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第6話 モフモフのモフモフモフモフ

しばらく毎日更新予定!


頑張ります!

読んでくださっている方々、ありがとうございます!ぽちっとブクマなどしていただけると励みになります!


また出た。なんか出た。モフモフモフモフ。

(´Д`)




ガサガサガサガサガサガサガサガサ


音はすれども姿は見えず。

音のする方を探すのだが、見つからない。焦って探すのがよくないのか?でもアレ結構でかかったよな……



──気のせいだったか?いや、違うな、絶対いるだろ!なんか気配感じるし


──うーん、でも見えないね。なんでだろう?モフモフちゃーん!どこですかぁー?



用を足している事になってるのであまり時間がない。しょうがない、あきらめるか?気配はするのに見えないなんて。



──だめだ!もう時間ない!あんまり長いとうん◯と思われる!


──やめてよ!もう~!アールは汚いものは何も出さないアイドルなのよ?


──んなわけあるかいっ!戻るぞ!



あの変な生き物を見つけられなかったのは残念だが、気配は消えていない。また出てくるかもしれない。

急いでナルコスの所へ戻って行った。



「遅かったな?うん◯か?」

戻るなりナルコスに言われた。


──ぎぇーー!やっぱり思われてたじゃん!マルのバカ!!いや~~!


──理不尽!!



「ちがいます!てをあらいたかっただけです!みずばがなくって……」

そう言い訳をした。


「ふむ」

おもむろに馬のところに行き、ゴソゴソ何かを取り出しているようだった。


「来い」

と言われ、側に行くと、手に水筒を持っていた。


「不衛生は病気の元だ。浄化魔法でも使えればいいんだが、生憎(あいにく)オレはあまり魔力が無くてな……」

そう言って水筒の水で手を洗わせてくれ、タオルを渡された。


「ありがとーございました」

これは、お礼するべきところだろう?

ナルコスも黙って頷いた。


「よし、では始めるぞ。これを」

父さんに買ってもらった木剣を渡された。


「おお!」

やった!戻ってきた!

これを渡すって事は、体力的には合格ってことだよな!?


ただのスパルタ野郎かと思っていたが、ちゃんと正当な評価をするんじゃないか!

よろしい!君に“近藤さん”の称号を与えよう!


テンション上がってきたぜ!


うきうき気分でなんとなく剣道の構えで構えてみた。


「お前は剣を持った事があるのか?」

また、あの見定めるような目で聞いてきた。


「ないです」

ウソではない。剣道やってたけど。ついでに空手もやってたけど?町の手習い教室だけどな。


「では、その構えも本からか?」


「!そうです!」

あぶねぇあぶねぇ。またやらかすところだった。


「ふむ、まぁいい。では構えからだ。まず…………」

剣術談義が始まった。

身体の使い方、剣の振り方、視線の方向など、前世で武道をやっていたお陰か、すんなり頭に入っていった。


「では振ってみろ」


「はい!」

バッと剣を振り上げた!

ブンっと振り下ろした!

キラッと何かが光った気がした!



スポ──ン !ヒュ──ルルル───!ドス!



木剣が手を離れ、あさっての方向へと飛んでいき、木にぶつかって落ちた!


「…………あれ?」

なんで?しっかり持っていたはずなんだが?


「……拾ってこい」


「はい……」

拾いに行き、もう一度構え直し、ブンっと振り上げた!

何かがキラッと光った!


スポ──ン !ヒュ──ルルル───!ガスッ!


今度は振り上げた瞬間後ろに飛んで行った!


「はい!?なんで!?」

いや、しっかり持っていたんですけど!?


「剣が重いか?」


「ちがいます!こんどはダイジョーブです」

あわてて剣を拾おうと走って行った。

また何かがキラッと光った!


途端に石につまずいた!

ゴロゴローッ!!ドデン!


「─────………え?」

……まさか、この俺が、石につまずいて、無様に、コケタ?


呆然と立ち上がり、のろのろと剣を拾った。


何?何が起きてる?なんかおかしい!



「……すみません。なんか俺、調子悪いみたいで」

ナルコスの所へ戻り、訳がわからず、そう言った。


「“俺”?」

ナルコスが怪訝そうな顔をした。


ハッとした!

思わずマルで話してしまった!

ヤバい!!


「あ、ボクです!やっぱりちょーしわるいみたいです」


「そうか。体力的には問題ないと思ったが、剣は早すぎたのかもな」


「!そんなこと……」

ないです、と言いたかったがまともに一振りも出来なければなんの説得力もない。


うつむき、木剣をぐっと握った。


そういえば、何か光ったよな?


「あの……すこしきゅーけいしていいですか?おちつきたいので……」

いいよな?近藤さん!


「……いいだろう。落ち着いたら言え」

おお!話がわかるじゃん!

やっぱこいつは近藤さんだ。“近藤さん1号”だ。


「ありがとーございます」

俺が剣を振れないなんてあり得ない。

別に自惚れじゃなくて、アールの体力に俺の経験値だ、客観的におかしい。



──エル、お前、魔力探知とか出来ないのか?なんかおかしい。


──へ?出来るわけない……ん?ちょっと待ってよ。自分の魔力を巡らせた時の感覚を、外に向ければいいのかな……?うん、やってみるか


──お?さすがエルさん!出来そうか?


──一緒にやってみようよ!こう、意識を外に向けて……



草陰に何かがぼんやり見えてきた!


「ジャマしてやる……」


コレ、キイタコトアル


じっと目を凝らした!


「ジャマしてやる!ジャマしてやる!石とったやつジャマしてやる!」


出たぁ────!!


バサバサバサバサーっとグレーのモフモフが飛び出してきた!!


パッタパッタ羽を羽ばたかせ、一心不乱に「ジャマしてやる」と足元で鳴いている変な生き物を見つめた。



──ナニコレ?


──ナンダロウ?ナニカシラ?



「おい」

ひょいとそのモフモフを捕まえた。


「!!!ジャマ!!??」


取っ捕まったことに驚いたのか、真ん丸な目がさらに真ん丸になって、ひえ~~って顔になってる!ちょっと面白い。


「つかまえた!?どーして!?つかまった!?」


バタンバタン暴れている。

しかし!小さい羽とちんまりとした足でバタバタされても、モフモフがモフモフモフモフになるだけで、ちっとも逃げ切れていない。



──コレなんか可愛いかも…


──ああ、よくみたら愛嬌あるな



「お前なんなの?なんていう生き物?」

目線までひきあげ、まっすぐ見て聞いた。


「ピヨはジャマぴよだ!石の精霊だ!お前、ピヨの石とった!」

ふんす!と胸を張りそう主張した。


「お前の石?あ!もしかして、コレのこと?」

ポケットから昨日の石を取り出した。丸くて角のないきれいな石だ。


「ソレ!ピヨの石!」

ピーピージタバタ石を取ろうとした。


「ごめんごめん、コレ、ジャマぴよのだったのか。キレイだったから記念にと思って拾ったんだ。悪かったな」


トサカのついた頭を撫で撫でしながら謝った。


「ぴー……」


ちょっとおとなしくなったので、下ろしてやった。


改めて見てみるとほんとに不思議な生き物だった。

見た目は鳥っぽいし、ぴーぴー鳴いている。でも明らかに飛べそうもない羽に何故か肩?からぼろぼろのポシェットをかけていた。


「はい、どうぞ」

と石を渡してあげた。


「ぴー……」


モフモフの羽に丸い小石をのせてやる。

嬉しそうに目を輝かせて、いそいそとポシェットにしまった。


「もうジャマしないでくれよ?」

ぽふぽふと頭を撫でた。



──あ、これ、キモチイイ


──うん、ほわーってなるぅー



じ──っとこっちを見てから、ふいにくるっと背中を向け、とてとてと草陰の方に歩いて行った。

何故かその姿は哀愁を漂わせていた……


「ジャマぴよ!」

その真ん丸な背中に声をかけた。

このまま放っておけない気がした。


「また会えるかな?俺たちここによく来る事になると思うんだ」

気まぐれな精霊に約束をしたところで次に会えるとは限らないが。


じ──っとアールを見つめた。

ふんっとそっぽを向いてしまった。

「…………ジャマしてやる」

一言だけいってパッとしげみに飛び込んで行った。


「……え?ジャマされんの?」



──それは嫌だなぁ。


──ガンバレーまるー


──だから、気の無い応援すんなや!



昨日のガサゴソの正体もわかり、剣が振れなかった原因もわかった。

よし、と気合いを入れ直し、ナルコスの元に向かった。

がんばれーマルエルー


近藤さん2号が現れるかはわかりません。


応援よろしくお願いします。

ジャマぴよ4コママンガをいつか掲載したいです。


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