「え?えーー!!ソフィーにもメイと一緒の翼が!!可愛いよ!ソフィー!!」


「んな!!そ、そ、そんな事!!」


 あぁ。ソフィーちゃん否定しようとしましたが、照れて余計に可愛いですよ。もう、ソフィーちゃんは世界で一番可愛いと言っても過言ではありませんね。キャルシィと同率1位です。


 …さて。そろそろソフィーちゃんの成長を確かめなくてはなりませんね。…確かめずにサクラさんに謝った方が良い気もしますが、私が最初に気絶させられた分はお返ししたいですからね。もちろん、自分ではやらずにソフィーちゃんにやってもらいますが。


「ソフィーちゃん、そろそろサクラさんにリベンジしましょう」


「そんな事はどうだって良いじゃない。メイがやりたかった事は私に翼をプレゼントする事でしょ?ありがとっ!メイ!!」


「え…あ、はい」


 ………私の興味本位というだけでしたが、ソフィーちゃんは良い様に解釈してくれたのですね。…ソフィーちゃんに満面の笑みでお礼を言われるのは私も嬉しいですが、今はそれじゃないのですよ。


「ソフィーちゃん、せっかくレベルが上がったのですから、一度だけサクラさんに仕返ししませんか?散々枕を投げられましたよね?」


 ソフィーちゃんには一度も当たっていませんでしたが、部屋中を逃げ回る羽目になりましたからね。その仕返しをしたいという気持ちは、いくらソフィーちゃんの心が純粋でも少しくらいあるでしょう。


「…私は別にいいわよ。メイがやりたいだけでしょ?」


「…はい。そうですね」


 …これでは、私が悪者みたいではありませんか?私は盾にされて枕を何度も受けたのですよ?一回くらい良いではありませんか。


「…はぁ、まあ良いけど。サクラ、ごめんね。メイの指示だから」


 ビュンッツ!!


 …私が悪者みたいですね。


 バシッ!


「「え??」」


 …どういう事でしょうか?簡単に取られてしまいましたよ?


「ふふっ…。ありがとうメイちゃん。メイちゃんのおかげで、また強くなれたわ」


「……」


 …怖いです。お礼を言われたのに、感謝されている感じが微塵もありません。


「ど…どうして動けるのでしょうか」


 そして私は、恐る恐る尋ねました。聞くのが怖いですが、どうして私がデバフを掛けているのに、枕をキャッチ出来たのか気になります。


「いいわ、教えてあげる。メイちゃんにデバフを掛けられてもね、私の体の中の魔力量は変わらないのよ。まぁ、外に出そうとすると威力が極端に落ちてしまうけど。


 だから、体の中で魔力を制御して、メイちゃんのデバフ…メイちゃんの魔力を私の魔力で押さえ込んで破壊したのよ」


「…凄いですね」


 …つまり、私よりも魔力が多いサクラさんだからこそ出来てしまったという事でしょうか。魔力が多くても、魔力の繊細なコントロールが出来ない人には無理だと思うので、サクラさんが凄すぎるという事ですね。


 そして、それが出来てしまったのは、私が長時間デバフを掛けたせいであり、私のおかげという事ですね。だから、先程お礼を言われたのでしょう。


「ふふっ。準備は良いかしら?私は優しいから、メイちゃんとソフィーちゃんに一発ずつで許してあげるわ」


「ひいぃっつ!!」


 どうしましょう、どうしましょう!!完全にお怒りですよ。


「さっきまでみたいに手加減はしないわ。先ずはソフィーちゃんからよっ!!」


 ビュンンッツ!!!


「きゃああああああっつ!!」


「わふっつ!!ちょっ…これはソフィーちゃんのぶ…ぎゃふっつ!」


 痛いです、痛いです、痛いです!何なのですか、この威力は!『防御力上昇』を掛けているのに痛いです!私は、これをもう一発受けなければならないのですか⁉︎


「…え、メイ、何とも無いの?」


「痛いですよ!」


 私が痛がっているのですから、見れば分かるでしょうに。ソフィーちゃんの目は節穴です!


「…ねえ、メイちゃん。私、風魔法でかなり威力を上げて投げたのよ?」


「はい、だからかなり痛いですよ!」


 サクラさんまで何なのでしょうね。


「…はぁ、もういいわよ。メイちゃんを舐めていたわ。気絶くらいしなさいよ。…もう疲れたから寝るわね。おやすみ」


「えっ!おやすみなさい!」


 よく分かりませんが、もう一発受けなくてよくなりました!一発で許してくれるなんて、やっぱりサクラさんは優しいですね!


「はあぁっ…怖かったわ。サクラを怒らせるのは危険ね」


「うっ…そうですね。次からは気をつけましょう」


 本当に怖かったです。殆ど私のせいですが、かなり怒らせてしまいましたからね。


 はぁ、それにしても疲れました。ソフィーちゃんは翼を獲得出来て良かったですが、私には何も無いですからね。ソフィーちゃんの可愛い姿を見れたのは良かったですが、私にも何かご褒美を頂きたいものですね。


 …ん?


 称号『賢者』を獲得しました


 …は?


 …ご褒美が欲しいとは思いましたが、そういうのは要らないですよ。


 …え?マジですか?何故ですか?


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