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憧れ

「どっかで見たことあると思ったらあんたが破壊者デストロイヤーマリーか、英雄様の周りには有名人が多いのな」


破壊者デストロイヤー……いつの間に私そんな二つ名ついてたの? 女の子にそんな二つ名つけるとか心外なんですけど? ……でも、グスタフの娘さんねぇ……巡り巡って戦友の娘さんとこうして食卓囲んでるとか、奇妙な縁よねぇ」


 心外も何もこれまで積み上げたお前の実績の賜物たまものだよ、他には何があったっけな……『愛を語る虐殺者(ジェノサイドラバー)』『うっかりやな死神』『路をならす者』……不吉な二つ名しかないのがいっそ清々しい。


「ってか私あの町ではかなり顔も売れてると思ってたんだけどね~、割と認知されてないのかしら? 出立式しゅったつしき凱旋がいせんの時には結構目立ってたとおもうけど?」


「名前は知ってても生憎あんまり興味は無いね、出立式には俺も行ったけど俺の目当てはもっと別の人!」


 ……目当てねぇ……。あ、あれか、英雄たる俺に憧れてた? いや~、もてる男は辛いね……。


おっさん(ロリコン)何鼻の下伸ばしてんだよ? あんたも違うぞ?」


「……ふられてしまったのぅ?」


 振られたって人聞きの悪い! ジャクリーンに敬われなくても別に何でもないし! 一応町では人気者で……だったよね? 一応英雄だしね? ……忘れられてるとかないよね?


「それにしても注文したとはいえ随分色々作ってくれたわね~、ワンプレートに彩りよく盛られてるから見た目にも綺麗ね」


「一応詫びを兼ねてるしな、たまにはこういうのもいいだろ?」


「ハンバーグにケチャップライスにフライに……このケチャップライスの旗は何か意味があるのかの?」


「まぁそれは様式美っつーかな、気にするもんじゃない」


 せめてもの抵抗で作ったのはお子様ランチ、これ位の意趣返しは許されても良いだろう。案の定脳内お子ちゃまな三人には好評だからな、真意が気付かれない異世界文化は便利便利♪


「……何やらお前様(はかりごと)をしておらぬか? どうも怪しいのぅ……」


「げほっ! い、いやっ……何もしてないよ?? 何かしようが無いだろ! な!?」


「うげぇ……まさか催淫薬とか……? やばっ!」


「? ダイキ、欲しいんだったら在庫あるわよ?」


「誰が食事にそんなもん盛るか! 黙って食え! 黙って!」


 ほんとにノルンのこの鋭さは一体何なんだ……ほんと何か考えるのも気を遣わなくちゃ……。


「愛故にじゃよ♡お前様の事をいつも見ているから細かな変化が分かるのじゃ♪」


「んなっ……心を読むな!!」


 ったく……そんなに表情に出やすいかな……? もうちょいポーカーフェイスの練習すべき?


「出ておるぞ? 偽れないお前様もいのぅ♡」


「あ~、今のは俺も分かったわ、こういうことな~」


 ……こいつら怖い……これ以上俺を丸裸にするのやめて……。んでマリー、訳が分からないって顔してるけど年の功でお前の方がそこら辺気付かなきゃ駄目なんじゃない? ……流石にお歳だからボケてきてるのか?


「お前様、それは思っていても口に出してはならぬぞ?」


「……はい」


「ふぇ? 何? 何なの? 私のこと見て……えっ? もしかして私人気者? いや~参っちゃうなぁ~♪」


「……なんつーか……英雄様の友達(ダチ)は変人ばっかなのか?」


 うん、まぁ……仰る通りで……。




「あ~っ! 食べた食べた! お腹いっぱい! 夕飯も頼むわね?」


「ぐっ……お前夕飯まで食ってく気かよ? ったく……そりゃあ俺が悪いっちゃ悪いが……」


「ふふふ……お前様もこういうときは強くは出られぬのぅ」


 一緒に食器を洗いながらノルンがクスクス笑い出す、なんか今日はご機嫌だな。まぁ心当たりはある、今日は初めてジャクリーンが一緒に食卓を囲んだのだ。

 マリーが一緒だったからとは言え最初の頃からしたら大きな進展である、言うなれば反抗期の娘の歩み寄り……いや、決して懐かない獣が初めて手から餌を食べたって方が正しいか?


「んで、ジャクリーンちゃん、ここでの生活はどう? 不便はしてない?」


「ん? まぁ……特に問題は無いかな? 来てすぐに酷い目に遭わされたけど……それにこないだなんか……」


「あれはあの後のお前の発言で帳消しだろ? 酷い目に遭ったのはこっちだよ」


 前回のジャクリーンの誤解を招く発言により俺はノルンを宥めるのに二昼夜を費やし。呪いが解けた後の家族計画を綿密に立てるというある意味での羞恥プレイを強要されたのだ。耳年増な女の子って怖い……いや、内容は流石に恥ずかしいので割愛するが……。


「なになに? 何があったの? ノルンちゃんを怒らせちゃったの?」


「ただの誤解だよ、こいつが意味深な感じに言うのが悪い。ってか俺はそこまで信用が無いかね……」


「ならばきちんと手を出してくれたら構わぬのだぞ? そこまで言うならちゃんとしてくれねば……」


「あ~っとお! 夕飯はあれにしたいから釜に火を入れなくっちゃなぁ! ちょっと外に行ってくる!」


 会話がどんどん怪しい方向へ向かっている、こんな時は三十六計逃げるに如かずってな。いや、ノルンの気持ちは分かるけどね、人前で話す内容でも無いからね?


「「「ヘタレめ」」」


 女性陣が声を揃えて何かを言った気がするが気にしない、気にしないったら気にしないのだ。

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