表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/66

第63話 領主夫妻の帰宅

どうも、じゃまぴよです。

訪れてくださってありがとうございます。


遅々とした執筆でごめんなさーい!(>.<)

でも、ちゃんと書くから!


今回はアリステアとナルコスの関係性がチラッと垣間見えるよ!


二人はどうやら昔からの知り合いのようだ。



「アールはもう寝ただろうか」

「こんな夜中ですもの、寝ていてもらわなくっちゃ困りますわ」


麒麟樹を抜け、愛しの我が家へと帰った領主夫妻は、アールを起こさないようにと途中馬車から降り、二人で腕を組み、歩いてそっと門をくぐった。


真夜中過ぎの真っ暗でシンとした静けさの中、ポツポツと明かりの灯るエルフリッド舘には、人の気配がしていた。


「なんだかとても久しぶりな気がするよ」

「ええ、ずいぶん時間がかかってしまいました」


ふと立ち止まり、じっと我が家を見つめた。

時々動く人影が、自分の愛すべき暖かな帰る場所なんだと実感させてくれた。


「──よし、後で可愛いアールの寝顔を覗きに行こう」

玄関の呼び鈴をならす前にアリステアが呟いた。


「まぁ、アリステアったら……」

クスクスと笑いながら呼び鈴を押した。


すぐにドアが開き、バトラーが出てきた。

「お帰りなさいませ、アリステア様、エリザベート様。一同心よりお帰りをお待ちしておりました」

本当に嬉しそうに招き入れた。


「ああ、ただいま。心配かけたね」

「ただいま帰りました」


「お帰りなさいませ。お疲れでございますよね、お茶のご用意が出来ておりますので、あちらでごゆっくりお寛ぎくださいませ」

リリスがいそいそと、これまた嬉しそうに上着を受け取りそう言った。


「ありがとう」

「まぁリリス、あなたもまだ起きてくれてたの?ごめんなさいね、アールの事を任せきりで。大変だったでしょう?明日も早いでしょうに」


「大変だなんてとんでもございません。アール様はそれはそれはとても良い子にしておられましたよ。まず御領主様がお出掛けになられてすぐ……」

ふんすと鼻息荒く、リリスのアール談義が始まろうとした。


「ちょ、ちょっと待って、リリス。明日聞かせてもらえるかしら?」

暴走する予感にあわてて止めたエリザベートだった!


「ハッ、これはっ……申し訳ございません、つい……」

頭をさげつつそう言った。


「いいのよ。それだけ大切に思ってくれているのですもの。アールも幸せですわ」

「ああ、ほんとに」


ふふと笑いあった。


「──恐縮でございます」

ほんの少し頬を染め、照れ臭そうにペコリと頭を下げた。


和やかな雰囲気に包まれ、皆でリビングへと向かった。



途中2階からナルコスが降りてきた。


「御領主夫妻、帰られたか。無事で何より」

軽く頭を下げた。


「ただいま帰りました。ナルコス先生もご苦労様です」

エリザベートとアリステアが軽く頭を下げ挨拶した。


「ナルコス先生、後でお話ししましょう」

アリステアが手を上げ、自室の方を指差し、そう言った。


「分かった。では、落ち着いたら呼んでくれ」

「ええ、後程連絡します」

それだけ言って、また2階へと戻って行った。



お茶を飲み、半時ほど寛いだ後はエリザベートをリリスと共に休ませた。

あまり丈夫でないエリザベートは、ほっとした途端体調を崩しやすいのだ。


お休みを言い、エリザベートが自室に向かうのを確認してから、アリステアも自室に向かった。


帰って早々だが、やることが山のようにある。

「さて、私はまだまだ眠れないな……」


ナルコスを呼び出した……。





「──なるほど、面倒な話だ」


アリステアから一通り今回の経緯を聞かされたナルコスは、少し戸惑っていた。


何故自分にそこまで内情を話すのか、自分はアールの事を報告するために呼ばれたのではないのか、と。


「ほんと、そうなんだ」

そう言いながら、アリステアは棚にあったグラスとお酒を取り出し、グラスに大きめの氷を2つ入れた。

カラカランと小気味良い音がした。


「タリル先生にも連絡しておいたんだが、少しやっかいでね……ナルコス、君も手伝ってくれるよね?」

質問形だが、語尾は下げられ、それは決定事項のようだった。


「──やはりそういう事か。俺はアールの剣術指南役だぞ。お前の部下じゃない」

嫌な予感が当たり、ため息を吐きながらアリステアを見た。


「まぁ、いいじゃないか。死なば諸共と言うだろう?」

そう言いながらグラスに酒を注ぎ、労を労うようにニコリと笑い、ナルコスに渡した。


「死ぬ気は無いが?……ほう、これは旨いな……」

受け取った琥珀色の酒を飲み、その口当たりの良さに少し驚いたようだ。


「旨いだろう?特別だ。それにしても……君は確かに死にそうにないな!ほんとに……昔から変だったが、今はもっと変だ。それ、その魔力、おかしいよね?君、人族なはずだと思ったんだが……違ったか?」

自分も酒を飲み、笑いながら揶揄うように言った。


「俺のせいではない。お前のいかれた息子のせいだ」

死ぬほどの痛みを思い出したのか、眉間にシワを寄せ、嫌な顔をした。


「んん?アールの悪口かい?許さないよ?」

にっこり笑いながら威しをかけた。


「──親バカめ……変なのはお前だ。ほんとにアールはお前そっくりだな。俺がこうなったのは……話せば長いが、聞くか?」

残りの酒を一気にあおり、アリステアにグラスを返しながら言った。


「その為に呼んだんだ。聞かせてくれ」

カランと氷の音を響かせ、そう言った。

口元に笑いを浮かべているが、目は笑っていない。


「……分かった。タリルからも報告があると思うが──」



広場に向かう所からの事を、順番に話していった──



*****



『えーんえーん』


──誰かが泣いている。


『おかぁーさーん!』『おとーさーん!』



──ああ!かわいそうに、もう大丈夫だよ。なんたって、ボクがきたから!



と、突然ゴーーーっと辺り一面火の海になった。



──なに!?熱っ……くない……?



『こっち来て!ダメだよーそっちは!まだアイツらがいるかもしれないー!』

『でも、おとーさんが……』

『……もう、死んじゃってるー……ぐすっ……サーちゃんも……ひっくっ……見た、でしょー?』

『!うっ……うえーーーん』


泣きながら手を繋ぎ、火の海の中、二人の少女が逃げまどっていた。



──ああ、これは……ミーちゃんとサーちゃんの……



『サー!あそこ!あそこは火がないよー!飛ぼう』

『……もう、やだ……もうきっと皆死んじゃったんだ……サーも皆の所に行くの』


と、突然ミーちゃんが、パシンッとサーちゃんの頬を叩いた!


『ばかー!そんなの分かんないでしょー!二人で探すのー!ミーはここにいるんだから、おかーさんも何処かにいるのー!二人で一緒に探すのー!!』


『うえーん!ミーお姉ちゃーん!!』


『行くよー?飛ぶよー!えい!』

サーちゃんの手をぐいっと引っ張り、バサバサッと飛びあがった。


二人は炎の生み出す上昇気流をうまく捉えたのか、あっという間に空高く飛んで行った──




「ミーちゃんサーちゃん!!」

ガバッと飛び起きた!



カチ コチ カチ コチ…………


ドッドッドッドッ……


微かな時計の音が、静かな室内に響いていた。

自分の中から、激しく脈打つ心臓の音が聞こえた……。


「────夢…………」


──今の……夢か……?

──うん、まるでその場にいたみたいな気がしたけど……



二人はあちこち焦げてボロボロになりながら、叫んでいた……。火の粉が飛んだのか、所々チリチリになった髪がやけにリアルだった。



──これって実際あったことじゃないかな?


──ああ、俺もそんな気がする。もしかしてミーサーちゃんが見てる夢かもしれないな


──アールも二人にシンクロしたのかしら?……胸が、痛いよ……



「モフ、居る?」

「どうした?」


「モフ、夢の中に入れる?」

「したこたないぞ!」


「じゃあさ、ミーサーちゃんの所へ行って試してみてくれない?夢の中で泣いている二人を、助けてあげて」

「??助ける?」


「そう、笑わせて欲しいんだ。温かいお風呂に入って、美味しいものを食べて……ボクたちと一緒に綺麗な石を探す旅に出る!」

「石探しの旅!」


「うん、行きたがってたでしょ?ミーサーちゃんからあのタンザナイトの石のありかが聞けるかもよ?明日のボクのおやつあげるから、頼むよ」

「!よし、分かった、行ってくる」


「ありがと」

「任せろ!」

そう言ってふっと消えた。



「………………ふう……」


父さんと母さんは帰ってきただろうか?


ごろんと転がった。


……アールには家族がいる。

お父さんにお母さん、リリスにバトラーに従業員の皆……皆、大切なボクの家族だ。


「ミーサーちゃん……」

いつか、ミーサーちゃんもお母さんと会えるだろうか?


どうか、良い夢が見られますように……悪夢から解放されますように。


目を瞑り、手を組んで、静かに祈ったのだった。

とうとうアールのお父さんが帰って来た。

どうかミーサーちゃんの、アールの、思いが届きますように!


【筆者からのお願い!】


『面白い』『続きが気になる』『このキャラ・カプ好き』と思われましたら、是非ブックマーク登録をお願いします。


また、↓に☆がありますのでこれを一番右までタップしていただけると、いっぱい評価ポイントが入ります。


評価をいただけると、とても励みになりますのでぜひぽちっとお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ