第27話 やっと会えたね!
マル君ってば前に会ったことあるみたいです。
エルちゃんは知らないけどね。
だって寝てたから(。-ω-)zzz
さて、何処で出会っていたでしょうか?
何処で出会っていたか覚えていただいてる方がいらっしゃったなら、作者は泣いて喜びます!
(T∀T)
マルエルがんばれー
黒いタリルが垣間見えました……。
「アール!」
と、突然声をかけられた。
「え?」
知り合いなんていないはずなのに、どうして名前を呼ばれたのか?
驚いて声のする方を振り向いた。
水色の髪に青い瞳の、両サイドに一房だけ黄色い髪が混ざっている少女が立っていた。
──あ!この子見たことあるぞ!ほら、タリルの授業の帰りで、パレード状態だった時に……あ、お前寝てたわ
──あー、なんか気になる~とか言ってた?マルのロリコン疑惑の案件の子ね
──そうそう、って違いますぅ~、ちょっと不思議な感じがしただけですぅ~。それにアールは5歳だしぃ~?あの子の方がたぶん年上ですぅ~。でも、おそらくあの時の子に間違いないと思うぞ
──そっか、だからアールを知ってて……んん?でもそんな程度で話しかけたりするものかな?
「……アール……」
ゆっくり近づいてきた。
「……ボクにごようですか?」
きっとアールに用事があって話しかけたんだよね?
それにしても、この子、無表情だけど、ぷるぷるしてるよ?緊張してるのかな?なんだか、親近感あるんだけど……小動物みたいで。
「……モフ」
蚊のなくような声でそう言った。
「え、モフ!?モフを知ってるの!?」
驚いた。モフの名前が他人の口から出てくるとは思わなかった!
──モフを知ってるって事は、この子モフが見えてるってことよね!?モフとお話しして、モフからアールの名前を聞いたのかな?……じゃあこの子、相当魔力が高いってことね……
──いやいや、焦るなエル!ただのモフモフのお話かもしれないぞ?あっちにかわいいモフモフがいるよ~とか。モフ=石の精霊とは限らないだろ?……それにしてもなぁ、この子緊張っていうより、妙に怯えてないか?なんでこんなに……ん?
──あ。もしかして……?
ふと横を見た。
ナルコスが仁王立ちでじっと少女を観察するように見ていた。
うん、なるほど、原因はこれだね!
──うん、まぁな、ナルコスからしたら、当然の反応なんだろうけど、相手はいたいけな少女だぞ?エル、ナルコスに“お前の顔怖いんだよ!睨むな!”って言ってやれ!
──よし、じゃあ!……って言える訳無いでしょ!私だって怖いのに……でも、まぁ
「ナルコスせんせー、このこ、おうちのちかくであったことあります。タリルせんせーのじゅぎょーのかえりにみかけました」
話しかけてきた少女が、助け船が出た!という感じで、ぷるぷる震えながらコクコクコクっと勢いよく頷いた。
「だいじょーぶですよ、おじょーさん。このひと、こーみえても、とってたべたりしませんから。ボクに、おはなしあるんですよね?」
ニコリと笑い、こちらから近寄った。
ぱぁっと目が見開かれた。
無表情だけど、おそらく安心したんじゃないかな?なんとなくそんな気がする。
「……モフ……待つ……あっち」
来た道の方を指し示しながらそう言った。
「!モフをみつけてくれたの?ありがとー!!」
──やっぱりモフモフの話じゃ無かったよ!石の精霊のモフの事じゃない!
──そうみたいだな。じゃあやっぱりこの子にはモフが見えてるって事か……いったい何者だ?
「あっちって……もどれってこと?」
コクコクと頷いた。
どうやらこの少女は話すことが苦手らしい。ぱっと見た感じ、エルフでも人族でもない。移民なのかもしれない。
そういえばお父さんが異種族でも積極的に受け入れてるとか、そんな話をしていたような……この子もそういう手合いかな?
移民だから言葉が苦手なのかも……。
スッと手をとられ、グイっとひっぱられた。
「行く……広場……一緒……」
「いっしょにいくの?」
コクコクと頷き、グイグイ引っ張っていこうとした。
「待て」
と、ナルコスがその引く手を押さえた。
少女がビクッとして、パッと手を離し、さぁーっと木の影に隠れてしまった!?
「……ナルコスせんせー……」
もう!また怯えさせてどうするのよ?
「知らない者に付いて行っては駄目だ。その子は子どもに見えるが、そうじゃないかもしれない。目に見えるものが真実とは限らない。そうだろう?」
じっとアールの目をみてそう言ってきた。
──まるでアールに言ってるみたいなんですけど?“アール、お前も外見と中身が違うだろう?”って……まぁね、その通りですけど
──うーん、これは完全に何かしらを察知してるよな~。でもな、やっぱりアールは5歳だぞ?普通の5歳児ではないかもだけど……
──そうよねーただ前世の知識があるだけなんだもん。ここではやっぱり5歳児よね~
「たしかにタリルせんせーとナルコスせんせーはおなじとしくらいにみえるけど、ほんとはタリルせんせーのほうが、ずっとず──っととしうえですもんねー」
うんうんと納得したふりをした。
ナルコスが肩透かしを食らったみたいな顔をしているが、知らん顔をした。
──とにかく、このままじゃ埒が明かない。あの子といっしょに来た道を戻りつつ、タリルに連絡して広場を探してもらおうぜ
──そうだね。電話してみる
「ナルコスせんせー!」
挙手!
「なんだ?」
許可!
「タリルせんせーにれんらくして、ヒロバをさがしてもらいます!ボクとナルコスせんせーも、あのコといっしょにヒロバにむかおうとおもいます!」
それなら文句ないでしょ?
「……わかった」
納得してくれたようだった。
『タリルせんせー!』
早速電話を繋いだ。
『はい、アール様どうされました?』
ほんと便利ね!普通に話せるわ。やっぱり電話と同じ感じね。声に出さないでいいだけで。
『あの、モフをみつけてくれたってコにあいました!』
『え?モフさんをですか?アール様が見つけたのではなく、他の人が見つけた……?』
なんだか、驚いたような声をしてる。
モフを見つけられるって事はそれだけ魔力が高いってことだもんね!興味を示すはずだわ。
『そーです!ヒロバにいるそーです!おとなしくまっていてくれるのかわからないので、せんせーもいってもらえますか?』
『分かりました。急いで行って探してみます。アール様も向かわれるのですよね?』
『はい!そのコといっしょにいくので、ボクのほーがおそいかなって』
あ、そういえばこの子の名前聞いてなかったな……
『では見つけたら連絡します。広場でお会いしましょう』
電話を切った。
よし、これでタリル先生と合流できるわね。
あとは……
「あのー、びっくりさせちゃってごめんなさい!いまからヒロバにいこうとおもいます」
怯えさせないようにゆっくり木の影からこちらを伺っている少女に近づいた。
怪しいマスクを外し、少女を見つめた。
「いっしょにいきましょー」
むいっと手を指し出し、ニコッと笑った。
「……行く」
じっとその手を見つめていたが、おそるおそるにゅっと手を出し、そう言ってアールの手を触った。
その震える手をきゅっと握り、手を繋ぎ、“大丈夫だよ”との思いを込めて、もう一度にっこり笑った。
ホッとしたように、きゅっと握り返してくれた。
──あー良かった!ナルコスが脅すから、ぷるぷるから、ぶるぶるになっちゃってたじゃない!かわいそうに……
──まぁ、万が一を考えたんだろう。俺もこの子、気になるんだよなぁ。種族は何なんだろう……?
──何だっていいわよ。お目々くるくるしててかわいいし!ぷるぷるしてるのも何だか守ってあげたくなっちゃうわ。児童館で放課後ボランティアしてた頃を思い出しちゃった!
「ボクはマルティネス・アール・エルフリッド。アールってよんでね!きみのなまえは?」
「……サーちゃん……サ…………キュ……」
小さすぎて聞こえなかった上に、途中で声が消えてしまった。
──発音しにくいのかな?名乗ってくれた気がするんだけど……
──何かしらボソボソ言ってたな!まぁ、“サーちゃん”だけは聞こえたし、サーちゃんでいいんじゃない?
「わかった!サーちゃんだね!よろしくね、サーちゃん!」
そう言って握った手をぶんぶん振った。
はじめましての握手よ!
大きな目を見開いて、コクコク頷きながら、ぶんぶん手を振りかえしてくれた。
──いや~んかわいい!この子かわいいじゃない!表情は乏しいけど、お目々で語ってくれてるわ!やっぱり小動物みたいね!
──確かに!よしよししたくなる可愛さがあるな!タイプは違うけど、どことなくモフと似てる……?
とりあえず、信頼されたみたいだし?
お手々繋いで出発ね!
あ、そうだ、マスクを忘れないようにつけとかなきゃだった……。
「じゃあ、ヒロバにもどりましょー!レッツゴー!!」
左手を振り上げ、元気に歩き出した!
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〈サーちゃんアールと会えたかなー?〉
小さくピュロローとモフに話しかけた。
「会えるぞ!アールは目立つからな!」
ビョーンビョーンとミーちゃんの周りをとび跳ねながらモフがこたえた。
〈ねぇ、モフちゃん、モフちゃんはどうしてアールとお友だちになったのー?〉
こんなにも位の高い精霊が、おいそれと人と親しくなっていることが信じられなかった。
「面白そうだったからだぞ!」
みょーんっと木の上まで跳び上がった。
〈面白そう……そうなんだー〉
自分はまだアールに会ったことが無い。でもサーちゃんも何かしら惹かれるものがあったらしく、わざわざアールを見に行っていた。
あの領主様の子で、モフが信頼しているのだから、大丈夫だと思うが、戻ってくるまではやはり心配だった。
ぼんやり木にもたれ座っていると、ポテッと膝にモフが落ちてきた。
その両の翼に木の実を持っていた。
「これ、コマになる!あそぶ!」
〈知ってるー。こうして枝を刺してー、回すんだよねー〉
くるくる回してぶつけ合い、倒れた方が負けだ。落ちてある枝を刺して、いくつかコマを作った。
「勝負!」
きらーんとモフの目が光った。
〈いくよー、えいー!〉
喧嘩ゴマをして遊んでいると、ふと影が射した。
なんだろうと顔をあげると、見知らぬ人が立っていた。
……誰だろー?アールじゃないよねー?大人だもんねー。髪の色も違うしー
「あ!タリル!」
モフがビシッとその人を指した。
「こいつ、タリル!アールの家庭教師!」
遊ぶのを止め、よじよじっとミーちゃんの頭の上に乗ってきた。
モフを落とさないようにゆっくり立ち上がり、タリルを見た。
「……こんにちは、お嬢さん。あなたがモフさんを見つけてくださった方ですか?」
にっこり笑ってそう言った。
……あれ?この人、モフちゃんのこと、見えてるのかなー?
よくわからないので何も言わず、じっと見つめた。
……この人、魔力がかなり高いねー。モフちゃんが見えててもおかしくないかもー
モフがアールの家庭教師だと言うのだから、信用して大丈夫だろう。
「…………モフ……」
頭の上のモフを掴んでひょいと差し出した。
「モフさん、アール様が探しておられましたよ。もうすぐこちらに戻りますから、ここで一緒に待ちましょう」
スッと抱き抱えるようにモフを受け取った。
「わかった!待つ!」
ポフポフとタリルの手を叩いた。
「モフさんを保護していただき、ありがとうございました。私はタリルと申します。タリル・シルヴィオーラ、魔術師をやっております」
ペコリと頭を下げられた。
「……ミーちゃん……ミティ……キュ……」
ペコリと頭を下げた。
「……ミーちゃんさんですね。はじめまして。モフさんをどうやって見つけられたのですか?」
柔和だが、じっとこちらを観察するような目で見てきた。
「ミーとサーが珍しい石を売っていたんだぞ!そうだ、タリル!あの石が欲しいぞ!」
パタパタとタリルに訴えている。
「つまり、売っていた商品につられてモフさんがやって来たという訳ですね?なるほど。とすれば、サーさんという方がアール様の方にいらっしゃるのですね……おお、そうでした。アール様に連絡しておかないとね」
繋いだパスに意思を乗せた。
『アール様』
『はい!モフにあえましたか!?』
元気な声が聞こえた。
『はい、今抱っこしておりますよ。ご安心ください』
『あーよかった!もうすぐつきます。まっててください』
『畏まりました。お待ちしております』
どうやら、もうすぐ近くに来ているようだった。ほどなく合流出来るだろう。
「ミーちゃんさん、モフさんを見つけてくださったお礼に何か差し上げたいと思いますが……」
「スライムレンクを買え!ピヨもらった!ミーとサー飲んでない!」
ミーちゃんが、それでいいよという風に、コクリと頷いた。
「スライムレンクですか?また欲のない……本当にそれでよろしいので?」
ミーちゃんがまたコクコク頷いた。
「分かりました。アール様が戻られましたら買いに行きましょう」
にこりと笑った。
スライムレンクごときを望むなど、この子は見た目通りまだ子どもなのだろう。働いているのだから10歳よりは上だろうが、まだ成人はしていないくらい、12、3歳くらいか……。
だが、モフを普通に認識出来るとなると、魔力は相当に高いはずだった。
偽装し、うまく化けてはいるが、純粋なエルフではない。正体は何者なのか。
……邪なやからならば、アリステア様が見逃す事は無いと思うが……
しばらく観察してみることにした。
「タリルせんせー!!モフー!!」
いた!木の所にタリル先生がモフを抱っこして立っているのが見えた。
……あれ?後ろにサーちゃんがいる!?
「え?あれ?サーちゃんここにいるよね?」
右手を見た。確かに手を繋いでいる。
「ミーちゃん」
サーちゃんによく似た女の子を指差し、そう言った。
「え?ミーちゃん?あ!もしかしてきみたちふたごなの!?」
サーちゃんがコクリと頷いた。
──双子よ、マル!仲間だわ!うわ──こっちの世界でもやっぱり双子っているのね!
──ああ、そっくりだ!これは一卵性双生児だな。まぁ、俺らは双子どころか、今や同一人物だけどな!ふふふ、勝ったぞ!
──別に勝負してないからね?
「アール様」
タリルがにっこり笑って手をあげた。
「アール!!」
モフがぬるぅ~っとタリルの手から滑り落ちてこちらにテトテトテトっと走ってやってきた!
それと入れ替わるようにサーちゃんがミーちゃんの所へタタターっと走っていった。
──いや、だから飛びなさいよ!鳥なんでしょう?仮にも鳥の姿をしてるのに……何故いつも走ってるのかしら?
──わかった!モフは鶏なんじゃないか?それかアヒル……いや、以外と足が速いからダチョウかもな!
──違うと思いまーす
「モフーどこいってたのー?さがしたよ?」
まぁ途中まですっかり忘れてたけどね!
モフをモフッとモフモフした。
あ──!!落ち着くぅ~~~!
やっぱり癒しのモフモフだわ~~。
「石探してた!いいの見つけた!欲しいぞ!」
モフが抱きしめられて、きゅーっとなりながら、そう言った。
「ん?いしが、ほしーの?ひろえばいいの?モフじゃとどかないのかな?」
わざわざ言うくらいなので、手が届かないのかもしれない。
「違う!金がいる!」
ピヨピヨ金をせびってきた!?
「おカネ?おカネがいるの!?モフが!?」
コンソメスープじゃないの!?
──びっくりした!モフがお金とか言ってるんですけど!?いつの間に不良になったのかしら?
──金をせびる精霊……なんじゃそりゃ!?あ、待て!嫌な予感がする!お金のいる石って……それは宝石じゃないのか!?
「モフさんは石の入った装飾品が欲しいようですよ」
タリルがこちらに近づきつつ教えてくれた。
──やっぱり!ほんと石のこととなると見境無いのな、この精霊は
──うーん、困ったねぇアールってお金持ってないんだよね
「ねぇモフ、モフはイシのせーれーなんだから、ジブンでみつけてごらん。おかねでかっちゃったらジブンの!ってかんじじゃなくなっちゃうよ?」
欲しいものは自分で手に入れないとね~。
お金に頼っちゃだめよね?第一アールは1文無しなんだもん!
「……自分で……」
モフの目が輝いてきた。
「そう!ジブンで!モフならできるよ!だって、モフだもん!」
何の根拠もないけど、モフならきっと、よく分からない力で、よく分からないけど、よく分からないままに手に入れられると思うよ!
「ピヨなら出来る!」
きらーんとお目々がピカピカしてるよ!モフ!
「うん!できる!がんばれ、モフ!」
ちゃんとその気になってくれた。良かった!
ふんすーとパタパタ胸を張って自分でゲットする事を胸に誓ったようだった。
またまた中途半端に終わってしまいました……。いや、ちゃんと続きます!まだスライムレンクの謎も解いてないからね!
モフもダイスキ、スライムレンク……お前の正体は何者なのか?




