ピッツア2
「お~っす! そろそろ出来たか?」
生地が出来たのを見越したように女性陣が姿を現す。どうやら何か楽しい話でもしていたのだろう、どことなく距離が縮まっている気がする……。ってかマリーとジャクリーンがニヤニヤとこちらを眺めてるのが気になるが……あんた達なんの話をしてたの?
「おぅ、発酵終わってこれから生地を伸ばすとこだ」
「お~、さっきの倍以上に膨らんでるね~♪何これ面白い……って、何で潰すの!?」
「ん? そりゃパン作ってる訳でもないしな。薄くのばすんだしガスは抜かなきゃ意味ないだろ?」
さて、潰してガスを抜いた生地を一枚分に切り分けて、生地を回しながら麺棒で丸くのばしていく……と。
「あれはやんないの? 生地を投げ上げたり回転させて遠心力で伸ばすやつ」
「プロじゃあるまいしそんな技術は無いよ」
「お前様、以前それをやろうとしてえらいことをやらかしおったからのぅ」
「おっさん何やったんだよ……」
「生地を回転させておった際に手を滑らせての? 飛んだ生地が家の柱を切り飛ばして外へ……一瞬遅れて凄まじい叫び声が聞こえたかと思ったら巨大な翼竜の首がズシーン、遅れて胴体がズシーン……」
「……まぁよくある失敗だな。どうしよか? 見たいならやってみるけど?」
「ぜっっっったい駄目! 翼竜とはいえ竜鱗を切り裂く威力のピザ生地とか冗談じゃないわよ! 一体どうやったらそんなことが起きるの??」
どうやったらと言われてもそうなったのだから仕方ない。だが偶然とはいえもっかい投げたら翼竜落ちてこないかなぁ……。割と美味かったからもっかい食べたいんだが……。
「んじゃ生地を伸ばし終わったからソース塗って適当に具材を乗っけてくれ。たっぷり乗せるのも美味いが食いづらくなるから程々にな」
「い~わね~♪何から乗せようかな~、茄子と~トマトと~、ベーコンに、あっ! アスパラもあるじゃない!」
「よっと、こんなもんかな~」
「ぬぬっ! ジャクリーン! 肉ばかりで野菜が乗ってないではないか! きちんと野菜も食べるのじゃ!」
「んなっ!? ピーマンなんか乗せるなよ! 俺はこれでいいの! 成長期なんだから肉メインで正しいんだよ! そんな細かいこと気にしてるからお前はペッタンコなんだ!」
「ぐぬぬ……言うに事欠いて……! 妾はこれからが成長期じゃ! 今に見ておれ! 妾も母様のようにいずれは……!」
……女三人集まれば姦しいとは言うが……なんつーか一家団欒って感じだな。まぁでっかいの含めてガキばっかだが……むしろ保育園か幼稚園か何かかな?
「お~い、そんじゃチーズかけて焼くぞ~」
「「「は~い!」」」
……
「なにこれ! 生地もっちりしてて美味っ!」
「縁の部分がカリカリしてるのも食感違って良いわねぇ~」
「ふふん、なんだかんだ言いつつ野菜のピザも美味そうに食べておるの?」
夢中でピザを頬張っているジャクリーンにノルンがニヤニヤと視線を送る、憎まれ口を叩きながらもきちんと食べてる様子が嬉しいのだろう。
「ぐっ……べ、別にお前が情けない顔で懇願するから仕方なくだなぁ」
「誰が情けない顔で懇願などしておったか!!」
「お前ら喧嘩せずに仲良く食えよ~、まだまだあるからたっぷり食え」
俺の好みに合わせたレシピだが評判が良いようで良かった良かった。次は粉の配分変えてパンピザとかも作るかなぁ。んにしてもテリオスの牧場のチーズの美味いこと、また腕上げやがったなあいつ。
「こっちの照り焼きのも美味いのぅ、キャベツと茄子の相性も最高じゃ」
「こっちの小魚の奴は……? これはなんかソースに入ってる? プチプチした感じの……」
「そいつは魚卵の塩漬けにマヨネーズを混ぜたソースだな、上に乗ってるのは魚の稚魚を釜茹でにして干した奴だ」
あっちで言うタラコとちりめんじゃこのピザ、両方とも魚人族の皆に依頼して作って貰ったが意外とどうして上手く再現できてるもんだ。
「うへぇ……美味いけど一口でどんだけの命を消費してるかと思うと罪深いな……」
「名付けるなら『虐殺ピッツア』ってとこかしらね……」
「勝手に物騒な名前付けてんじゃねーよ……」
ジェノサイドピッツア
ピザ生地
明太子:適量
白ネギ:1/3本
釜揚げしらす:好きなだけ
マヨネーズ:明太子と1:1
とろけるチーズ:いっぱい
刻み海苔:好みで
1:伸ばしたピザ生地にマヨネーズと明太子を混ぜたソースを塗り伸ばす。
2:刻んだネギ、しらす、チーズを乗せて250℃のオーブンで12分。
3:焼き上がったらカットして刻み海苔をちらしたら完成。
罪深い……嗚呼罪深い……。




