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立つ鳥跡を濁さず

「あ~っ……疲れたぁ……ダイキ~、ちょっと美味しい物何か作ってよ~」


「……お前ここを喫茶店か何かと勘違いしてないか?」


 うちを訪ねて来て開口一番、注文をしたマリーがソファに溶けるように同化する。飯をたかりにくるのはいいがもうちょい遠慮ってもんを持ってほしいもんだ。ってかなんか急ぎの用事でもあるのか? 人界で何か起きたとか?


「んで、何しに来たんだよ?」


「何しに来たってご挨拶ね~、私にぜ~~んぶ押し付けて逃げたくせに!」


「あっ……」


「その顔はまさか忘れてたわね!? ひどすぎるでしょ! 私あれから三日も缶詰めで始末書書かされたんだからね!」


 確かにそんな記憶はある、あ~、そっか~……そういやそういう事もあったような無かったような……。


「結局あの後子供達を引き取ったはいいけどスラム中捜索しても一人見付からない子がいてさぁ?」


「あっ……」


「……なに? その顔……まさか……きみ居場所を知ってるとか言わないよねぇ?」


 ジト目でこちらを見つめるマリー。うっわ~、ヤバい……完全に完璧に忘れてた……。そりゃそうだよね、こんなでもマリーってば案外義理堅い、頼まれた仕事は基本完璧にこなすキャリアウーマン系女王。任された子供達の内一人が行方不明となればそれこそ血眼になって捜したのだろう……。

 ってかどうしよヤバいヤバいヤバい! こいつ普段怒らない分へそ曲げたら引きずるんだよ、どう切り出すかが勝負の決め手……いやまぁ勝ち負けで言えば既に負けているんだが……。


「なんだよ騒がしいなぁ……昼寝もオチオチ出来やしない。……お客か? ってあの時のエルフのねーちゃん!」


 ……最悪だ、なんていう最悪なタイミングで姿を現すんだ……。ジャクリーン、お前タイミング計ってたろ? 絶対そうだろ? そうと言え……。


「……だ~い~き~く~~ん? これはどういう事か説明してくれるかなぁ?」


「……あ~……その~……なんだ、えっと……うん。ごめんなさい!!」


「?? なんだなんだ? 痴話喧嘩か? 英雄色を好むっていうけどあんた手当たり次第なんだな……」


 こういう時に役に立つのは本場仕込みのこれ、そう、DO・GE・ZAです。首筋の急所を晒しての謝罪、これこそ我が祖国JAPANに伝わる最上級の……ってかジャクリーンうっさい! 俺だってちぎっては投げちぎっては投げのハーレムライフとかしてみたかったわ! だがマリーとお前は御免被る!


「はぁ……まぁそんな事だろうとは思ったけど、無事なんだったらいいわ」


 ?? おかしい、こいつの性格上貸しを作ったら間違いなく遅滞なく取り立ててくるはず?? 一体どうして……。


「んじゃ豪勢なランチ、期待してるわよ~♪」


「……らじゃー」


 おそるおそる顔を上げた俺にマリーがにっこりと凄みを効かせた笑みを投げつけてくる。あ~分かりましたよ、散々歓待しますともさ! 畜生……上手く切り抜けたとあの時は思ったのになぁ……。


「お前様! 野菜を収穫してきたぞ! っと……マリー、来ておったのか。というかなんじゃお前様、苦虫をかみつぶしたような顔をして……」


「ノルンちゃん、今日のお昼はダイキがご馳走作ってくれるって~、楽しみね♪」


「一体どうしたんじゃ? まあよい、妾も手伝うぞ♪」


「いや、いいよ、俺がやるから。ノルンはマリーの相手をしてやって」


 ノルンの優しさが身に染みる……が、連絡ミスをしたのは俺の責任、きちんと落とし前は……。そういやそもそもの原因はノルンじゃねーか……ってかなんだかんだでお説教もまだじゃない? まぁ考えても仕方ない、とりあえずは料理をしよう……。

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