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04話 究極奥義その三

「なぁ、聞いたか?」


「ああ、ここのところ雨が降らないのってそのせいだろ?」


「そうそう!やっぱやらなあかんのかねー」


最近、街のあちこちで噂話でもちきりだ。

雨が降らないのは天神様がお怒りになっておられるとか。


「よっ!リトア!w聞いたか!?例の噂!」


「オラウまで笑」


「なんだよーw俺が噂話信じるなんておかしいってか!?…おかしいわなw神も仏も信じねーもんなー俺w」


「でもよーwこうも雨が降ってくんねーと仕事に支障きたすんだよーw」


「それはー」


「そうだよな笑 俺もちゃんと育った薬草取れないと相当やばい!」


「そこでさ!物は相談なんだけどー」


「ん?珍しいね笑 あらたまって笑」


「いやさw」


「例のほら、なんてったけ?ドゥゲザ?あのイアンやハワード黙らせたって…例の…」


「ど、土下座!?」


「そうそう!そのドゥギャザのアレでさ!ちょいちょい…っとこう、天神様のお怒りをさw」


「いやいやいや!笑 無理でしょ!?笑 神でしょ!?相手神!!」


「いやいやいや!w話は最後まで聞けって!w」


「山の麓に天神様の祠があるじゃん?wお前がそこ行ってさ!ちょいちょい…ってさw」


「ちょいちょい…っておいおいおい笑」


「なーにぃ?なんの話ぃ!?」


「お!メイヤン聞いてくれよ!wリトアに天神様のお怒りを収めて貰おうってw」


「あー!!!それ良い!!!頼むよぉ!リトアぁ!」


「メイヤンまで!!!」


「…」


「…いやいやいや…笑 考えてみたけどやっぱ無理でしょ!?神だよ!?神に土下座してもさらっと許してくれたりしないでしょ!?笑」


「いや!いけるって!w試しにやってみろよ!失敗したって誰もおまえを責めたりしねーよ!w」


「そうだよぉ!リトアが頑張ってくれたら…私ほんとにリトアと付き合っちゃおっかなぁー…」


「やります!」


「ナーンテ…え?」


「お任せあれぇ!!!」


気づいたら俺は天神様の祠の前まで来ていた。


(とは言ったものの…どうすんだ!?ここで、この祠相手に…土下座すればいいこか!?)


「…考えてても仕方ない…か…」


俺は大きく深呼吸した。


そしてー


バッ!!!


「天神様ぁ!!」


バッ!バッバッ!


「どうかお怒りをお鎮め下さい!!!」


俺は数字で言うところの1になった。正しくは1のちょんと出てるところすらない、小文字のLつまりは線になった。

前から見ても横から見ても俺は凹凸の無いlにしか見えないだろう!


そのまま勢いよく垂直に飛びー


そして無の心境に至った—


なぜならそれは、これから迫り来る地面に対して—


受け止めるものが己の顔面のみと言う恐怖を克服するためだったからだ!


究極奥義その三!!!


Japanese Style DOGENE!!!!!


ビターーーーーン!!!!


鼻が折れたかもしれない音と前歯が何本かイッた気がした。


否!!!!


無の心境の境地にそんな痛みは何も感じない!綺麗な線は綺麗に漢字の一となった。そしてそのまま地面と一体となった。


「何卒!!!!何卒!!!お怒りをお鎮め下さい!!!天神様ァァァァァァァ!!!」


ズゴドゥォォォォォォォン!!!!!


最初の一撃は祠は耐えた!!否!!!

ニ撃、三撃と爆発させ続けこのまま粉微塵に粉砕してくれるのであるっ!!!!


「お許し下さぁぁぁぁい!!!!!」


「天神…………さまぁぁぁぁぁ!!!!!」


ズゴゴゴゴ…


ドゥピシュ…ガァァァァァァァァァン!!!


「…」


(くっ…やはり俺じゃ…ダメなのか…!)


「…ケホッ」


「!?」


「…サイ…」


「…んっ!?」


「ケホッ!…ゥるさィ…のよぉ…ケホッ…ゥゥ…」


「も、もしや!天神様でございますか!?」


「…ゥゥ…クスン…ケホッ…ぅん…」


「天神様!どうか!どうか!お許しを!お怒りをお鎮め下さい!!!!」


「ゥゥ…そんなの…知らない…ょぉ…クスン…」


「…え!?」


思わず顔を上げてしまった。

そこには血塗れの幼女が爆発の煙の中から現れた様だった。


(…はて?…やってしまいましたかな?)


「ゥゥ…おまぇ…なんなんだょぉ…クスン」


「はっ!わ、私はラトゥール村のリトアと申します!こ、この度は我が村に雨が降らず、天神様がお怒りなのではないかと思い、お怒りを鎮めてもらおうと!こうして…謝罪をいたしております!!!」


「…」


「ケホッ…」


「ゥゥ…」


「…死ぬかと…思ったょぉ…クスン…」


「な!は!?も!申し訳!ございませんでした!!!」


じ…


天神様は半泣きになりながら「…ぃぃょぅ…」と許してくれた。


「…雨…降ればいいの?」


「はい!雨が降ればいいみたいです!」


「…」


「…わかた」


すると辺りに雨雲が集まりだし


ゴゴゴゴゴゴ


雷がゴロゴロと音を鳴らしたかと思うとたちまち辺りは土砂降りとなった。


「おおおお!!!ありがとうございます!!!天神様!!!!!」


土砂降りの中喜ぶ俺を尻目に、天神様はまだぐずっていた。


「…ゥゥ…ぉぅち…無くなっちゃったょぉ…」


見ると祠は木っ端微塵に吹き飛んでいた。


ニ撃目は耐えられなかったらしい。


天神様は涙を堪えながらちょっと睨んだ。

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