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第24話 うごうごもそもそ……

今度はスライムレンクに挑戦!

まだ謎解きまではいかないんだなー。なんとなく見えてはきたけどね!?


なんだかんだ知識はあっても、アールは天然なんだよねぇ~。


がんばれーマルエルアール!

(○´∀`人´∀`○)

「さて、次はスライムレンクを買いに行きましょう」

タリルがまたまた意味ありげに見てきた。



──ふふふ、よーし、きたぁ!待ってました、謎が多すぎスライムレンク!俺はスライムレンクって言うくらいだから、スライムをミキサーにかけたやつな気がする!


──うーん、私はスライムとは言っても本物じゃない気がするなぁ。スライムみたいな感触がするとか……あ!あれって実は飲み物なんじゃなくて、ゼリーとか!?


ラボで謎解きしながらスライムレンクの店に向かった。


店の前まできて、またまたタリルが問題を出してきた。

「はい、ではアール様。今度はスライムレンクを買いに行っていただきます。大サイズが1つ、小サイズが2つでいくらになりますか?」


スライムレンクは小サイズが小銅貨5枚、大サイズが中銅貨1枚だったな。


「はい、ちゅーどーか2まいですね」

即答した。


「正解です。早いですね!」

計算出来て当たり前なのだが、やはり驚かれてしまった。


「では、こちらをお渡ししますね」

中銅貨2枚を受け取り、じっと見た。


こちらでは生活するのに困らない位の算数しか必要ないみたいだった。

家を建てるのにも魔法を使っている。

構造力学や環境工学も必要ないんだろうな。



──こっち、っていうか、エルフの里では魔術が中心だからさ、数学、化学、物理なんて学問としてあっても意味ないんだろうな


──そうだねー、ちょっと寂しい気もするけど、思い描くだけで出来ちゃうんだから魔法って凄いよ!



「ナルコスせんせー」

でも、魔力の無い人族ではどうなんだろう?


「なんだ?」


「ヒトぞくではいえをたてるときどーしてるんですか?」


「家?建物ということか?」


「はい」


「大抵はドワーフの大工が建てるな。ドワーフは物作りの天才だ。話を聞いたり、見たりしただけで、どういう構造なのか理解するスキルがあったり、それを再現することができるスキルがあるようだな」


でた、ドワーフ!すごい便利なスキルだなぁ!


「ヒトぞくとドワーフは、なかがいいのですか?」


「ああ、魔力のあまりない人族はドワーフの作る魔道具に頼ってるからな。俺のいた町ではドワーフと人族の混血もいたぞ」


「へー!!」

まじか!やっぱり異種族でも結婚できるんじゃないか!



──ちょっとぉ~マルさん、これはぜひとも……ねぇ?


──ああ“ナルコスとリリスをくっつけちゃおう案”は正式採用だな



「そうなんですね~ふへへへへ」

ちょっと変な笑いになった。

マスクしてて良かった。


「何故急にそんな話になったのかわからんが、スライムレンクを買いにいかないのか?」


は!そうだった。あの色とりどりのスライムレンクをぜひとも飲んでみたい!


「いきます!ではいってきます」

スタスタと店に向かう途中で、くるっと(きびす)を返し、また二人の所へ戻っていった。


「せんせーなにいろがいいですか?」


そうだよ、あんなに色があるんだから、味も違うはず!適当に買うところだったよ。


「ふふ、アール様は何色にされようと思いますか?」


「ボクは……あおいろかな?」

スライムといえば青色のイメージがある。あれが一番スライムっぽいんだよな。


「他に試してみたいものはありますか?」


「あとは、きいろとあかかなぁ……?」

うーん、何色……そもそも何味なんだろう?


「……でも、あじがわからないので、おみせのひとにきいてから、きめたいとおもいます」


「では、気になる物を3つ買ってきて下さい。一番気になるものを大サイズでお願いしますね」

ほう、もしかして後で分けたりするのか?いいね!


「はい!ではいってまいります」



──よーし!今度こそ行くぞ!


──おー!!



ドキドキわくわくしながらスライムレンクの店の前まできた。


「いらっしゃい!なんにする?」

と、店の売り子が元気に声をかけてきた。

ん?ずいぶん可愛らしい声だな?

パッと顔をあげ売り子を見た。

おそらくアールよりは年上だろう。だが、まだ成人前の子どもの売り子さんだった!



──へー、もう働いてるんだな!10歳くらいかな?


──そうね、お手伝いの一貫なのかも。もしかしてスライムレンクってアメリカのレモネードみたいなものなのかもよ!


──なるほど!だから俺たちは飲んだことがないのか。リリスが許さなさそうだもんな



「はじめてのむので、どれがどんなあじか、おしえてもらっていいですか?」

素直に聞くのが一番だな。


「いいぞ!青がソーダ、赤がリンゴ、緑がキュル、黄色がラモン、白がヌークだ」

元気に教えたくれた。


──うん、ソーダとリンゴとラモンは分かる。ソーダとリンゴとレモンの味だな。キュルとヌークが分からん!


──だね、困ったな。


──よし、じゃあ、あえて、キュルとヌークとソーダにするか?



顎に手を当てて考えていると、

「なぁ、どれと迷ってるんだ?」

と、売り子が話しかけてきた。


「キュルとヌークのあじがわからないから、あえてそれにしようか、それともあじのわかるソーダとリンゴとラモンにしようか、でまよってます」

スライムレンク自体飲むの初めてだしな。


「ふーん、じゃあちょっと飲んでみるか?」

と、試飲を勧めてくれた。


「え?いいんですか?」

それならぜひ試してみたい!


「いいぞ、ちょっと待って」

何やらゴソゴソしていたと思ったら、台から降りてこちらにきた。


「こっちがキュルで、こっちがヌークだ。まずはキュルからな」

キュルを差し出してくれた。


「ありがとーございます」

マスクをとってから受け取った。


「ああ……いー……けど……」

ぽかんと呆けたような顔で見つめられた。

動きが止まってしまった。



──ん?あれ?エル、お前エフェクトかけた?


──え?何もしてないよ


──そうか。普通に見惚れただけか。ふっ……この少年の初恋にならなきゃいいけどな


──アールはすごくかわいいもんね~。ここらじゃ見かけないってスースのおじさんも言ってたし、まぁ仕方ないよ。ごめんね、少年!



じっとキュルを見つめた。

一見普通のメロンジュースに見える。

どうしてスライムレンクって言うんだろう?

聞いてみるか?

いや、だめだ。謎解きは自分で解明してこそ楽しいものだ。


──とにかく飲んでみるぞ?


──うん、普通に売ってるんだもの。毒ではないはず……よね?


──だよな。よし、飲むぞ!



くいっと一口飲んだ。

甘酸っぱい味のジュースだった。

なんだよ、普通にジュースじゃん。

何がスライムなんだ?緑のスライムがいるとか……?残りを一気に飲んだ。


んん!?何だこれ!!

何かちゅるんとした柔らかいが塊のような感触の物が喉の奥に入っていった!



──うべっ!今なんか飲んじゃったぞ!なんか、ちゅるんって…………あ?もしかして……?


──うん、今の、そうなんじゃない!?



「スライム!?」

パッと売り子を見た!

まだ手にもうひとつの試飲ヌークスライムレンクを持っている。


「あの、そっちもいただいていーですか?」

小首を傾げ、催促した。


「え?あ、ああ、もちろんです!どうぞ!」

頭を深々下げ、両手でヌークの入ったカップを差し出してきた!?


なんだこの子?頭下げる必要なくない?

というか、このポーズって、プレゼントを渡す感じじゃないか?

“僕の気持ちを受け取ってください!”的な。


これ、ただの試飲だよな?


「あ……どうも」

まぁ、いいや。

じっとヌークスライムレンクをみた。


じーっと見ていると、微かに底の方で何か透明な物があるのが分かる。

なんとなく動いている気がするのは気のせいだろうか?いや、気のせいであって欲しい。

……直径1センチに満たないくらいか?

なんだか小さなわらび餅みたいだけど……やっぱりコレって……



──エル……なぁコレ、やっぱりアレだよな?


──うん、たぶん、そうだよね。えー……スライムってほんとに魔物じゃなくて飲み物だったの?しかもそのまんま入ってるし……


──ううぅぅ……飲んじゃったぞ?


──うん、ちょっとあれだね……なんかこう、昆虫食べちゃった感と似てるね……


──だめだ、こんなことで怯んではいけない。ここは異世界だったけど、今や俺たちはこの世界の住人なんだ!価値観も食べ物も違うんだ。飲むぞ、いいな!?飲んじゃうぞ!?よし、エル、交代するか?遠慮するなよ!こういうの嫌いじゃない系だよな?


──へ?いや、なんでよ!別に好きじゃないよ?ただ押し付けたいだけじゃない?そんなにちゃんと決心したんならマルが飲んでよ!



うぅ仕方ない。

「いただきます……」

一口飲んだ。


今度は……んん?これ、カルピスだ。乳製品っぽい味がする。そこまで甘くないし、旨い。

上澄みはいいんだよな。上澄みは普通にジュースだから……でも……残りは……


もう一度ヌークスライムレンクを見た。

なんとなくうごうごしてる気がする……


……喉ごしが……なんか、うごうごちゅるんって……ナルコスが好きじゃないって言ってたのがわかる気がする。


でも、何かに似ている気も……あ、あれだ!シラウオの踊り食いだ!

よし、そう思えば(うごめ)いていても飲めるはず。


えい!

一気に飲んだ。


うごうごちゅるん……もそもそ……


…………ふ……やっぱりね……うん……スライムはスライムだな……


さっきより、スライムの量が多かったよ……口の中に残ったし?


この、口の中で、もそもそしたヤツどうすりゃいいの?


飲み込もうにも……身体が拒否している!

多分喉の奥で無意識で弾いてしまう!

うごうごもそもそって……ぐぅぅ……でも、出すのは嫌だ!


ええい、ままよ!


グッと歯に力を入れてチビスライムを噛んだ!


パシュッンとした感触と共に、口の中に炭酸のようなシュワッとした感触が広がった。それが溶けるように吸収され、何の感触もしなくなった。


「え?」


何だ?弾けて……無くなった?



──今の感触……何だかふしぎだったぞ?


──そうなの?感覚切ってたからわかんなかった


──おまえ!ずっるぅー!キモかったんだからな!?うごうごもそもそって!


──良かったぁ!切っといてぇ~


──こいつ……



「……あの、美味しくなかった?」


「え?」


「ヌークは癖があるから好みが別れるんだよ。青が一番飲みやすいんだ。それも試してみる?」

売り子の少年が心配そうにこちらを見ていた。


そうだった試飲の最中だった。

ハッと気づいたら、周りにちょっとした人だかりが出来ているじゃないか!


そうか!見慣れない美少女が、スライムレンク屋の前でコップ持って神妙な顔で呆然としていたら、何事かと思うよな!


悪かったな、少年……


「いえ、だいじょーぶです。あの、おおきいサイズでアオ1つと、ちいさいサイズでキイロとシロを1つずつください」

中銅貨2枚を渡した。

お詫びを込めて、にっこり笑顔のおまけ付きだ。


「ふぉっ!!は、はい!ありがとうございます!少々お待ち下さい!」

真っ赤な顔をして、あわあわと屋台に戻っていった。


野次馬の方を向き、お騒がせしました風に、はにかみながらペコリと軽く頭を下げた。


辺りがざわっとした。



──あれ?やらかした?なんでもっと人が集まってくるんだ?さっきより増えたんだけど


──ほんとだ。顔にスライムついてない?口の周りに飲み残しがあるとか



ペタペタと顔をさわってみた。

ついてない。口の周りもキレイなものだ。


あ、また増えた……え?なんなんだろう……怖いんですけど。

じわじわ増えていく野次馬に恐怖を感じてきた。


「お待たせ!あのさ、かさばるし、こぼれちゃうかもしれないから、一緒に運んであげるよ。他の人は何処にいるの?」

頬を染めながら照れくさそうにそう言った。

確かに3つ同時に、蓋もなく、大きさの違う容器をうまく運べるかは微妙だ。

手は2つしかないからね。


「え?でも、おみせだいじょーぶですか?」

一人でやってるように見えたが、交代要員でもいるのだろうか?


「大丈夫だよ!行こう、人が集まってきちゃったし。ぼくが守ってあげる!」

と、目を輝かせてそう言った。



──わかったわ!この少年は、かよわい美少女・アール姫の窮地を助ける、騎士のような気持ちになってるのよ


──ああ、なるほど。じゃあお言葉に甘えるか。(こぼ)したくないしな



「じゃあ、あちらのきのそばにたってる、ふたりのところまで、おねがいします」

軽く頭を下げた。


「うん。任せといて!」

嬉しそうニコニコした。


小サイズのコップを1つ受け取り、先生たちの所に向かおうとした。


「皆さん、退いてください!」

少年がぱっと前に回り、露払いのように人混みを掻き分けてくれた。

さっと人が別れ、道が出来た。


なんかモーセみたい。


少年が睨みを効かせながら先を行ってくれるので、誰も声をかけて来なかった。

話しかけてきたそうな顔をした人がチラホラいたので面倒がなくて助かった。

やっぱり見かけない子だから、気になるのかもしれないが……皆ひまなんだな、きっと。


徐々に人も減り、溢すこともなく、無事に先生たちの所にたどり着いた。


「おまたせしました!ちゃんとかえました!」

えへんっと胸をはり、どや顔をした。


「はい。大変よくできました」

タリルが誉めてくれた。


「てんいんさん!ここまではこんでくれて、ありがとーございました」

くるっと少年に向き直り、ペコッと頭を下げた。


「!!い、いいよ、いいよ!でも……一人でウロウロしない方がいいよ?……あぶないから」

ちらっとタリルとナルコスの方を非難がましい目で見た。


「じゃあ、また買いに来てくれよな!」

バイバイと手を振って店に戻っていった。


「ありがとー!」

バイバイと手を振り返した。



──いやーなかなかいい子だったな。爽やか少年だ。お店を任せられるだけのことはある


──うん、親切だったね!スライムレンクの謎はまだ残ってるけど


──そうだよ!これ……



手にもつスライムレンクを見つめながら、ラボであーだこーだと議論した。



「ふふ、警告されてしまいましたね……」

タリルが ぽそりと呟いた。


もちろん一人でただ買い物にやらせた訳ではなかった。ちゃんとアールに防御魔法をかけていた。敵意や悪意を持つ輩が触れれば、雷が走ったような痛みと痺れで動けなくなるのだ。アール本人には言ってないが……。


「そうだな」

ふっとナルコスが笑った。


ナルコスもいつでも飛び出せるように常に剣に手を置いていた。何かあればどうとでも動けるように臨戦態勢だった。おそらくアールまでの距離だったらひとっ跳びで行けただろう。


アールはあまり気にしていないようだったが、ボディーガードとしては最強のふたりだったのだ。


またもや、中途半端!!

すみません!


はじめて子どもと話したアール。

ちょっと楽しかったね!


まだまだ続くよ~次はきっと謎が解けるはず!


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