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プロローグ

異世界に通じると言われる踏切があった。

とても小さな踏切で、そこを使う人は誰もいなかった。

なぜならその向こうは行き止まりになっていたからだ。

踏切に行くには、広く雑草の生い茂った空き地を通らなければならなかった。

もともと道はあったのだろうが、誰も通らないのでその道もいつしか雑草に覆われて見えなくなっていた。

夏には見知らぬ背の高い草に覆われたので、道どころかその踏切さえ見えなくなった。

遠く雑草の向こうから、踏切の音だけがぼんやり聞こえた。

踏切の向こうには、団地が立っていた。

きっと元々は、踏切はその団地に行くための道に作られたものだったのだろうが、いつのことか、誰がどう間違えたのか、踏切と団地の間に金網の柵を作ってしまい、向こう側には行けなくなった。

ある日、踏切で人が電車にはねられる事故が起こった。

噂では、それは自殺ではないかとのことだった。

それ以来、大人たちは子供をその踏切に近づけさせないよう、「空き地には入るな、踏切には近づくな」と言った。

「あそこに行くと死んでしまう」「あそこには幽霊が出る」「子供はみんな連れ去られてしまう」大人たちは子供たちを怖がらせようとそんなことも言った。

大人に「行くな」と言われると、行き止まりの踏切は子供たちの想像力を駆り立てた。

そしていつしか言われるようになった。

「あの踏切は異世界への入り口だ」と。

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