表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/92

ピッツア

「何をしに外に出たのかと思ったらこんなの作ってたのね~」


「おぅ、前にテリオスに土台だけは作って貰ってたからな。貰った図面を頼りにこないだ完成したんだ」


 マリーがしげしげと観察しているドーム型の釜。その奥では薪が煌々と燃え盛り煙突から絶えず煙を上げている。そう、この釜の正体はピザ釜である。


「屋内のオーブンを使っても良いんだが、やっぱ広いスペースもあるんだし本格的なのも欲しくてな」


「な~んか色々設備やメニュー増やしてるけど、なに? ここにカフェでも作る気? ってかこんな本格的な釜王都のレストランでもそう置いてないわよ?」


「カフェなんか作っても誰も来れねーだろ? 純然たる趣味だ趣味、辺鄙なとこに住んでるんだからちったあ娯楽も無いとな」


 だが……カフェ……カフェかぁ……向こうに居たとき確かにカフェ経営は憧れたなぁ……。

 クラシックな煉瓦造りにアイビーを這わせた外観、カランカランとベルを鳴らして踏み入る店内には木目を生かした床とテーブル、そして立派な一枚板のカウンター。

 その奥にはコーヒーを淹れる俺にウェイトレス姿のノルン……。?? あれ? なんであっちの世界の妄想なのにノルンが普通に居たんだ?


「そんじゃさ! 今日はピザ? 私あれ好きなのよね~♪トマトソースも良いけどテリヤキソースやマヨ系も捨てがたいわよね!」


「お、おう。まぁシンプルにトマトソースのミックスピザと、照り焼きを冷凍しているのがあるから照り焼きのピザも作るかな」


「お前様! 言われた通りに粉を混ぜておいたぞ!」


 家の中からノルンが粉を入れたボウルを持って駆けてくる、ってかそんなに急ぐとまた……。


「ぬぁっ!? っとと……わわわっ!!」


「っと、危ないな! ぶちまけちまったらどーすんだよ全く!」


 意外にも躓いたノルンを庇ったのはジャクリーン、咄嗟に手が出たのかバツが悪そうに頬を掻く。


「あ、ありがとうなのじゃ……ぷっ……くくく……ハハハハハ!」


「んなっ! なんだよ人の顔見て笑いやがって!」


「いやっ……じゃが、その顔は流石にの……くくく……」


 言われてみてみれば庇った際に小麦粉を浴びたのだろう、ジャクリーンの顔が上下で二色に色分けされてしまっている。頬を拭って事態に気付いたジャクリーンが茶色と白のツートンカラーから赤と白のツートンカラーにみるみる変化してゆく。


「ぐっ……ちょ、ちょっと顔洗ってくる! ってかいつまで笑ってんだよ! おっさんも破壊者デストロイヤーもわーらーうーなっ! ふざけんなよまったく!」


「ハハハハ! 作りながら待ってるから急いで戻って来いよ!」


 憎まれ口たっぷりに足音荒く家に入って行くジャクリーン。まぁ、これが悩んだ上で彼女なりの魔族との付き合い方の落とし所なのだろう。

 ……なんつーか上司とかに聞いてた反抗期のお嬢さんそのままだな……。もしかしてノルンもそろそろあんな感じになったりするのかしら? ……一緒にパンツを洗濯すんなとか言われちゃったら俺泣くかも……。


「さて、お前様。二種類の粉を混ぜると言ったがどうしてなのじゃ?」


「混ぜた小麦粉は二種類、強力粉と薄力粉だ。強力粉は言わずと知れたパン作りに使う粉、こいつは固くもっちりとした生地になる。対して薄力粉はお菓子等に使うもので軽くふっくらとした生地になる」


「ふむ? どちらか片方じゃ駄目なのかの?」


「俺もそこまで詳しくはないがな。ただ、強力粉ばっかだと生地が固すぎて伸ばし辛いし、薄力粉だけだと軽すぎて弾力に乏しい生地になる。まぁこればっかりは作り手の好みによるがな」


「色々あんのね~、ってか私がこないだ焼いたパンが膨らまなかったのは薄力粉使ったせいだった??」


 マリーが思い当たったように手をポンと叩く、ってか千年生きててまだパンをまともに焼けないのかこのババアは……。


「さてさてそれではどう作るのじゃ?」


「まずは小麦粉の中心を窪ませてそこにイーストと砂糖、塩を入れる。そんでそこにぬるま湯を注いで捏ねてゆく」


「何でぬるま湯なの?」


「イースト菌の発酵の関係だな、冷たいと発酵しないし熱すぎると発酵速度が早すぎて狙いのタイミングで膨らまないんだそうだ」


 ここら辺は受け売りの知識だからどうしてそうなるのかは分からない、ってかイーストで何で生地が膨らむのかもサッパリわからん。世の中は不思議なことだらけだねほんと。


「んで生地が纏まってきたら溶かしバターを加えて表面が滑らかになるまで捏ねる」


「おっ、もう生地出来てんじゃん。早速焼くのか?」


 顔を洗って戻ったジャクリーンがボウルを覗いて舌なめずり。いや、さっきお前お子様ランチ食べたばっかだろ? ってか気付けばノルンとマリーも目を輝かせてこちらを観察している。

 いやいや待ちなさい食いしん坊共、手間を惜しんでは駄目、急いては事を仕損じる。手順を守ってしっかり待つのも料理には重要なファクターなのです。


「残念だがこれから生地を発酵させるからまだまだかかる、まあ今の内に具材切ったり他の準備を済ませようか」


「ふ~ん、ならいいや。破壊者~、色々聞きたいから話に付き合ってくれよ」


「ぬぬっ? 妾だけ仲間はずれは感心せんの! 妾も行くのじゃ!」


「そうね、んじゃ女子は女子で優雅にお茶会といきますか! ダイキ~後は頼んだわよ♪」


「はっ? ちょっ……待っ!」


 ……俺だけ仲間はずれも感心しないと思うのだが……。まぁ、仲良きことは美しきかな、あいつらが仲良くなって嬉しくはあるな、うん。

ピザ生地レシピ


 作中でも語りましたが生地の焼き上がりは薄力粉と強力粉、そして発酵の度合いに左右されます。生地がもちっとしてなくてよければ薄力粉とベーキングパウダーで作ってもさっくりしてて割と美味しいです(*´ω`*)


材料(Mサイズ2~3枚)


薄力粉 100g

強力粉 200g

ドライイースト 5g

塩 3g(小匙半分強)

砂糖 5g(小匙1)

油 大匙1杯

ぬるま湯 150cc


1:ボウルに粉類を入れ、中心を凹ませてそこにドライイースト、砂糖、塩を入れる。


2:ぬるま湯を1/3ずつ加えていきながら生地を捏ねる。


3:生地が一纏まりになったら油を加えて混ざりきるまでよく捏ねる。


4:40℃~50℃で1時間ほど生地を発酵させる。


5:発酵してふくらんだ生地を潰してガスを抜き、一枚分ずつ麺棒で丸く延ばす。


6:お好きな具材やソースを塗り250℃に予熱したオーブンで12分焼きます。



 生地に使用する油はオリーブオイルが一般的ですが個人的にはバターが一番美味しいと思ってます。買うと高いピザですが作ったら案外簡単で安上がり、お試しあれ(*´ω`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ