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メイちゃんが大魔王になるまで  作者: 畑田
4章

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16話 ごめんなさい

 私が天界から戻ってきた日の夜、ソフィーちゃんを部屋に迎え入れた後、私はみんなから5年間の出来事を詳しく聞きました。


 私は、みんなから情報を聞けば聞くほど申し訳ない気持ちになっていき、いつの間にかベッドの上で正座をしています。特にサクラさんとキャルシィには、物凄く苦労させてしまい、本当に申し訳なく思います。


 そして何故か、ソフィーちゃんの方が、カーラに起きた出来事について、カーラよりも詳しく把握しています。カーラの記憶力と状況把握力が乏しいだけなのかもしれませんが、ソフィーちゃんは本当にカーラの事が大好きなのだと、改めて感じましたね。


 それはさておき、先ずは…。


「…ごめんなさい」


 私は、正座をしたたまま頭を下げ、みんなに謝罪しました。戻ってきてから今までは、みんな普通に接してくれましたが、心の中では怒っているでしょう。


「私が帰るのが遅かったせいで、迷惑をおかけしました。本当にごめんなさい」


 そして私は、深々と頭を下げたまま、皆の反応を待ちました。たとえ、罵詈雑言が浴びせられたとしても、きちんと受け入れる気持ちで。…手加減はして頂きたいですけど。


「良いんだよ!帰ってきてくれただけで、ボクは凄く凄く嬉しいんだから!!」


「…カーラ」


 なんという事でしょうか。カーラが優しいです。いや、カーラは優しいのは分かっていましたが、こんな反応をされるとは思いませんでした。なので、余計に申し訳ないと感じてしまいます。少しだけ怒られて、枕でもぶつけられた方が、気持ち的に楽だったかもしれません。


 私が純白の翼を得る為に仕方のなかった事だったとはいえ、5年は長すぎたと思いましたし。…私にとっては、そんなに長い期間では無かったとしても。


「はぁ、カーラが許すなら、何も言えないじゃない。でもねメイちゃん、次は許さないわよ」


「は、はい!肝に銘じておきます」


 うぅ…。サクラさんの顔が怖いです。普段優しい人に睨まれると、こんなにも怖いものだったのですね。


 …これが、サクラさんが普段からカーラに向けている視線なのですね。私はカーラみたいにミスリル並のメンタルでは無いので、もう二度と睨まれたくありません。


「キャルシィもなんか言ってやりなさい」


「…え」


 そして、サクラさんは、キャルシィにも私に何か文句を言わせようとします。キャルシィが怒るのは想像出来ませんが、何か怖いですね。


「…えっと。…おかえりなさい、メイお姉ちゃん」


「……え、はい。ただいまです」


 …………。


 …これは。逆にどうすれば良いのでしょうか?


 キャルシィが優しすぎて、天使に見えてしまいます。まぁ、私の妹なので、天使だったとしても、それほど驚きませんけどね。


「はぁ。…キャルシィ、メイちゃんはもう、今代の魔王じゃないのよ?だから、メイちゃんに言いたい事があるなら、遠慮なく言って良いのよ」


「…で、でも、私の魔王様はメイお姉ちゃんですし」


 …うぅ。嬉しいような、少しだけ嬉しく無いような…。キャルシィは、今でも私を慕ってくれているともとれますが、私が魔王だったから仕方なく従っているとも聞こえてしまいます。キャルシィに限って、そんな事は無いと思いたいですが、5年間会っていませんでしたからね。一緒に過ごした時間を考えると、それよりもとても長い時間です。


「キャルシィ、もし私と一緒に居たく無いのであれば、無理をしなくて良いですからね」


「そんな訳ありません!私はメイお姉ちゃんと…サクラさんとずっと一緒に居たいです!」


「…キャルシィ!!」


 なんと健気なのでしょうか。こんなにも私なんかの事を…!


 …ん?


 心なしか、私よりも『サクラさんと』と言った時の方が、心がこもっていた気がします。


 …気のせいですよね?キャルシィは私の妹ですし。


 …気のせいです。


「じゃ、そろそろ始めよっか!!!!」


「…え?」


 …いや、カーラが始めたい事は分かってますけどね。


 私がキャルシィから感じた違和感に疑問を持ち、少し黙っていると、話が終わったと判断したカーラが、元気よく、そう口にしました。


「…カーラ。カーラは今日、マリヤさんと散々戦った後、サクラさんとマリヤさんの旦那さんと戦いましたよね?疲れていてくださいよ」


「え…?メイが居るんだから、ボクの疲れなんて関係無いよね?それに、これからはソフィーも居るんだよ?」


 …いや、言っている事は分かりますよ。私とソフィーちゃんが回復するので、私たちの魔力が尽きない限り、カーラは動けるという事ですもんね。


 分かってはいますが、普通の人なら、今日は疲れたから休もうとなりますよ。


 カーラが普通で無い事は分かりきっていますがね。


 …はぁ。


 まぁ、良いですけどね。



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